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婚約破棄?結構です。では国家運営は自己責任で ~辺境が黒字化したら王都が困り始めました~  作者: 雪乃フィオナ
第2部 無王の海

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第23話 契約反乱

 ダリオが離脱を宣言した翌日。


 南港区の空気は一変していた。


 掲示塔の前に人が集まる。


 だが議論の熱は昨日とは違う。


 冷たい。


 計算が、より露骨になっている。


 その時、警鐘が鳴った。


「外洋通信!」


 見張り塔からの声。


 掲示塔に新しい情報が表示される。


『西方港〈エルディア〉』


『外洋契約条約 拒否』


 ざわめきが広がる。


 リシェルが端末を開く。


「早い…」


 セリアが言う。


「当然よ」


「成功すれば真似される」


「嫌なら反発される」


 さらに情報が追加される。


『エルディア港』


『黒潮同盟と独自契約締結』


 広場が凍りついた。


 アレクシスが低く言う。


「黒潮と組んだか」


 ダリオが笑う。


「選択だ」


「自由な」


 リシェルが眉をひそめる。


「それは支配に近い」


「違う」


 ダリオは即答する。


「契約だ」


 同じ言葉。


 だが意味が違う。


 掲示塔の地図が更新される。


 南港区。

 エルディア港。


 二つの点が光る。


 その間に航路。


 そして――


 黒潮の影。


「分裂した」


 アレクシスが言う。


 自由圏は一つではない。


 契約ごとに分かれる。


 セリアが冷静に分析する。


「市場も分かれるわね」


「資本は流れる」


 どちらが儲かるか。


 それで決まる。


 リシェルが小さく呟く。


「契約ネットワークが分断される」


 それは危険だ。


 信用が分散する。


 流通が不安定になる。


 その時、港の外から船が入ってきた。


 傷だらけの小型船。


 急いで接岸する。


 乗っていた男が叫ぶ。


「エルディアが落ちた!」


 広場が騒然となる。


「どういう意味だ!」


 男は息を切らしながら言う。


「黒潮が…」


「契約を変えた」


 沈黙。


 誰もが理解する。


 契約は更新される。


 そして更新は、一方的にも行える。


「税率が上がった」


「港が閉鎖された」


「逃げてきた」


 広場が凍りつく。


 ダリオの顔から笑みが消えた。


「そんなはずは…」


 リシェルが言う。


「契約は力で変わる」


 冷静な事実。


 アレクシスが海を見る。


 黒潮同盟。


 彼らは契約を守る。


 だが条件は変える。


 それが彼らのルール。


 セリアが言う。


「市場は正直よ」


「リスクを甘く見た結果」


 広場に沈黙が落ちる。


 南港区は助かった。


 だが他の港は。


 違う選択をした。


 そして結果が出た。


 リシェルが静かに言う。


「これが自由圏です」


「選択は分かれ」


「結果も分かれる」


 アレクシスは掲示塔を見つめる。


 秤が揺れている。


 今度は大きく。


 都市と都市で。


 文明が、分岐し始めていた。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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