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エデン  作者: ko-da
4章 死神事件編

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再会

翌日。


エデンは昨日と同じ場所に向かった。

既にそこにはアグレスが立っていた。手には資料の入ったファイルを持っている。

「おはよう、エデン君」


「おはようございます」


二人は軽く挨拶を交わすと、アグレスは自分の車から資料を取り出し、ベンチに腰掛ける。

「じゃあ、まず事件の詳細から説明するね」


エデンは真剣な表情で資料を見る。アグレスはそこから写真を一枚取り出した。

「これが被害者の状況だ」


写真には警察の検視写真が写っていた。胸部に大きな傷がある。

「被害者は全員、心臓を何かでえぐられている状態で見つかっている」


エデンの眉が動く。

アグレスは続けた。

「ただし問題があって」


「この傷」


写真を指さす。

「分かると思うけど、大きすぎるんだ」


「ナイフや刃物のサイズじゃない。人間が使う凶器では説明がつかない」


エデンは静かに言った。

「……なるほど」


アグレスは次の資料を見せる。

「事件が最初に起きたのは先月」


「そこから今までに五件。全部同じ手口」


エデンが聞く。

「報道は?」


アグレスは首を振る。

「してないよ。犯人を刺激しないようにね」


「今は警察がパトロールを増やして対応している」


エデンは腕を組んで考える。

「もしエイリ星人なら」


「こんな回りくどいことするかな……」


その時、ケイの声が頭の中で響く。

『断定は早い』


『高い知能持つ進化個体の可能性もある』


エデンは小さく息を吐く。そしてアグレスを見る。

「一つ言っていいですか?」


「もちろん」


エデンは真面目に言った。

「もし本当にエイリ星人が関わっているなら」


「ECOの隊員にも協力を要請できます」


アグレスの表情が少し明るくなる。

「それは助かる」


エデンは続けた。

「ただ、今の情報だけだと」


「まだ人間の事件の可能性もあります」


アグレスは難しそうな顔をして、手に持った資料を見ながら頷く。

「確かに」


エデンは資料の写真を見る。

「だから」


「もっとエイリ星人と関係のある証拠が必要です」


アグレスは呟く。

「現場に残っていた正体不明のエネルギー反応が何か分かればねぇ」


エデンの目が鋭くなる。

「エネルギー反応……」


アグレスは続けた。

「警察の機材では正体が分からなくて」


「でも普通じゃないのは確かだよ」


エデンは立ち上がった。

「じゃあ……それを見に行きましょう」


アグレスも立ち上がる。

「OK、ついてきて」


「一番新しい現場に案内するよ」


二人は車に乗り込み、街を走る。


そして数分後――

車は人通りの少ない裏路地で止まった。


「ここだよ」

アグレスが助手席のエデンに言う。


そこには黄色いテープが張られている。アグレスはそのテープを取り、エデン達はゆっくり歩いて現場に入る。


そして地面を見た瞬間――

ケイの声が鋭く響いた。

『エデン』


(なに?)


ケイは低く言う。

『間違いない。ここには確かに』


少し間を置き、


『異常なエネルギーが残っている』


エデンの表情が変わった。床にしゃがみ込み、地面に残る痕跡を見つめる。

「何かあるのか……」


アグレスが聞く。

「分かるのかい?」


エデンは首を横に振った。

「反応は感じますでも……」


「これが何のエネルギーなのかは分からないです」


ケイも頭の中で言う。

『残滓はある』


『だが種類の特定はできない』


エデンは立ち上がり、少し困ったように頭をかいた。

「やっぱり」


「判定する機械とかがないと厳しいですね」


アグレスは腕を組む。

「警察でも調べたけど」


「結局正体不明だった」


エデンは小さくため息をついた。

「ECOの機材があれば……」


その時だった。


「……エデンさん?」


後ろから声がした。エデンが振り向く。そこには三人の隊員が立っていた。エデンの目が少し大きくなる。


「……え」


「ドロイ?」


落ち着いた雰囲気の青年が軽く会釈する。

「久しぶりですね」


「エデン君」


その隣には二人。


一人は背の高い少年で、静かにこちらを見ている。

もう一人は活発そうな少女だった。


エデンは言う。

「カイトと、リナ?」


三人は入隊試験の時に一緒に戦ったメンバーだった。


アグレスが小声で聞く。

「知り合い?」


エデンは頷く。

「ECOの入隊試験で一緒に戦ったんです」


エデンは三人を見る。

「皆は入隊試験合格したの?」


そう聞くと三人は頷く。


「というか君たち、ここは規制されてる場所だよ。なんで入ってきたの?」

アグレスは三人に注意をすると、リナは困った顔をする。

「そ、そうなんですか?テープとかもなかったから、入ってきちゃいました」


「え」

アグレスは思い出した。黄色テープを取った後、その黄色テープを張りなおさなかったことを。

「ご、ごめん。私がテープ取ってたんだった」


そう言い、謝るアグレスにリナは「大丈夫ですよ」と言う。


その後、ドロイはエデンに聞く。

「今は、何をしているんですか?」


「死神事件の捜査中なんだ」

エデンが答える。


リナの表情が少し変わる。

「死神事件?……」


カイトは短く言う。

「……噂は聞いたことある」


それだけ言って、また静かに現場を見る。

ドロイがエデンに聞く。

「それで、ここでは何を調べているのですか?」


エデンは説明した。

「現場に正体不明のエネルギー反応が残ってるらしくて、それを確認しに来たんだ」


リナが首をかしげる。

「調べたの?」


エデンは少し困った顔になる。

「それが、判定する機械がなくて」


「何のエネルギーか分からない」


少し沈黙が流れる。


その時――


ドロイが静かに言った。

「それなら、私が調べましょう」


エデンが聞く。

「え?」


ドロイは落ち着いた様子で続ける。

「簡易ですが」


「エネルギー解析機能があります」


リナが少し笑う。

「ドロイ、そういうの得意なんだよね」


カイトは一言だけ言う。

「……任せる」


ドロイは地面にしゃがみ込んだ。


腕に付けた装置のようなものを操作する。


小さな光が点灯した。


「では」


「解析を開始します」


エデンとアグレスはその様子を見守る。


数秒の沈黙。


そして――


ドロイの表情が、わずかに変わった。

「……これは」


エデンが聞く。

「分かった?」


ドロイは静かに答える。

「通常のエネルギーではありません」


「エイリ星人のものとも一致しない」


「「え?」」

エデンとアグレスは驚き、ドロイを見る。

二人の間の空気がわずかに張りつめた。

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