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エデン  作者: ko-da
4章 死神事件編

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天才医師

「手術中です」


職員の言葉を聞いた瞬間、

エデンが椅子から立ち上がった。

「……その医者」


「グレイさん」


アグレスも立つ。

「今どこで手術を?」


職員は少し戸惑いながら答える。

「第三手術室です」


「ですが、手術中なので――」


その言葉を聞く前に、エデンはもう動いていた。

「行こう」


リナが慌てて立つ。

「ちょ、ちょっとエデン!」


カイトも静かに立ち上がる。その横でドロイも資料を閉じながら言った。

「確証はありませんが、確認する価値はありますね」


職員は少し困った顔をした。

「いや、手術中は――」


アグレスが真剣な目で言う。

「事件の可能性があります」


「お願いします」


職員は数秒迷ったが、やがて頷いた。

「……分かりました」


「こちらです」


エデンたちは職員の後ろについて

病院の廊下を歩き出した。


白い廊下。


消毒液の匂い。


遠くでストレッチャーが動く音が聞こえる。


リナが小声で言う。

「ねえ……」


「もしその先生が犯人だったらどうするの?」


エデンは前を見たまま答える。

「まだ分からない」


「でも」


少し低い声で続ける。

「確かめないと」


ドロイが資料を見る。

「被害者はすべてこの病院に関係しています。その人がまったくの無関係という可能性は低いと思います」


アグレスが歩きながら言う。

「よく考えたら、医者が人を殺す理由って何?……」


誰も答えられなかった。


やがて職員が立ち止まる。廊下の奥で、扉の赤いランプが点灯している。扉の上には第三手術室と書かれていた。


職員が言う。

「ここです」


扉の上のランプは手術中を示している。リナが小さく言う。


「……今、手術してるんだよね」


アグレスが頷く。

「ええ」


エデンは扉を見つめる。


その向こうで、ドクター・グレイが手術をしている。


その瞬間――


手術室のランプが


パッ


と消えた。


そして、すぐに第三手術室の扉が開いた。中から一人の男が出てくる。


白衣を着た長身の男。黒髪を後ろに流し、細い眼鏡をかけている。手にはまだ手術用の手袋をつけ、その目は異様なほど落ち着いていた。


職員が言う。

「グレイ先生」


「この方たちは――」


男は静かに視線を向けた。

「……警察?」


アグレスが前に出る。

「ええ」


「私は刑事のアグレスです」


グレイは手袋を外しながら言った。

「患者なら今手術が終わったばかりだ」


「命は助かる。安心していい」


エデンはその男をじっと見ていた。

(この人が……)


ドクター・グレイ


アグレスが本題に入る。

「実は少しお話を伺いたくて」


グレイは淡々と答える。

「手短に頼む」


「次の患者がいる」


アグレスは資料を見せた。


死神事件の被害者5人。

「この人たち、全員あなたが手術していますね」


グレイは写真を一瞥する。


そして答えた。

「そうだ」


「覚えている」


「重症患者だった」


エデンが聞く。

「……そのあと」


「全員殺されています」


グレイの表情は変わらなかった。


アグレスが続ける。

「現在捜査している連続殺人事件」


「通称――」


「死神事件」


廊下の空気が少し張り詰める。


アグレスは続ける。

「被害者の共通点はあなたの手術を受けていること」


「何か心当たりはありませんか?」


数秒の沈黙。


グレイは静かに言った。

「ない。ただの偶然だ」


「この病院は救急の中心。重症患者はここに来る。私が担当することも多い」


淡々とした声だった。

「それだけの話だ」


アグレスは食い下がる。

「しかし、事件の可能性があります」


「捜査に協力していただけませんか」


グレイは首を横に振る。

「断る」


グレイは手袋をいじり、冷静に言った。

「私は医者だ。警察でも探偵でもない」


「やることは一つ」


「目の前の患者を救うこと」


そしてアグレスを見て言う。

「あなた方の事件は、あなた方で解決してくれ」


「私は関係ない」


その時だった。


ピッ


アグレスの通信機が鳴る。


アグレスが出る。


「アグレス」


通信の向こうから焦った声が聞こえた。

「こちら本部!」


「報告です!」


アグレスの表情が変わる。

「何?」


通信が言う。

「死神が現れました!」


その言葉に


エデンたちが反応する。

「場所は?」


アグレスが聞く。

「アモリス地区――」


少しノイズが入る。


そして告げられた。

「中央公園付近です!」


リナが言う。

「ここから近い!」


カイトも言う。

「徒歩数分だ」


エデンはすぐに動いた。

「行こう!」


アグレスも通信機を切る。

「グレイ先生。失礼します」


「エデンさん達は先に行っていてください!俺は少し気になることがあるので、それを確認してから行きます」

ドロイはそう言い、病院に残ることになった。


エデン達はアモリス中央公園に向かう。


それを見るドクターグレイ。その目は異様に冷たかった

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