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エデン  作者: ko-da
4章 死神事件編

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機械の体

救急車のサイレンが、夜の街に響いていた。


死神は警察によって拘束され、搬送されていく。

同時に――

「救助者を運べ!」


「ストレッチャーを!」


エデンたちは半ば強引にドロイを病院へ搬送していた。


「俺は問題ないと言っているのですが……」


「黙ってろ!」

カイトが言う。


リナも怒っている。

「心臓貫かれて問題ないわけないでしょ!」


アグレスも腕を組んで言う。

「医療確認は義務。これは命令」


ドロイは周りを見る。心配そうな顔をしている全員を見て、目を閉じる。

「……了解しました」


病院の処置室。


ドロイはベッドに座っている。


内部の機械が露出していた部分を包帯で保護している。


エデンは少し離れた場所から見ている。

「本当に……機械なんですね」


ドロイは静かに答える。

「はい」


その瞬間。


カイトが前に出る。

「で?」


低い声。

「なんで今まで黙ってた」


リナも腕を組む。

「同じ支部にいたよね、私たち」


「ずっと一緒に任務してたよね?」


ドロイは少し黙る。

「……」


カイトが続ける。

「信用してなかったのか?」


ドロイは首を振る。

「違います」


リナが言う。

「じゃあ、なんで」


静かな沈黙、その後ドロイは答える。

「心配をかけたくなかった」


その言葉に、空気が止まる。

「機械の体であることを知られれば、余計な気を遣わせます。戦闘の判断にも影響が出る」


「だから黙っていました」


カイトが息を吐く。

「……バカだな」


リナもため息をつく。

「本当に」


しかし、少しだけ表情が緩む。


ドロイは静かに言う。

「申し訳ありません」


そして、話題を変える。

「それよりも」


全員を見る。

「ドクター・グレイは、まだ病院にいますか?」


アグレスが答える。

「……いない」


アグレスが続ける。

「さっき確認したけど、すでに姿を消してた」


「予想通りよ」


ドロイはうなずく。

「そうですか」


そして、ポケットから小さな機器を取り出す。


それをエデンに渡す。

「これは?」


エデンが聞く。


ドロイが答える。

「通信機です」


「ドクター・グレイに取り付けてあります」


空気が止まる。


アグレスが目を細める。

「……は?」


ドロイが続ける。

「病院にいた時、バレないように付けました。現在も位置と通信を追跡できます。俺はここから動けません。ドクターグレイはエデンさん達に任せます」


アグレスの額に青筋が浮かぶ。

「ちょっと待って」


低い声。

「無断で通信機を付けたの?」


「はい」


「それ、プライバシーの侵害だよ」


アグレスが一歩前に出る。

「勝手に盗聴器を付けるなんて、警察でも許可なしにはできない」


ドロイはすぐに頭を下げる。

「申し訳ありません。勝手な行動でした」


深く頭を下げる。

「すみません」


アグレスはしばらく黙る。


そして、ため息をつく。

「……ドロイ君、まだ未成年でしょ」


ドロイがうなずく。

「はい」


アグレスは腕を組む。

「罪には問わない」


「でも」


指を向ける。

「後でちゃんと指導はする」


警察としての顔だった。

「二度と勝手な真似はしないこと」


「分かりました」


ドロイが答える。


少し間を置いて、アグレスは言う。

「……でも」


視線を少し逸らす。

「君のおかげで、ドクター・グレイを追い詰められる」


静かに言う。

「死神事件の犯人に近づけた」


そして小さく笑う。

「ありがとう」


ドロイは少し驚いた顔をする。

「……いえ」


エデンが通信機を見る。

「これでグレイを追えるな」


カイトが言う。

「すぐに動くぞ」


リナもうなずく。

「逃がしたら終わりだもんね」


アグレスが立ち上がる。

「行くわよ」


病院の外。


扉が開く。


夜の空気が流れ込む。


外はもう真っ暗だった。


街灯だけが道を照らしている。


エデンが空を見る。

「……夜か」


カイトが言う。

「長い一日だったな」


リナが伸びをする。

「でも、ここからが本番だね」


アグレスが歩き出す。

「ドクター・グレイを確保する」


エデンが前を向く。

「行こう」


夜の街へ、エデンたちは歩き出した。


ドクター・グレイを追うために。

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