表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エデン  作者: ko-da
間章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/90

休養

エデンの口から出た名前に、区長室の空気がわずかに張り詰めた。

「エイリワスっていうエイリ星人です」


ホワイトは静かに目を細める。

「……エイリワス?」


ジエルが腕を組んだまま続ける。

「たぶん、アモリス支部襲撃事件の首謀者」


エデンも頷いた。

「俺たち、直接会ったんです」


ホワイトの表情が少し驚きに変わる。

「直接……?」


亜爆も静かに補足する。

「そのエイリ星人は進化の研究をしているらしくて」


「自分をエイリ星人の王と名乗っていたそうです。」


その言葉を聞いた瞬間――


ホワイトの目が大きく開かれた。

「……王?」


一瞬、沈黙。


そしてホワイトはゆっくりと言った。

「なるほど……」

「そういうことか」


エデンが少し不思議そうに聞く。

「何か知ってるんですか?」


ホワイトは少し考えるようにしてから言った。

「君たちは、エイリ星人の王が一人だけだと思っているかもしれない」


ジエルが眉を上げる。

「違うのか?」


ホワイトは静かに首を振った。

「違う、少なくともエイリワスだけではない」


三人が少し驚く。


亜爆が尋ねる。

「他にも王がいるのですか?」


ホワイトはゆっくり頷いた。

「私は、直接知っているわけではない父から聞いた話だ」


窓の外を見ながら言う。

「今から、およそ30年前」


区長室の空気が少し重くなる。


「ECOは」


「あるエイリ星人と戦った」


「その存在は」


少し間を置く。


「エイリ星人の王」


エデンが小さく呟く。

「もう一人の王……」


ホワイトはゆっくりと言った。

「その名はエイリヲル」


ジエルが少し驚く。

「聞いたことねぇ名前だな」


ホワイトは頷く。

「知らないのも当然だろうね。エイリヲルの存在はECOの極秘記録に近い」


ホワイトは続ける。

「ECOの隊員たちが大きな犠牲を払いながら、エイリヲルを退けた」


エデンが聞く。

「倒したんですか?」


ホワイトはゆっくり首を振る。

「いや、退けただけで完全に倒したわけではないんだ」


ジエルが小さく舌打ちする。

「厄介だな」


ホワイトは真剣な目で三人を見る。

「もし、君たちの言うエイリワスが」


「本当に王なら」


少し低い声で言う。

「エイリ星人の王が再び動き出している」


部屋の空気が重くなる。


エデンの頭の中でケイが静かに呟いた。

『……興味深い』


エデンが心の中で聞く。

(何が?)


ケイは冷静に言う。


『王が複数存在する種族』


『そして30年前のエイリヲル撃退』


『情報が繋がり始めている』


エデンは少し緊張する。

(つまり?)


ケイは短く言った。


『君たちが巻き込まれている問題は』


『想像以上に大きい』




区長室の空気は重く静かだった。


エイリワス。

エイリヲル。

エイリ星人の王。


次々に出てくる話に、エデンたちもすぐには言葉が出なかった。


ホワイトはそんな三人の様子を見て、少し表情を和らげた。

「……すまないね」


穏やかな声で言う。

「急にこんな話をしてしまって」


ジエルが椅子にもたれながら言う。

「まぁ」


「スケールでかすぎて逆に実感わかねぇな.....」


亜爆は静かに考えている。


エデンも少し整理しきれていない様子だった。


ホワイトは机から少し離れ、三人を見た。

「先日のアモリス支部襲撃事件」

「君たちはかなり激しい戦いをしたと聞いている」


エデンたちは黙って聞く。


ホワイトは穏やかに続けた。

「だから、今日はもうこれ以上話すつもりはない」


ジエルが少し意外そうにする。

「あれ、もう終わりか?」


ホワイトは微笑んだ。

「君たちも、疲れているだろう」


少し優しい口調になる。

「数日間」

「休養を取ることを勧める」


エデンが少し驚く。

「休み……ですか?」


ホワイトは頷く。

「心も体も整えることは大切だ」

「それに」


少し意味深に言う。

「もし未来が本当に君たちに関係しているのなら」

「これから」

「もっと大変なことが待っているかもしれない」


ジエルが立ち上がる。

「まぁ」

「休めるなら休むけどな」


亜爆も静かに言う。

「そうしますか」


エデンも小さく頷いた。

「ありがとうございます」


ホワイトは軽く頭を下げる。

「今日は来てくれてありがとう」

「休みの申請はこちらで済ませておく」


三人は区長室を後にした。


廊下を歩きながら、


ジエルが大きく伸びをする。

「はー」

「なんかすげぇ話聞いた気がする」


亜爆は冷静に言う。

「興味深い情報でしたね」


エデンは少し黙って歩いていた。


その時、


頭の中でケイが静かに言う。

『休養か』


エデンは心の中で答える。

(うん)

(ちょっと休めるみたい)


ケイは短く言った。

『悪くない』

『戦いの後の休息は重要だ』


エデンは少し笑う。

(ケイも休む?)


少し間。


ケイは静かに答えた。

『私は君の中にいる。常に一緒だ』


エデンは小さく笑った。


その時――


遠くの空を見上げながら、


ジエルがぽつりと言う。

「けどよ、もし区長の言う未来が本当なら」


エデンと亜爆が見る。


ジエルは少し真面目な顔で言った。

「俺ら、とんでもないことに巻き込まれてんじゃね?」


三人はそのまま、


ECO支部へと戻っていった。


――数日間の休養が、始まろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ