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【AIOライト 42日目 08:22 (1/6・雨) 『呪詛招く草原の図書館』】
「ふむ、結構いいものが手に入ったな」
「呪詛招く白紙本。本系のアイテムが作れますね」
カースゴブリンを退けた俺たちは一見すれば一つの小屋にしか見えないような小部屋にやってきていた。
中に在ったのは机と椅子、それに大量の本に埋もれるような採取ポイントが一つ。
その見た目から本系の何かが採取できると思って採取を行ったが、これは当たりだな。
「ああそうだな、これとさっき手に入れた呪詛招く薬草でカースメディブックが作れるはずだ」
今手に入れたのは呪詛招く白紙本。
そしてこの部屋に来るまでの道中で草むら型の採取ポイントが有り、そこでは呪詛招く薬草を入手している。
この二つを合わせれば、HPを回復すると共に状態異常:カースを回復できるカースメディブックが作れるはずである。
それは、特性:カースによって全ての敵が呪いを与えてくるこのダンジョンでは特に有効な回復アイテムになるはずである。
「何時作ります?」
「んー、ここも安全とは限らないしな。第二階層に降りたところで作るのが適当だろう。で、作ったらシアに渡しておく」
「分かりました」
と言うわけで、きちんとインベントリに収納。
適当に機会を見て携帯錬金炉で錬金することにする。
なお、使うのは当然ながら俺では無くシアである。
前線で暴れまわっていると、本系のアイテムを使う暇など無いので当然だが。
「じゃ、次行くぞ」
「はい」
さて、採取も終わったところで、探索を再開である。
まずは第二階層に繋がる階段を見つけなければ話にならない。
と言うわけで、俺は小部屋のドアを開け、外に出ようとする。
「「「……」」」
部屋の外には駝鳥が居た。
体長は2メートルは超えているだろうか。
羽は胴体にのみ生えており、細い脚は身軽さを思わせる。
ただしカラーリングは一般にイメージされる黒と白のそれではなく、黒に青と紫と言う毒々しいあるいは禍々しい色合いをしている。
名前はカースオストリッチLv.19。
マーカーはアクティブのそれで、こちらの事を真っ直ぐに見つめている。
「ガアッ!」
カースオストリッチが動く。
その巨体からは想像できない、けれど駝鳥であるならば納得がいく速さでこちらに接近。
間合いに入ったところで十分な勢いが乗った蹴りが繰り出される。
「うおっ!?」
「マスター!」
俺は咄嗟に短剣を抜き、ネクタールと一緒に盾のように構える。
「っつ!?」
「……!?」
「……」
カースオストリッチの立派な爪の生えた蹴りと俺たちの構えた短剣がぶつかり合い、軽い衝撃波と金属音に近い音が周囲に発せられる。
それと同時にカースオストリッチのHPが極僅かに、俺のHPが5%ほど、明確に減少する。
「お、らぁ!」
「ガ、ガー」
俺が短剣を振り抜くとカースオストリッチはその勢いを利用するように後方に跳躍。
宙で僅かに羽ばたいて勢いを殺しつつ、難なく着地する。
「マスター……」
「少なくともカースゴブリンたちよりは明らかに強い。気を付けろ」
「はい」
身軽で攻撃力のあるモンスターか、厄介だな。
おまけに恐らくだが、攻撃には状態異常:カースが付与されているはず。
さっきのカースゴブリンと違って本体の攻撃力も十分だから、計算を見誤らないように気をつけないといけないな。
「行くぞネクタール!」
幸いにして俺たちの前に居るカースオストリッチは単独。
正面から戦えば、倒せない相手ではない。
なので俺はネクタールの力によって自身にヘイトを集めると、カースオストリッチに向かって駆け出す。
「ガー!」
「ふんっ!」
カースオストリッチの蹴りを短剣で抑えつつ、俺は斧をその胴体に当てる。
「ちっ……」
だが手ごたえは薄い。
どうやらカースオストリッチの胴体を包んでいる羽毛は、防具としても十分な性能を持っているらしい。
「マスター!呪いが!」
いや、それだけではない。
シアの叫びで気づいたが、今の攻撃を当てたタイミングで俺に状態異常:カースが発動している。
これはもしかしなくても羽に接触した相手に呪いを付与するという事か!?
「ガッ、ガッ、ガー!」
「っつ、と、うお」
俺がそんな事を思っていることなど気にした様子もなく、カースオストリッチは嘴を何度も俺に向かって突き出してくる。
そのため、俺は短剣を使って攻撃を防ぐだけでなく、身を捩り、直撃を避ける事も強いられる。
「ガアアァァ」
「舐めるな……」
カースオストリッチは四度目の攻撃を行おうとする。
ただし、威力を増すためなのか、今までよりも大きく首を後ろに逸らしている。
それはつまり、今までの攻撃に比べて隙が大きいという事だった。
「ふんっ!」
「!?」
俺は特性:バーサークを発動させると一気に接近。
カースオストリッチの間合いの内側に入ると、その首筋に全力で斧を叩き込む。
瞬間、カースオストリッチのHPが大きく減少し、俺のHPもその三分の一ぐらい減少。
おまけに首筋に強い不快感が生じる。
なるほど、カースゴブリンの時には気づかなかったが、与えるダメージが大きければ、それだけ生じる不快感も大きくなるという事か。
「ま、そうと分かっているなら問題ない!」
「『ブート』!」
「ガアアァァァ!」
俺は認識を改めると、状態異常:カースが治ると同時に、攻撃によって距離が幾らか離れていたカースオストリッチに再接近する。
カースオストリッチに走り回らせないために、シアの『ブート』による援護射撃も入る。
そして接近した俺は首を中心に攻撃を加え続ける。
「ガアァァ……」
「よしっ」
そうしてしばらく戦い続けた後。
カースオストリッチは無事に倒れた。




