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エターナル・コネクト 〜陰キャの俺がゲーム世界に転生したら〜  作者: K
第2章 レーンの街編

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第14話 因縁のモヒカン男と行く昇級試験

第14話お届けします!

昇級試験の道中、ハルの「やる気のない戦い方」が炸裂!?

そして、ケイのユニークスキル「万物創造」が、過酷な野営を劇的に変えていきます。



「じゃあ、そろそろ出発するぞ」


リーダーに立候補したハンズが声をかけると、彼とソフィはそれぞれの大きなリュックサックを背負い込んだ。三日間の徒歩の旅となれば、食料や野営具など荷物はどうしても嵩張ってしまう。


「お前ら、荷物はないのか?」


手ぶらで立っているケイとハルを見て、ハンズが怪訝そうに尋ねた。


「ハルたちのはケイの『空間収納(ストレージ)』に入れてるから! ソフィさん(・・・・・)のも入れましょうか?」


ハルはハンズを一瞥もせず、ソフィの方だけを向いて確認した。あからさまな塩対応である。


「ま、まぁまぁ。ハンズさんもよかったら入れますよ」


ケイはハンズの額に青筋が浮かんだのを察知し、慌ててフォローを入れた。

以前の酔っ払っていた時のハンズなら、ケイも間違いなく無視していただろう。しかし、酒の入っていないシラフのハンズは、多少口が悪いだけでそこまで悪人には見えなかった。協力できることは協力しておいた方が、これからの旅も円滑に進むだろうと判断したのだ。


「お、おう。悪いな」


重い荷物を背負わずに済んで助かると思ったのか、ハンズは意外にも素直にケイにお礼を言った。

ケイは二人の大きなリュックサックを受け取ると、亜空間へと繋がる『空間収納(ストレージ)』に次々と収納していく。


「生活魔法の空間収納ですよね? そんなにたくさん収納できましたっけ……?」


ソフィが不思議そうに首を傾げた。彼女の知識では、生活魔法の収納量はせいぜいリュックサック一つ分が限界のはずだ。


「僕、生まれつき魔力が多いみたいなので、普通の人より少し収納量が多いんですよ」

「は、はぁ……」


ソフィはどうも腑に落ちない様子だったが、ケイがさらりと流したため、それ以上深く追及してくることはなかった。


     * * *


レーンの街を出発し、ウルドの街へと続く平原を進む四人。

やがて、旅の道中で最初の魔物が姿を現した。ブルーウルフ四匹である。

ブルーウルフはレベル3の魔物だ。スライムよりは強く、ゴブリンよりは弱いといった立ち位置である。


「行くぞ!」


ハンズがそう叫ぶと同時に剣を抜き、ブルーウルフの群れへと突っ込んでいく。口は悪いが、前衛としての仕事は真面目にこなすようだ。


「『パリィ』! ソフィ、今だ!」


ハンズはブルーウルフの鋭い爪での攻撃をスキルで鮮やかに受け流し、後衛のソフィに指示を飛ばした。


「はい! 赤き炎、灼熱の……」


指示を受けたソフィは、杖を構えて魔法の詠唱を始める。


「『火の玉(ファイア・ボール)』!」


約十秒ほどの詠唱が終わると、ソフィの杖の先端から燃え盛る火の玉が出現し、ブルーウルフ目掛けて一直線に飛んでいく。

火の玉が直撃したブルーウルフは一撃で絶命し、コロンと魔石を残して姿を消した。


ソフィが使った『火の玉』は、火魔法の中でも初歩中の初歩である。彼女のレベルはまだ5のため、詠唱には少々時間がかかるようだ。

だが、これこそが本来のエタコネにおけるオーソドックスな戦い方なのだ。前衛が魔物の攻撃を引きつけ、後衛が時間をかけて高火力の魔法を叩き込む。ハンズとソフィは、即席パーティーながらうまく連携が取れていると言えるだろう。


一方、もう一人の前衛であるハルは――。


「『死の弾丸(デス・バレット)』!」


ハルの頭上に浮かぶ光る種子――『虹彩の種子(プリズム・シード)』が、弾丸のような凄まじい速度で射出され、残り三匹のブルーウルフの急所を次々と貫いていく。一瞬の出来事だった。

どうやらハルは、気に食わないハンズと同じパーティーになったことで、かなり機嫌が悪いようだ。圧倒的な力で八つ当たりのように魔物を瞬殺している。

ちなみに『死の弾丸(デス・バレット)』というのは、厨二病を患ったハルが即興で考えた痛々しいスキル名である。


「おいおい、なんだよその変な種みたいなの! それよかお前、剣術使うって言ってなかったか!?」

「ほっといてよ! ちゃんと倒せてるんだからいいでしょ!」


瞬殺された魔物を見て目を丸くするハンズと、ツンとそっぽを向くハル。案の定、二人はすぐに口喧嘩を始めてしまった。この二人の相性は絶望的に悪いようだ。


ちなみに、その頃ケイは。


「『空間収納(ストレージ)』」


ブルーウルフが落とした魔石を拾い集め、淡々と亜空間に収納していた。

戦闘において生活魔法は戦力にならないからと、この辺の雑用を任せるのがハンズからの指示だったのだ。ケイとしても、自分が手を貸すまでもなくあっさりと討伐できているため、特に文句を言うこともなく素直に指示に従っていた。


それからも現れる魔物を順調に討伐しながら、四人はウルドの街を目指して歩みを進めた。


「あ、レベルが上がりました」

「俺もだ!」


戦闘を終え、ソフィとハンズが同時に声を上げた。二人ともレベル6に上がったようだ。


「でも、おかしいですね……」


ソフィが自身のステータスを確認しながら疑問を口にする。彼女の計算では、この戦闘回数でレベルが上がるのは早すぎるというのだ。

(おそらく、僕とハルについている『リリィの加護』の経験値三倍の効果が、パーティーメンバーにも適用されているんだろうな……)

ケイは密かに推測したが、加護がついているなどと言えばあまりにも目立ちすぎると判断し、ハルと共に何も言わずに知らん顔で聞き流すことにした。


     * * *


「このあたりで、野営にするか! ケイ、荷物を出してくれるか?」


日が傾き始めた頃、ハンズの指示で本日の野営が決まった。

目の前には高くそびえる断崖絶壁があり、麓には澄んだ水をたたえる池もある。風を凌げて水場も近い、野営場所としては申し分ない環境だろう。


ケイは『空間収納(ストレージ)』から、預かっていた二人の大きなリュックサックを取り出して渡した。ハンズとソフィは受け取った荷物から小型のテントを取り出し、手慣れた様子で組み立てていく。


「ケイ、あの岩を家にできないかな?」

「やってみる!『万物創造(オーバー・クリエイト)』!」


ハルの無茶振りに応え、ケイが断崖絶壁の巨大な岩壁に向かってスキルを発動した。

すると次の瞬間、ゴゴゴ……という重低音と共に、ただの岩壁が削り出された立派な石の家へと一瞬にして姿を変えた。


「はぁっ!?」

「えっ……!?」


これには流石のハンズとソフィも目を剥いて驚愕した。


「ハンズさん、少し魔石をもらっていいですか?」

「お、おう……」


呆然としているハンズから許可をもらい、ケイはここまで討伐して集めた魔石をいくつか取り出す。


「『万物創造(オーバー・クリエイト)』!」


光に包まれた魔石は、淡く温かな光を放つ魔法のランタンへと変化した。これで夜の明かりも完璧だ。


「二人とも、どうぞ使ってくださいね」

「お、おう……」

「あ、ありがとうございます……」


常識を覆す光景の連続に、ハンズとソフィは完全に唖然として言葉を失っていた。

ハルも流石にこの状況で、「ハンズは家には入れない」などという野暮な意地悪は言わなかった。


【後書き】

第14話をお読みいただきありがとうございます!


ケイのユニークスキル「万物創造」。

断崖絶壁に家を建てるという規格外の活用法に、パーティーメンバーも驚きを隠せない様子です。


果たして、このまま試験は無事に終わるのか……。

続きが気になる!と思ってくださった方は、ブックマークや下の【☆☆☆☆☆】でポイントを入れて応援いただけると、執筆の大きな励みになります!

よろしくお願いいたします!


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