オル
ECOアモリス支部。
自動ドアが開く。
エデンとジエルが中に入る。
ちょうどいた天記が二人を見る。
「おかえりなさ――」
言葉が止まる。
エデンの手の上を見て、目を見開く。
「……え?」
ジエルが言う。
「パトロール中に見つけた。喋る小さいエイリ星人だ」
天記が立ち上がる。
「ええええ!?」
オルがぺこっと頭を下げる。
「よろしくですぞー」
天記は慌てて奥に走る。
「け、研究者を呼びます!!」
バタバタと消えていく。
ジエルが苦笑する。
「そりゃ驚くよな」
エデンもうなずく。
「そうなるよね」
数分後。
白衣を着た研究者たちがやってくる。
「どこですか!?」
「新種の進化個体は!」
エデンの手の上を見る。
「……!」
研究者の一人が近づく。
「これは……小型のエイリ星人?」
研究者が手を差し出す。
「こちらに渡してもらえますか?」
オルがエデンの手にしがみつく。
「いやですぞー!離れたくないですぞー!」
研究者が困る。
「少しだけ協力を――」
オルが震える。
「研究されたくないですぞー!」
「怖いですぞー!」
エデンがオルを見つめる。
「オル」
優しく声をかける。
オルもエデンを見る。
「……」
エデンが言う。
「危険じゃないって証明しなきゃいけないよ」
静かに続ける。
「そうすれば、ここにいてもいいって認めてもらえるかも」
オルが少し考える。
「……ここにいてもいいんですぞ?」
エデンがうなずく。
「そのための検査だよ」
オルが目を閉じる。
「……分かったですぞ」
小さく息を吐く。
「行くですぞ」
研究者の方を見る。
「お願いしますですぞ」
研究者が少し驚く。
「それではお預かりしますね」
そっとオルを受け取る。
オルは最後にエデンを見る。
「すぐ終わるですぞ?」
エデンが微笑む。
「うん。ここで待ってる」
オルがうなずく。
「分かったですぞ」
研究室へ連れていかれる。
ドアが閉まる。
ジエルが言う。
「素直だな、あいつ」
エデンが静かに言う。
「怖かったんだと思う」
天記も戻ってくる。
「大丈夫かな……エイリ星人なんだよね?」
エデンが答える。
「はい。でも敵意はなかったです」
数時間後。
研究室のドアが開く。
研究者が出てくる。
「結果が出ました」
エデンとジエル、天記が集まる。
研究者が言う。
「オルは――エイリ星人の進化個体です」
ジエルが腕を組む。
「ということは」
研究者が続ける。
「核を持っています」
天記が驚く。
「……」
研究者の表情が曇る。
「ですが。それ以外は……まったく分かりません」
エデンが聞く。
「分からない?」
研究者がうなずく。
「戦闘能力なし」
「攻撃性なし」
「エネルギーも微弱」
「構造も通常のエイリ星人と違う」
ジエルが言う。
「つまり?」
研究者が静かに言う。
「核を持った進化個体のエイリ星人」
「それ以外の情報はゼロです」
天記が不安そうに言う。
「そんなことって……」
研究者が続ける。
「記憶も失っているようで」
「このようなエイリ星人の存在は今までに例がありません」
エデンが静かに言う。
「……オルは危険じゃないってことですか?」
研究者が少し考え、答える。
「現時点では――危険性は確認されていません」
ジエルが息を吐く。
「とりあえずセーフか」
その時。
研究室の奥から声がする。
「終わったですぞー!」
オルが転がるように出てくる。
エデンの足元にぴょんと乗る。
「頑張ったですぞ!」
エデンが少し笑う。
「お疲れ様」
研究者が言う。
「しばらくはECOで保護・管理します」
「よろしいですね?」
ジエルがうなずく。
「問題ない」
オルが嬉しそうに言う。
「ここにいてもいいですぞ?」
エデンが答える。
「うん」
「しばらくここで暮らすことになるよ」
オルが笑う。
「よろしくですぞ!」
新しい仲間のような存在が、ECOアモリス支部に加わった。
1000pv達成した記念として、次の3話を同時公開します




