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【AIOライト 70日目 07:35 (半月・雨) 『防御する天空の農場』】
【ゾッタは『防御する幻惑蟲の王』を倒した】
「倒した……か」
「マ、マスター。大丈夫ですか!?」
「ーーーーー……」
『防御する幻惑蟲の王』を倒したインフォが流れると同時に、俺はその場で尻餅をつき、大きく息を吐く。
そんな俺に近寄ってきたシアはリジェネメディパウダーを使用して、最低限のHPを確保してくれる。
「はぁ……それにしてもレア度:3ってのは、ここまでとんでもない物なんだな」
「そうですね。本当にギリギリだったと思います」
「ーーー」
それにしても『防御する幻惑蟲の王』は強かった。
俺たちが今までに戦い、勝利できたモンスターの中では群を抜く強さだった。
だがそれでもどうにかなったのは、天候、特性:オトガ、『防御する幻惑蟲の王』の戦闘スタイル、そう言った諸々の組み合わせが、こちらにとって有利に働く形だったからだろう。
そうでなければ……恐らく今頃は死に戻りしているだろう。
【素材とホムンクルスの核、どちらを入手するか選択してください】
「ボス報酬は迷う必要なし、っと」
俺はボス報酬にホムンクルスの核を選択する。
そして念のためにインベントリから取り出し、詳細を確認する。
△△△△△
防御するホムンクルスの核
レア度:3
種別:素材
耐久度:100/100
特性:オトガ(自動的に攻撃を防ぐ)
ホムンクルスの核となる菫青色の珠。
自動生成ダンジョンのボスたちが所有しているが、正体は不明。
傷一つ無い完全な球形を為している核は非常に稀である。
※入手者以外の所持不可能。
▽▽▽▽▽
「ちゃんと真球ですね」
「ああそうだな。これで工房が造れる」
手に入れた防御するホムンクルスの核は綺麗な真球だった。
その上、繋がりもきちんと見えている。
それと……最後のトドメがヌル・オトガナッツサーベルで、しかも『防御する幻惑蟲の王』と一緒に消えた為なのか、ヌル・オトガナッツサーベルの気配が核の中から微妙にしている。
これは……もしかしなくてもミデンと繋がっているアレの意図を感じるな。
いやだが、アレに意図などと言う物は……。
【ゾッタの戦闘レベルが28に上昇した。戦闘ステータスの中から上げたい項目を一つ選んでください】
「マスター?」
「ん?ああいや、何でもない」
「なら、いいのですけど……」
「と、レベルを上げないとな」
と、考え事をしていたら、シアに妙と思われてしまった。
シアを心配させないためにも、戦闘後の処理を終わらせるためにも、早いところレベルを上げてしまおう。
と言うわけで、俺はいつものように回復力を上げて33にする。
△△△△△
ゾッタ レベル28/30
戦闘ステータス
肉体-生命力20・攻撃力10・防御力10・持久力9・瞬発力10・体幹力10
精神-魔法力10・撃魔力10・抗魔力7+6・回復力33+12・感知力10・精神力11
錬金ステータス
属性-火属性10・水属性10・風属性10・地属性10・光属性7・闇属性10
分類-武器類20・防具類15・装飾品15・助道具15・撃道具15・素材類15
▽▽▽▽▽
【自動生成ダンジョン『防御する天空の農場』をクリアしました。以下の選択肢からお選びください】
「それじゃあ、脱出ですね」
「そうだな。もう此処には用はない。『巌の開拓者』に帰ろう」
これで戦闘後の処理は終わった。
なので俺は転移先として『巌の開拓者』の本部を選択。
『防御する天空の農場』を後にした。
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【AIOライト 70日目 07:40 (半月・雨) 始まりの街・ヒタイ】
「さて、帰って来れたな」
「そうですね」
『巌の開拓者』の本部はいつも通りの賑わいだった。
で、戻ってきた俺たちはまず万が一に備えて自室に移動し、倉庫ボックスに『防御する天空の農場』で手に入れたアイテムを全て収める。
そして、その後に再び本部部分に移動する。
それは何故かと言えば、だ。
「よ、久しぶりだな。グランギニョル、シュヴァリエ」
「ゾッタ兄」
「師匠」
戻ってきた時点で、他のプレイヤーと真剣な顔で何かを話し合っているグランギニョルとシュヴァリエの姿を見つけたからである。
なお、グランギニョルもシュヴァリエも大して姿は変わっていないが、レベルが上がっている感じはある。
それと、二人と共に居るプレイヤー……恐らくは攻略組については、少し面子が変わっている。
恐らくだがメンテナンス前には何人か学生組が居て、彼らが抜けた分だけ補充が入ったのだろう。
「HPバーの減りからして、ゾッタ兄は何処かの自動生成ダンジョンを攻略してきたってところ?」
「ああそうだ。工房を作るためにホムンクルスの核が必要だったからな」
「ちなみに師匠が攻略したダンジョンのレア度は?」
「3だな。キツいなんて次元じゃなかった」
「「「!?」」」
俺の言葉に周囲のプレイヤーたちがざわめきだす。
まあ、レア度:3の自動生成ダンジョンと言えばほぼ最前線だし、この驚きについては納得できるな。
ただこれだけは言っておくべきだろう。
「一応言っておくが、特性:オトガだからな。純粋にメリットしかない特性だったら、無理だった」
「いやぁ、それでもレア度:3を単騎攻略ってのは師匠以外には出来ないと思うよ……」
だが、特性の事を口にしても、何故かざわめきは殆ど収まらない。
しかし俺以外には攻略できない、か。
うーん、グランギニョルやシュヴァリエだったら、相性のいい特性の自動生成ダンジョンなら、レア度:3でもソロで攻略できると思うのだが……まあ、本人たちにその気がなければ関係のない話か。
「それでシュヴァリエたちは何をやっているんだ?」
「休憩。それと……」
「ゾッタ兄。もしよかったら力を貸して」
「?」
グランギニョルがシュヴァリエの言葉を遮る形で言葉を発する。
その表情はグランギニョルにしては珍しく、余裕がなさそうな感じの表情だった。
「力を貸す……ね。状況や内容が分からないと何も言えないな」
だから俺も真面目に話を聞くことにした。




