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「フシュラアァ!」
「ふんっ!」
アブソーブランサーが槍を突き出し、俺が斧でそれを弾く。
「「カカカラッ!」」
「おっと」
続けてアブソーブスケルトンたちが槍を突き出し、俺は身を捩る事で直撃を避ける。
「おらぁ!」
「ーーー!」
「ガラッ!?」
そして僅かに生じた隙を突くように俺とネクタールはアブソーブスケルトンの片方に向けて攻撃。
そのHPを多少ではあるが削り取る。
「フシュラアァァ!」
「カカカカラアァッ!」
「喰らうかよ」
俺の追撃を防ぐべく、アブソーブランサーとアブソーブスケルトンが攻撃を仕掛けてくる。
なので俺は後方に跳躍することで攻撃を回避。
十分な距離を取る。
「さて、だいぶ削れてきたな」
「そうですね。そろそろ狙ってもいいと思います」
俺たちとアブソーブランサーたちとの戦いは長引いていた。
こうして距離を取ってお互いに体勢を整える時間が生じるのも、既に数度目である。
だが当然と言えば当然の話だ。
アブソーブランサーたちはいずれもこちらより格上。
おまけに特性:アブソーブによって、攻撃を成功させるたびに自身のHPを微量ではあるが回復する事が出来るのだから。
むしろ今のように少しずつとは言え、相手のHPを減らせている状況こそが最良の状況に近い。
「そうだな。いい加減、決着を付けたい。構えておけ」
「はい」
ただ、何時までも今の状況を維持出来て、削り切れるとは考えない方がいい。
此処は自動生成ダンジョン『吸収する岩の神殿』の中で、何時不測の事態が起きてもおかしくはないのだから。
と言うわけで、俺は広場の中央に居るシアに指示を出しつつ、自分の残りHPを確認。
大丈夫だと判断出来る量がある事が分かったところで、武器を構える。
「うおらああぁぁ!」
そして既に体勢を整え切っているスケルトンランサーたちに向かって突進する。
「フシュラアァァ!」
「「カカカラアアァァ!!」」
スケルトンランサーたちが今までに何度も見せてきた動きで槍を突き出してくる。
対する俺は……
「ネクタール」
「……」
「「「!?」」」
ネクタールの能力によって姿を眩ませつつ、槍の下に潜り込む。
そうして突然目標を見失って困惑しているアブソーブスケルトンの身体の各部にネクタールを巻き付け、俺自身も腰のあたりを掴む。
「『ブート』!」
「ガッ……」
シアの『ブート』が俺が掴んだアブソーブスケルトンの頭部に直撃し、体勢が僅かに崩れる。
「うおらりゃあぁぁ!」
「ラアアァァ!?」
場を動かすチャンスだった。
だから俺は迷わずに全力で、アブソーブスケルトンの身体を押す。
シアが居る場所……日光が降り注いでいる広場へと。
「ガ……ガラララアッ!?」
日光が当たった瞬間、アブソーブスケルトンの身体から煙のような物が上がり、HPが減り始める。
そして、抵抗する力も明らかに弱くなっていた。
「うおらあぁぁ!」
「『ブート』」
「ーーーーーー!」
だから俺たちは迷わず攻撃を仕掛け、これまでのやりとりで十分に少なくなっていたアブソーブスケルトンのHPを削り切る。
「フシュラッ!」
「おっと」
と、此処で槍が突き出され、俺はそれを体に掠らせつつも、串刺しにされるのは免れる。
どうやらアブソーブランサーがアブソーブスケルトンを助けるべく、隊列を乱して攻撃を仕掛けてきたらしい。
だがそれは失策だ。
「シア!」
「『ブート』!」
「ガラアァッ!?」
日陰で一人になったアブソーブスケルトンにシアの攻撃が当たる。
そして攻撃に伴う爆音に合わせて俺は姿を眩ませ、アブソーブランサーの横を通り抜けて怯んだアブソーブスケルトンを先程と同じように、広場の中へと投げ込んでやる。
「フシュ……」
「させるかよ!」
こうなればもうアブソーブスケルトンはシアに任せていい。
ひたすら遠くから『ブート』を打ちこんで、身動きを取らせないだけだ。
だから俺はアブソーブランサーの前に現れると、一気に存在感を大きくする。
「さあ、楽しもうぜ……」
「フシュラアアァァ!」
その後の戦いは一方的ではなかったが、落ち着いて対処すれば何と言う事のない戦いになった。
当然だ。
あちらは一人で、こちらは三人。
HP吸収能力があっても、それで吸えるのはこちらの攻撃のダメージを全てなかった事に出来る量ではない。
時間をかけて、丁寧に戦闘を進めるだけだった。
「これで終わり!」
「ガッ……ブジュラ……」
と言うわけで、戦闘は無事に終わった。
「流石に時間はかかりましたね」
「まあ、格上相手ではあるからな」
戦闘終了後。
俺は全員のステータスに問題がない事を確かめると、早速剥ぎ取りを行う。
その結果、アブソーブスケルトンからはアブソーブスケルトンの骨とアブソーブスケルトンの珠を、アブソーブランサーからは壊れた装備品(槍)を入手した。
「レベルアップは……ないみたいだな」
「流石に一戦じゃ駄目みたいですね」
「ま、その内上がるだろ」
レベルアップは無いようなので、俺は名前だけではよく分からなかったアブソーブスケルトンの珠の詳細を見てみる。
△△△△△
アブソーブスケルトンの珠
レア度:3
種別:素材
耐久度:100/100
特性:アブソーブ(力を奪い己の血肉とする)
アブソーブスケルトンの身体から何処からともなく現れる紅い球体。
一説にはアブソーブスケルトンの魂あるいは核ともされているが、詳細は不明。
魔力を良く通す性質を持つ。
▽▽▽▽▽
「ふむ」
何となくだが、杖の素材などにいい感じだろうか?
まあ、そうでなくともレア度:3の素材、腐る事はないだろうな。
「よし、それじゃ行くか」
「はい、マスター」
うん、これで戦後処理は終わりだな。
俺はそう判断すると、ダンジョンの奥に向かって移動を始めた。




