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エデン  作者: ko-da
4章 死神事件編

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58/91

死神事件の終わり

旧研究区域、廃ビル


窓は割れ、灯りもない。


カイトが低く言う。

「ここか……」


リナが周囲を見る。

「なんか変な感じがする」


アグレスが拳銃を構える。

「警戒して進むよ」


ゆっくりと中へ入る。


階段を上がる。


コツ……コツ……


静かな足音。


そして――


奥の部屋。


一人の男が立っていた。


白衣を着て、背を向けている。


アグレスが静かに言う。

「……ドクターグレイ」


男がゆっくり振り向く。

「おや」


冷たい笑み。

「もう来ましたか」


エデンが睨む。

「逃げ場はないぞ」


アグレスが前に出る。


銃を構えたまま言う。

「ドクターグレイ。もう一度、捜査に協力して欲しい」


グレイが小さく笑う。

「協力?」


アグレスが続ける。

「死神事件について、話を聞かせてもらう。あなたは重要参考人よ」


グレイは肩をすくめる。

「なるほど。まだ、その段階ですか」


カイトが言う。

「とぼけるな」


リナも構える。

「あなたが関わってるのは分かってる」


グレイは静かに笑う。

「証拠は?」


沈黙。


アグレスが答える。


エデンが通信機を見せる。

「ドロイさんがあんたに発信機を取り付けてた」


グレイは背中に手をやり、発信機を見つけ、なるほどと言い、笑みを浮かべる。


カイトが続ける。

「エネルギー反応も記録されてる」


アグレスが言う。

「それに、あなたが心臓に手術を施した患者が、全員死神に心臓を狙われていたという事実もある」


静かな沈黙。


グレイは少し目を閉じる。


そして――

小さく笑う。


アグレスが銃を下ろさずに言う。

「もう言い逃れはできない」


グレイは肩をすくめる。

「そうですね」


あっさりと言った。

「認めましょう」


全員が少し驚く。

「死神事件は、私が起こしました」


カイトが眉をひそめる。

「……あっさり認めたな」


グレイは微笑む。

「隠す意味がありませんから」


アグレスが無線を取る。

「こちらアグレス。容疑者を確保した」


「グレイを連行する」


警察が到着し、グレイの手に手錠がかけられ、連行されていく。


その時。


グレイが警察の車の前で止まる。


そして、小さく笑う。

「フッフッフ……」


エデンを見る。

「エデン君」


低い声。

「君はやはり……」


小さく呟く。


警察に押され、車に乗る。


エデンが固まる。

「……今」


カイトが振り向く。

「どうした?」


エデンが呟く。

「今、エデンって言った……?」


リナが言う。

「言ったかな?」


エデンの表情が曇る。

「それに……あの雰囲気」


頭の中に浮かぶ記憶。


冷たい声。


エイリ星人の王。


――エイリワス。


自分の体にインターフェースを取り付けた存在。

「……まさか」


だが、首を振る。

「……いや、聞き間違いか」


誰にも言わなかった。


そのまま夜の中へ、グレイは連行されていった。




数日後。


アモリス刑務所。


特別独房区域。


重い鉄の扉が並ぶ。


看守が歩いていた、特別独房の前に立つ。


ガチャリ。


扉を開ける。

「グレイ、状態確認に――」


言葉が止まる。


床にグレイが倒れ、ぐったりしている。

「……え?」


その奥に――

何かがいた。


大きな翼。


黒い羽。


カラスのような異形。


怪物が喋る。

「ラベジニウム3個は、流石に負担が大きすぎたか」


看守の体が固まる。声も出ない。


怪物は続ける。

「結局、心臓から取り出した()()()()に変化はなかったがまぁいいだろう」


ゆっくりと振り向く。


看守と目が合う。

時間が止まる。

怪物が笑う。


「……おや」


「見られてしまったか」


看守は震える。

「な……なんだ……お前……」


怪物が微笑み、看守にゆっくり近づく。

「君に協力してもらおう」


黒い翼が広がる。



しばらくして。


看守が歩いていた。看守長の部屋に入る。そこには、年老いた看守長が座っていた。


「報告します」

看守が言う。

「特別独房の囚人、グレイが死亡していました。死亡報告書は私が作成しておきます」


看守長が静かにうなずく。

「そうかご苦労」


「以上です」

看守は部屋を出る。


廊下を歩く。


コツ……コツ……


静かな足音。


そして。


顔がゆっくりと歪む。


不気味な笑み。

「……そろそろ」


低い声。

「肥料を与えようか」


目が光る。

「絶望という肥料を」


黒い影が廊下の奥へ消えていった。

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