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エデン  作者: ko-da
間章 

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28/249

赫月 亜爆

「なぁ亜爆」


「はい?」


「お前、ランクいくつなんだ?」


ジエルは亜爆に対して質問する


ECOの隊員にはそれぞれランクがある。

DからSまで存在し、さらにその中でも数字がつく。


亜爆は少し考えるようにして答えた。


「Dランク」


ジエルがニヤッと笑う。


「おっ、同じじゃん」


しかし次の言葉でその表情は固まった。


「D-5です」


一瞬沈黙。


ジエルが腕を組み、わざとらしく胸を張る。


「……ふっ」


「俺はD-1だ」


そしてドヤ顔で言った。


「つまり俺の方が上だな」


しかし亜爆は特に反応を示さなかった。


「そうですねー」


あっさり流される。


ジエルの眉がピクッと動く。


「……」


「おい」


「もうちょっと悔しがれよ」


エデンが苦笑する。


亜爆は落ち着いたままだ。


ジエルは頭をかいた。


「なんでどいつもこいつも落ち着いてんだよ!」


その様子を見ていた天記が、ふと口を開いた。


「ちなみに僕はB-5だよ」


その言葉にエデンの目が大きく開く。


「Bランク!?」


ECOのランクはDから始まり、C、B、A、そしてSへと上がっていく。


つまり――


かなりの上位隊員だ。


ジエルがニヤニヤしながら言う。


「すげぇだろぉ」


「天記さんは強いんだぞ」


天記は困ったように笑った。


「いやいや、そんな大したものじゃないよ」


そのとき、亜爆がポケットからタバコを取り出した。


しかしジエルがすぐに言う。


「ここで吸うんじゃねぇぞ」


亜爆は素直に戻した。


「失礼失礼」


そしてエデンの方を見る。


「そういえば、能力を言ってなかった」


亜爆は続けた。


「そっちの能力は既に知ってるから」

「私の能力の説明を」

「私の能力は――」


「爆撃手(ボンバー)」


ジエルが眉を上げる。


「ボンバー?」


亜爆は手のひらを軽く見せた。


「爆弾を生成する能力です」

「それを使って攻撃します」


エデンが驚く。


「爆弾を作れるの?」


「はい。ただし制限があって」


亜爆は淡々と説明した。

「現状、同時に作れるのは二つまで」


ジエルが腕を組む。

「二つか……」


しかしエデンは違う感想だった。


(いや……)

(十分強い能力じゃないか)


そのとき、頭の奥で声が響く。

『……うむ』


ケイの声だ。


『爆発は単純だが強力な破壊手段だ』

『扱い次第では非常に危険な能力だな』


エデンは心の中でうなずいた。


(やっぱりそう思うよな)


目の前では、亜爆が静かに立っていた。


その落ち着き方は、Dランクの新人とは思えないほどだった。




数日後


ジエル・レートはソファに寝転がりながら天井を見ていた。


「暇だ……」


向かいの椅子ではエデンが隊員証を眺めている。

新しく届いたそれにははっきりと刻まれていた。


ECO隊員 エミット・エデン

ランク:D-9


「なぁエデン」


「ん?」


「その隊員証、まだ見てんのかよ」


「いや……なんか実感がなくてさ」


エデンは少し笑う。


「少し前まで普通の生活してたのに、いきなりECOの隊員だって言われても」


「まぁな」


ジエルは起き上がり、腕を組む。


「でもよ、ECOはこの国で600人ぐらいしかいない組織だぞ?」


「その中に入ってんだから大したもんだろ」


エデンは少し驚いた顔をする。


「ジエルに褒められるとは思わなかった」


「褒めてねぇよ!」


ジエルがツッコむ。

「ただ俺の部下みたいなもんだって言ってんだよ!」


「ランクは俺の方が上だしな!」


そこへ静かな笑い声が入る。


「別に部下ではないと思うけどね」


振り向くと天記が立っていた。


まだ少し顔色は悪いが、歩ける程度には回復している。

「天記さん」


ジエルがすぐに姿勢を正す。

「ほんとに大丈夫なんすか?」


「うん、大丈夫だよ」


天記は軽く笑った。

「ちょっと無理しただけだから」


すると、部屋の隅から煙の匂いがした。


「……」


三人の視線がそちらに向く。


赫月亜爆だった。


窓を開けて煙草をくわえている。


ジエルが立ち上がる。

「おい!」


亜爆が振り向く。


「ここ支部だぞ!」


「あ......すみません」


亜爆はすぐに煙草を消した。


「つい癖で」


その様子にジエルは少し拍子抜けする。


「……けっこう素直なんだよな」


「注意されたらやめますよ。そりゃ」


亜爆は落ち着いた声で言った。


エデンが少し笑う。


「噂と全然違うな」


ジエルがニヤニヤする。


「Sランクに手出したってやつな」


亜爆は淡々と続ける。


「別に、こちらから喧嘩を売ったわけではないし。」


「向こうが試してきたというか」


「まあ色々あって殴ったというか...」


ジエルが目を丸くする。


「それで生きてんの?」


「運が良かっただけですよ」


さらっと言う。


エデンは亜爆を見つめる。


普通の男にしか見えない。


しかしその静かな雰囲気の奥に

何かが潜んでいるような気がした。

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