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エデン  作者: ko-da
間章 

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28/90

赫月 亜爆

「なぁ亜爆」


「はい?」


「お前、ランクいくつなんだ?」


ジエルは亜爆に対して質問する


ECOの隊員にはそれぞれランクがある。

DからSまで存在し、さらにその中でも数字がつく。


亜爆は少し考えるようにして答えた。


「Dランク」


ジエルがニヤッと笑う。


「おっ、同じじゃん」


しかし次の言葉でその表情は固まった。


「D-5です」


一瞬沈黙。


ジエルが腕を組み、わざとらしく胸を張る。


「……ふっ」


「俺はD-1だ」


そしてドヤ顔で言った。


「つまり俺の方が上だな」


しかし亜爆は特に反応を示さなかった。


「そうですねー」


あっさり流される。


ジエルの眉がピクッと動く。


「……」


「おい」


「もうちょっと悔しがれよ」


エデンが苦笑する。


亜爆は落ち着いたままだ。


ジエルは頭をかいた。


「なんでどいつもこいつも落ち着いてんだよ!」


その様子を見ていた天記が、ふと口を開いた。


「ちなみに僕はB-5だよ」


その言葉にエデンの目が大きく開く。


「Bランク!?」


ECOのランクはDから始まり、C、B、A、そしてSへと上がっていく。


つまり――


かなりの上位隊員だ。


ジエルがニヤニヤしながら言う。


「すげぇだろぉ」


「天記さんは強いんだぞ」


天記は困ったように笑った。


「いやいや、そんな大したものじゃないよ」


そのとき、亜爆がポケットからタバコを取り出した。


しかしジエルがすぐに言う。


「ここで吸うんじゃねぇぞ」


亜爆は素直に戻した。


「失礼失礼」


そしてエデンの方を見る。


「そういえば、能力を言ってなかった」


亜爆は続けた。


「そっちの能力は既に知ってるから」

「私の能力の説明を」

「私の能力は――」


爆撃手ボンバー


ジエルが眉を上げる。


「ボンバー?」


亜爆は手のひらを軽く見せた。


「爆弾を生成する能力です」

「それを使って攻撃します」


エデンが驚く。


「爆弾を作れるの?」


「はい。ただし制限があって」


亜爆は淡々と説明した。

「現状、同時に作れるのは二つまで」


ジエルが腕を組む。

「二つか……」


しかしエデンは違う感想だった。


(いや……)

(十分強い能力じゃないか)


そのとき、頭の奥で声が響く。

『……うむ』


ケイの声だ。


『爆発は単純だが強力な破壊手段だ』

『扱い次第では非常に危険な能力だな』


エデンは心の中でうなずいた。


(やっぱりそう思うよな)


目の前では、亜爆が静かに立っていた。


その落ち着き方は、Dランクの新人とは思えないほどだった。




数日後


ジエル・レートはソファに寝転がりながら天井を見ていた。


「暇だ……」


向かいの椅子ではエデンが隊員証を眺めている。

新しく届いたそれにははっきりと刻まれていた。


ECO隊員 エミット・エデン

ランク:D-9


「なぁエデン」


「ん?」


「その隊員証、まだ見てんのかよ」


「いや……なんか実感がなくてさ」


エデンは少し笑う。


「少し前まで普通の生活してたのに、いきなりECOの隊員だって言われても」


「まぁな」


ジエルは起き上がり、腕を組む。


「でもよ、ECOはこの国で600人ぐらいしかいない組織だぞ?」


「その中に入ってんだから大したもんだろ」


エデンは少し驚いた顔をする。


「ジエルに褒められるとは思わなかった」


「褒めてねぇよ!」


ジエルがツッコむ。

「ただ俺の部下みたいなもんだって言ってんだよ!」


「ランクは俺の方が上だしな!」


そこへ静かな笑い声が入る。


「別に部下ではないと思うけどね」


振り向くと天記が立っていた。


まだ少し顔色は悪いが、歩ける程度には回復している。

「天記さん」


ジエルがすぐに姿勢を正す。

「ほんとに大丈夫なんすか?」


「うん、大丈夫だよ」


天記は軽く笑った。

「ちょっと無理しただけだから」


すると、部屋の隅から煙の匂いがした。


「……」


三人の視線がそちらに向く。


赫月亜爆だった。


窓を開けて煙草をくわえている。


ジエルが立ち上がる。

「おい!」


亜爆が振り向く。


「ここ支部だぞ!」


「あ......すみません」


亜爆はすぐに煙草を消した。


「つい癖で」


その様子にジエルは少し拍子抜けする。


「……けっこう素直なんだよな」


「注意されたらやめますよ。そりゃ」


亜爆は落ち着いた声で言った。


エデンが少し笑う。


「噂と全然違うな」


ジエルがニヤニヤする。


「Sランクに手出したってやつな」


亜爆は淡々と続ける。


「別に、こちらから喧嘩を売ったわけではないし。」


「向こうが試してきたというか」


「まあ色々あって殴ったというか...」


ジエルが目を丸くする。


「それで生きてんの?」


「運が良かっただけですよ」


さらっと言う。


エデンは亜爆を見つめる。


普通の男にしか見えない。


しかしその静かな雰囲気の奥に

何かが潜んでいるような気がした。

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