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AIOライト  作者: 栗木下
5章:首架け橋

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248/621

248:50-12-E11

「ア、グ……」

「ちっ」

 どうやら八尺円棍の一撃を以ってしても、バーサークハーピーを倒し切る事は出来なかったらしい。

 俺の前で軽く痙攣しつつ仰向けに倒れているバーサークハーピーは僅かにだがHPバーが残ってしまっている。

 だが、このHPならば……


「シア!」

「『カースウッドキング・フォースハウル』!」

「「シュイン!?」」

「アアアァァァ!?」

 俺の声に応じる形でシアが『カースウッドキング・フォースハウル』を発動。

 シアの周囲から大量の木の根が生み出され、バーサークアームたちには多少のダメージと動きの妨害を与えつつ、バーサークハーピーのHPバーを削り切る。

 そして、大量の木の根が生み出される中で、俺は武器を八尺円棍から斧に変更しつつ、何度か見た根の動きから安全な場所を探り当て、そこで身を屈める。


「ネクタール……」

 さあ、此処が攻めどころだ。

 俺はネクタールに命じて、自分の存在感を限りなく薄くする。

 これでシアの生み出した根の影響もあって、バーサークアームたちは完全に俺の姿を見失っただろう。


「「シュイ……」」

 そうして魔法によって生み出されていた根が消え、バーサークアームたちがシアを狙って動き出そうとした瞬間を狙って俺も再び動き出す。


「そっちを見ていていいのか?」

「「!?」」

 俺はバーサークアームたちの背後から急激に存在感を大きくすると、叩き込めるだけの殺気を叩き込む。

 すると俺の存在を感知したバーサークアームたちは、シアを狙うのを止め、俺を攻撃するべく反転しようとし……その場で一時停止する。


「ふんっ!」

「ジュイン!?」

 そこを狙って、俺はHPの減っていた方のバーサークアーム、その切っ先へと斧を叩きつける。

 そうする事でダメージを与えつつ、バーサークアームの身体を宙で回転させ、停止の時間を長引かせる。


「ーーー!」

 続けてネクタールが三本の槍を突き出し、バーサークアームの刃の腹、その一点を同時に突いて、ダメージを与える。


「せいっ!」

「ジュイン!?」

 更に追撃。

 俺の左手の短剣をネクタールが突いた場所へと正確に突き出す事でダメージを与えつつ吹き飛ばす。

 これでバーサークアームの残りHPは残り僅か。

 つまりだ。


「『ブート』!」

「ジュイイイィィィ!」

 シアの『ブート』によってHPバーを削り切る事が出来、現実にその通りになった。


「シュイン!」

「おっと」

 だがまだ戦いは終わっていない。

 バーサークアームはまだ一体残っている。

 そしてその一体は既に反転を終え、全身から赤いオーラを放ちつつ、俺に向かって切りかかって来ている。

 今の一撃は上手く掠る程度で済ませられたが……それでも結構な威力があるな。

 俺の残りHPがいつの間にか25%を切ってしまっている。

 バーサークハーピーの衝撃波によるダメージもあるから、正確なダメージは把握できていないが、このまま連続攻撃されたら普通に削られてやられるな。


「シュイン!」

「まずは回復っと」

 だからこそ落ち着かなければならない。

 落ち着いて、集中して、回復力を高めつつ、相手の攻撃を捌かなければいけない。

 俺は視線操作でインベントリからリジェネメディパウダーを使用しつつ、斧の刃の腹でバーサークアームの攻撃を受ける。


「シュイン!」

「回復します!」

「ーーーーー!」

 バーサークアームが二度目の攻撃を仕掛けてくる中、シアもリジェネメディブックを使って俺を回復し、危険域を脱する。

 それと同時にネクタールが槍を突き出し、はたき落すような形でもって、バーサークアームの攻撃を防ぐことに成功する。

 うん、再びの攻め時だな。


「おらぁ!」

「『ブート』!」

「ーーーーー!!」

「ジュイイイィィイ!?」

 全員同じことを考えていたのだろう。

 俺、シア、ネクタールの三人の攻撃が矢継ぎ早に繰り出され、バーサークアームのHPを削っていく。


「ジュイイィィ……」

 そして、数の暴力によって、大した反撃も許さずにバーサークアームを倒した。


「ふぅ、何とかなったな」

「流石に三体は厄介でしたね」

 さて、時間もないという事で、俺たちは素早く剥ぎ取りを済ませる。

 剥ぎ取れたアイテムは……バーサークハーピーの羽根に、バーサークアームの刃片が二つか。



△△△△△

バーサークハーピーの羽根

レア度:3

種別:素材

耐久度:100/100

特性:バーサーク(猛り狂う者に祝福を)


バーサークハーピーの翼の羽根。

見た目は極普通の鳥の羽根だが、多大な揚力を得られる工夫と魔法が施されている。

なお、重ね重ね言うが翼の羽根である。

▽▽▽▽▽


△△△△△

バーサークアームの刃片

レア度:3

種別:素材

耐久度:100/100

特性:バーサーク(猛り狂う者に祝福を)


バーサークアームの刃部分を構成していた金属片。

鉄に似た性質を有する金属だが、魔法の力が秘められている。

▽▽▽▽▽



「重ね重ね?」

「気にする必要はないと思うぞ」

 バーサークハーピーの羽根の詳細については無視しよう。

 たぶん、あらぬ妄想をする連中を絶望させるためだけにある文章だからな。


「よし、行くぞ」

「はい」

「ーーー!」

 剥ぎ取ったアイテムの確認も終わり、HPも問題はない。

 と言うわけで、俺たちは探索を再開した。

 残り時間はおおよそ1時間。

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