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エターナル・コネクト 〜陰キャの俺がゲーム世界に転生したら〜  作者: K
第2章 レーンの街編

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第17話 「姐さん」扱いに不機嫌MAX! ハーレム状態の野営と、理不尽な怒りに散っていく魔物たち

サイクロプス二体を退けたケイたちは、早めの野営をすることにしました。

激闘の疲れを癒やすための休息。

しかし、昨日までとは明らかに違う「空気」が、パーティーの中に流れ始めていました。



  ケイとハルの活躍により、本来出現するはずのない一つ目巨人(サイクロプス)を無事に撃退した一行は、予定より少し早いがこの辺りで野営をすることにした。

 昨日と同じように、ケイが『万物創造(オーバー・クリエイト)』の魔法を行使し、そびえ立つ崖の岩肌をくり抜いて立派な石の家を作り上げた。


 そして、夕食どき。

 石の家のリビングに設置されたテーブルを四人で囲んでいたが、そこには昨日とは明らかに違う空気が流れていた。


「はい、ケイ君。熱いから気をつけてね。あ〜ん」

「あ、あ〜ん……」


 ソフィがスプーンですくった麻婆豆腐(ケイが事前に作り置きして『空間収納(ストレージ)』に入れていたもの)をふーふーと冷まし、ケイの口元へと運んでいる。

 一つ目巨人(サイクロプス)から絶体絶命のところを救われたソフィは、あれ以来すっかりケイにぞっこんになってしまったのだ。隣にぴったりと座り、甲斐甲斐しく世話を焼いてくる。


 前世である現代日本では過酷ないじめに遭っており、女の子に優しくされたりモテたりした経験など一度もなかったケイにとって、年上の綺麗な女性からこんな風に甘やかされるのは、正直なところまんざら悪い気はしなかった。


 しかし、その光景を見て悪い気がしなかったのはケイ一人だけで――。


「ちょっと! いい加減にしてよね! こんなところでいちゃついて!」


 向かいの席に座るハルが、バンッ!とテーブルを叩いて立ち上がった。その顔は怒りで真っ赤に染まっている。


「あら、いいじゃない。別にケイ君とハルちゃんは、付き合っているわけじゃないんでしょ?」


 ソフィは悪びれる様子もなく、余裕の笑みを浮かべて反論する。


「う、うぐ……っ」


 痛いところを突かれたハルは、言葉に詰まってしまった。


 一方、女同士のバチバチとした修羅場を前に、ハンズが能天気に割って入る。


「まぁまぁ、姐さん。そんなカリカリ怒ってると、眉間にシワが増えやすぜ?」


 ハルに命を救ってもらって以来、ハンズはハルの圧倒的な強さに敬意を表し、彼女の事を「姐さん」と呼んで言葉遣いもすっかり敬語に変わっていた。彼なりの気遣いのつもりだったのだろう。

 だが――。


「誰が姐さんよ! だいたい、シワが増えるとか女の子に向かって失礼でしょ!!」


 そのデリカシーの欠片もない発言が、ハルの機嫌をさらに最悪なものにしてしまったことに、ハンズは全く気づいていないのだった。


     * * *


 気まずい夕食を終えた後、ケイは一人でお風呂に入っていた。


 ガタガタッ。

 脱衣所の方から物音が聞こえる。ハンズさんだろうか。


 今日のお風呂場は、旅の疲れをゆったりと癒やしたかったので、かなり広めに作っておいた。ちょっとしたプールのように泳げるほどの広さがあるため、ハンズが入ってきたところで何の問題もないのだ。

 ケイはそう思いながら、湯船の縁に頭を乗せて目を閉じていたのだが……。


「ケイ君、背中を流してあげるよ〜」


 甘い声と共に浴室に入ってきたのは、ハンズではなくソフィだった。

 しかも、タオル一枚羽織ることもなく、一糸纏わぬ全裸の姿で堂々と入ってきたのである。


「ソ、ソ、ソフィさん……っ!? そ、それは流石にまずいですよ……っ!」


 ケイは慌てて顔を背け、両手で目を覆い隠した。

 いくら体の年齢が8歳とはいえ、ケイの精神年齢は立派な17歳の男子高校生なのだ。18歳のソフィの豊満な裸体に興味がないわけがなく、顔を覆った指の隙間からは、しっかりとその姿を直視してしまっていた。


「あら、ケイ君。子供がそんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃない。お姉ちゃんが綺麗にしてあげるからね」


 一方のソフィは、8歳の子供に裸を見られることなど何とも思っていないらしく、悪戯っぽい笑みを浮かべて近づいてくる。


 するとその時。

 ドタドタドタッ……!!


 ものすごい足音が廊下を駆け抜け、浴室のドアがバンッ!と勢いよく開け放たれた。


「ケイ! どうしたの!?」


 さっきのケイの慌てた声が聞こえたのか、ハルが血相を変えて飛び込んできたのだ。

 そして、湯気が立ち込める風呂場にいる全裸のケイと、同じく全裸で密着しようとしているソフィの姿を目の当たりにし――ハルの顔が、夕食の時以上に真っ赤に沸騰した。


「何やってるのよ! この変態!!」


 バチンッ!!


「痛ッ!?」


 ハルはケイの頬に強烈な平手打ちを見舞うと、そのままケイの腕を掴み、問答無用で湯船から引きずり出した。


(……僕、悪いんだろうか……?)


 理不尽なビンタの痛みに頬を押さえながら、裸のまま脱衣所に放り出されたケイは、ただ呆然とそう呟くことしかできなかった。


     * * *


 次の日。

 パーティーの空気は、昨日以上に異様なものになっていた。


 相変わらずソフィはケイに、ハンズはハルにべったりと引っ付いている。

 特にソフィの猛アピールはエスカレートしており、歩きながらケイの腕にわざと自身の豊かな胸を押し当ててしがみついていた。


 それを見たハルの機嫌が良くなるはずもなく、彼女にまとわりつく黒いオーラは頂点に達していた。そして、その理不尽な怒りの矛先は、道中に現れる哀れな魔物たちへと向けられる。


「『死の弾丸(デス・バレット)』!!」


 ドスッ! バキィッ!

 ハルの頭上から放たれる種子の弾丸は、もはや八つ当たりのように威力を増しており、姿を見せた瞬間に魔物たちは文字通り「秒殺」されていく。木端微塵に吹き飛ぶ魔物たちを見て、ケイは心の中でそっと手を合わせた。


 そんなピリピリとした道中を乗り越え、夕暮れ時。四人はついに目的の地である『ウルドの街』に到着した。


 この時、ケイとハルのレベルは10、ハンズとソフィのレベルは9まで上がっていた。

 本来ならあり得ない一つ目巨人(サイクロプス)を二体も狩った経験値が大きかったのだろう。それなりにレベルは上がったものの、ケイはステータス画面を見ながら首を傾げていた。


(『リリィの加護』で経験値が3倍になっているんだ。ゲームの『エタコネ』なら、間違いなくレベル20以上にはなっているはずなんだけど……)


 やはり、現実となったこの世界は、ゲームのエタコネと比べると極端にレベルが上がりにくい仕様になっているらしい。自分たちがどれだけ規格外の力を持っていても、この先、油断はできないということだ。


 夕日に染まる巨大な防壁を見上げながら、四人は昇級試験の報告をするため、ウルドの街の冒険者ギルドへと向かって歩き出した。


第17話をお読みいただき、ありがとうございます!


激闘の後の穏やかな夜……のはずが、ソフィさんの猛攻(?)により、別の意味での修羅場が展開されてしまいました。

「あ〜ん」にお風呂突撃。ケイの精神年齢が17歳だと知っての狼藉でしょうか(笑)。


そして、ハルの理不尽なビンタ……。

「面白い!」「ハルのヤキモチが可愛い」と思ってくださったら、

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よろしくお願いいたします。


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