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エデン  作者: ko-da
間章

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225/245

隊員証と区長

数日後。

ECOアモリス支部の教室では、訓練が終わった隊員たちがそれぞれ思い思いに過ごしていた。

エデンは席に座りながら、近くにいた緋山たちと話をしている。

シオンもその輪の中にいた。

少しずつではあるが、新しく入った隊員たちもこの場所に馴染み始めている。

そんな中、エデンがふと思い出したように口を開いた。

「そういえば後輩の皆とシオン、隊員証ってもらったの?」


「隊員証ですか?」

緋山が首を傾げる。

「うん。ECOの隊員なら持ってるやつ」

エデンがそう言うと、緋山たちは顔を見合わせた。

「ああ、それなら持ってますよ」

緋山が自分の隊員証を取り出した。

それに続いてナロク、グラス、フルトもそれぞれ隊員証を取り出していく。

シオンも少し遅れて、自分の隊員証を手にした。

「これです」


「見せて見せて」

エデンが身を乗り出す。

一枚ずつ確認していく。

そこに記されていたランクは――

全員、D-9だった。

「おお……」

エデンは思わず声を漏らした。

全員が同じランクなのを見て、どこか懐かしい気持ちになる。

D-9。

それは、ECO隊員としての最初の位置。

エデン自身も、最初はそこから始まった。

隊員証を見つめながら、エデンは昔のことを思い出す。

自分も最初はDランクだった。

右も左も分からないままECOに入り、初めてエイリ星人と戦った。

あの頃は、自分がここまで強くなるなんて考えもしなかった。


「エデンさん?」

緋山の声で、エデンは我に返った。

「ん?」


「どうかしました?」


「いや……ちょっと昔のこと思い出してた」

そう言って、エデンは笑った。

「俺も最初はDランクだったんだよ」


「そうなんですか?」


「うん」

緋山たちは興味深そうにエデンを見る。

その時だった。

教室の扉が開いた。

「エデンさん、ドロイさん、亜爆さん」

入ってきたのは、ECOの職員だった。

三人が振り向く。

「はい?」


「ランク更新の手続きが終わりましたので、こちらを」

職員は三人に隊員証を渡した。

エデンは受け取った隊員証を眺める。

「ランク更新?」


「はい。これまでの活動記録や任務結果などをもとに、更新されています」

そう言って職員は、三人の反応を待つことなく部屋を出ていった。

エデンは新しい隊員証を手の中でひっくり返す。

ドロイも自分の隊員証を見ながら首を傾げた。

「どれぐらい上がるんでしょう?」


亜爆は腕を組みながら答える。

「結構上がるんじゃないですか?」

そして、エデンとドロイを見る。

「エデンさんとドロイさんの実力的に」


「亜爆さんも上がると思うけど……」

エデンがそう言うと、亜爆は少しだけ苦笑した。

「そうですかね」

三人はそれぞれ隊員証を手にしたまま、しばらく待った。

周囲にいた緋山たちも、三人の更新結果が気になるのか、自然と視線を向けている。

やがて、数分が経った。


「できました」

先ほどの職員が戻ってきた。

三人のもとへ歩いてくると、それぞれに新しい隊員証を手渡した。

エデンは受け取った隊員証に目を落とす。

そこに記されていた文字を確認した瞬間――

「……B-8」

エデンのランクは、D-9からB-8へ。

大きく二段階以上も上がっていた。

「Bランク……」

緋山が驚いた声を漏らす。

エデン自身も、少しだけ目を見開いている。

「結構上がったな……」

その隣では、ドロイが自分の隊員証を確認していた。

「俺は……C-2です」

DランクからCランクへ。

ドロイも驚いたように隊員証を見つめる。

「こちらも思ったより上がりましたね」

そして最後に、亜爆が自分の隊員証を見る。

「……C-5」

亜爆もDランクからCランクへと更新されていた。

「亜爆さんもCランクです!」

緋山が嬉しそうに言う。

亜爆は隊員証を眺めながら、少しだけ口元を緩めた。

「なるほど……」

三人の新しいランクが、教室の中で並ぶ。

B-8。

C-2。

C-5。

それは、これまで三人が積み重ねてきた戦いの結果だった。

エデンは改めて自分の隊員証を見る。

かつてはD-9だった。

それが今では、Bランク。

数字だけを見れば、大きな変化だ。

けれどエデンにとっては、その間にあった出来事の一つ一つの方が印象に残っていた。

戦って、負けて。

誰かに助けられて。

誰かを助けて。

そして、また前へ進んできた。

「……俺、結構上がったんだな」

エデンが小さく呟く。

その言葉を聞いた緋山たちは、それぞれの隊員証を見つめる。

今は全員がD-9。

まだ始まったばかりだ。

エデンも、最初は同じ場所にいた。だからこそ、その数字の先に何があるのか。彼らにはまだ分からない。

その時。教室の扉が開いた。一人のECO職員が入ってくる。

「エデンさん、ドロイさん、亜爆さん」

三人が振り向く。

「はい?」

職員は手元の書類を確認しながら、少し戸惑ったように口を開いた。

「ええっと、あの……」

何かを伝えようとしているようだったが、言葉が続かない。

その様子を見て、教室にいた全員が職員へ視線を向ける。

すると――

「私から説明しよう」

職員の後ろから、落ち着いた声が聞こえた。

その声とともに、一人の男性が教室へ入ってくる。

白い髪。

整えられた服装。

穏やかな表情。

その姿からは、どこか人を安心させるような雰囲気が漂っていた。

エデンは、その人物を見た瞬間に気づく。

「……ホワイトさん」

アモリス地区の区長。

ホワイト。

かつてエデンたちの前に現れ、未来について語った人物だった。

「やあ、久しぶりだね」

ホワイトは穏やかな笑みを浮かべる。

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