倍速
刃の嵐が迫る。
無数の刃が空間を裂きながら、エデン達へ降り注ぐ。
エイリトス
「斬殺!斬殺!」
エデンは歯を食いしばる。
(もう……防ぎきれない……!)
その瞬間――
バキィィン!!
金属が砕けるような音が響く、迫っていた刃の嵐が、空中で砕け散る。
「……え?」
エデンが顔を上げる。
その視界に映ったのは――
一人の隊員の背中。
ECOの制服。手に時計を持ち、両手にはインターフェースを付けた男が静かに立っていた。
男は落ち着いた声で言う。
「刃を生やす能力.....進化個体か」
エイリトス
「……?」
男がゆっくり振り返る。
鋭い目つき。
そして、冷たい声。
「新人が進化個体と戦っているとはな。」
ジエルの目が見開かれる。
「……おい」
天記も気付く。
「ああ、やっぱり帰ってきてたんですね」
エデンは二人を見る。
「知ってる人なんですか?」
ジエルが小さく答える。
「あの人は、アモリス支部のAランク隊員だ」
エデン
「Aランク……!?」
天記が補足する。
「アモリス支部にはね、Aランクが三人しかいないんだ」
男が静かに名乗る。
「ECOアモリス支部。Aランク隊員」
「時輪 鐘鳴だ」
エイリトスは笑い、刃を地面に叩きつけている。
「斬殺……斬殺……」
「安心しろ」
時輪は動じず、次の言葉を淡々と紡ぐ。
「支部内のエイリ星人はほぼ制圧済みだ。」
そしてエイリトスを見る。
「残りは……この進化個体。」
エイリトス
「斬殺!!」
エイリトスが突進する。
時輪は右手のインターフェースに装着されているラベジニウムを触る。
「倍速」
時輪の姿が一瞬で消える。
次の瞬間。
エイリトスの体が横に吹き飛んだ。
時輪が静かに着地する。
「ジエル隊員」
「……ああ」
「電撃で動きを制限しろ」
「おう」
「天記隊員」
「銃撃で再生を阻害しろ、一点集中射撃だ」
「了解」
「亜爆隊員」
「はい」
「爆撃で退路を断て」
「OK」
そして最後にエデンを見る。鋭い視線。
「新人」
エデン
「は、はい!」
「お前は防御役だ」
「能力で前線を維持しろ」
エデンは頷く。
「わかりました!」
時輪はエイリトスを見ながら静かに言う。
「作戦は単純だ」
指をエイリトスへ向ける。
「核を露出させる。」
その目は冷たい。
「そして破壊する。」
エイリトスが笑う。
「ハ壊?」
「ヒヒひ、斬殺!」
時輪が一歩踏み出す。
その瞬間。
彼の姿が一瞬で加速する。
「――戦闘再開だ。」
時輪鐘鳴の能力 倍速 自分のスピードを倍速にする最大5倍まで
時輪鐘鳴はラベジニウムを装着するインターフェースを右手と左手両方につけているため、
能力は二つある。しかしその分寿命は縮む




