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AIOライト  作者: 栗木下
7章:マイホーム

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375:70-5

「そうね。それじゃあまずは情報交換と行きましょうか。ゾッタ兄が居ない間に、私たちの方でも色々とやっていたから」

「分かった」

 グランギニョルはそう言うと、ここ数日の攻略組の動きについて教えてくれる。

 で、その話をまとめるならばだ。


・メンテナンス明け初日(64日目)、攻略組は適当な自動生成ダンジョンを攻略することで、携帯工房を作成

・翌日(65日目)、新しい都市を探すべく攻略組およそ60名はケイカから南北二方向に分かれて出発

・が、道中のモンスター……特にワンダリングモンスターとの遭遇によって68日目までに攻略組はほぼ壊滅

・69日目に攻略組で生き残っていたグランギニョルとシュヴァリエも死に戻りし、新しい都市を探す試みは失敗に終わった


 と言う事であるらしい。


「まったく、まさか踏み込んだ自動生成ダンジョンのスタート地点がランダムだとは思わなかったわ……」

「自動生成ダンジョンの入り口ももう安全な場所では無いんですね……」

「うん、そうだね。レア度:4だからか第一階層からも罠が有ったし、今後は休息を取るには拠点が必須だと僕は思うよ。で、拠点を展開するためには手早く相手のヘイトを切れる手段が必要になる」

「なるほどな」

 うーん、何と言うか、想像以上にドウの地の探索は厳しい物であるらしい。

 拠点が敵に見つかっている状態だと展開できないというのは掲示板情報で知っていた。

 それに実質的に拠点が必須なのもまあいい。

 が、相応の戦闘力かネクタールのような強力な隠蔽手段が無いと、碌な探索すら出来ないとは……レア度:3の自動生成ダンジョンもビックリだな。


「そんなわけでまあ、どうせ大雨だから、今日は一日情報交換と作成会議に費やして、明日と明後日は再探索の為の準備を整える。って言うのが攻略組の現状ね」

「なるほどな」

「で、ゾッタ兄の方はどうなの?」

「どうって言われてもなぁ……」

 グランギニョルの質問を受けて、俺はメンテナンス後にやった諸々について思い出す。

 思い出したが……わざわざ攻略組に話す必要がありそうなことと言えば、四つくらいしかない。

 具体的に言えば、


・銀に魔力を注ぎ込む事で作れる人工ミスリル

・『防御する天空の農場』第四階層で遭遇したMPK

・『防御する天空の農場』第四階層以降で掲示板を含む通信手段が使えなかった事

・『防御する天空の農場』のボスであるハルキゲニア種についての情報


 これくらいだろうか。

 勿論、人工ミスリルについては現物を出しながら話した。

 で、その結果としてだ。


「人工……ミスリル……そんなの有りか」

「プレンゴーレムを狩る意味がなくなったわけじゃないが、人工って……おま……」

「とりあえず検証班には教えておかないとなー……ははは」

 まずリジェネミスリルクリスを前に、何人かのプレイヤーが呆然としていた。


「MPK……随分とゾッタ兄にご執心なのね」

「師匠、一体何をやったのさ……」

「まあ、師父ならそれだけ怨まれていてもおかしなこととは思いませんが」

 MPKについては何故か「お前何をやったんだ」と言う目で俺が見られることになった。

 解せない。

 ミアゾーイ関係について知っているのならばともかく、この場に居るプレイヤーは誰一人としてその件については知らないはずなのだが……うん、解せない。


「通信手段の使用不可……地味ですが厄介な仕様ですね」

「そうだな。条件は罠の方と一緒か?」

「ああ、罠がレア度+階層が5以上で出現で、通信禁止がレア度+階層が7以上。十中八九これでいいと思う」

 通信手段の使用不可については興味深い話が出てきている。

 うん、罠の発生条件には何となく察しがついていたが、断言できるだけの情報が集まっていたんだな。

 流石は攻略組だ。


「見ただけで状態異常とかエグイなんてレベルじゃねえな……」

「これはレベル詐欺モンスターに追加するべきじゃないか?どう考えてもレベルと実力が……」

「てか、初見でしかもボス個体に勝てる『狂い斧』ていったい……」

 ハルキゲニア種についても話は弾んでいるようだ。

 なお、幾つか訂正しておくならば、俺は一度撤退しているし、相性が良かった上でなおギリギリの勝利である。

 少なくともそんなあからさまに恐怖している目を向けられる覚えはない。


「まあ、ゾッタ兄が私たちと同じか、それ以上にぶっ飛んでいるのなんていつもの話よね」

「やっぱりぶっ飛んでいるんですか」

「そりゃあね。どう考えても私たちと同じか、それ以上にきつい戦闘と探索をこなしてきているもん」

「ーーーーー……」

 うんまあ、アレだな。

 とりあえず少し待とう。

 そうすれば、話が出来る程度には落ち着くはずだ。

 いや、それよりもこちらから話を進めた方が早いか。


「それで?俺の力を借りたいってのは結局どういう事なんだ?」

「と、ごめんなさい。ゾッタ兄。その話がまだだったわね」

 と言うわけで、俺はグランギニョルに話を促す。


「ゾッタ兄の力を借りる第一案は、攻略組に合流して、一緒に探索して欲しいというもの。出発の予定は明々後日で、この場合にはケイカの入口に来てもらう形になるわね」

「ふむ」

 一緒に探索、か。

 まあ悪くはないな。

 アライアンスを組んで全員でと言うのならばお断りだが、PT単位で探索を行うのであれば、組んだ方が何かと都合が良い。

 明々後日なら、俺の方もたぶん準備が終わるだろうしな。


「第二案は……あー、ゾッタ兄の錬金レベルが30を超えているという前提になるけど、装備を作ってもらいたいのよね」

「装備を?」

「ええ、私とシュヴァリエが死に戻ったレア度:4の自動生成ダンジョン『精神強める火山の神殿』で手に入れ、手元に残ったこの鉱石を使ってね」

 そう言うとグランギニョルは俺たちの前に鉱石を置く。

 その名前は精神強める銀鉱石。

 特性は精神関係のステータス全般を強化する特性:メンタル。

 レア度は当然のようにレア度:4。

 間違いなく現状における最上位の素材の一つだった。

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