表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄?結構です。では国家運営は自己責任で ~辺境が黒字化したら王都が困り始めました~  作者: 雪乃フィオナ
第2部 無王の海

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/93

第14話 自由の戦い

 港の鐘が鳴り続けていた。


 重く、鋭い音が海へ広がる。


 南港区の船が次々と出航準備を始めていた。


 戦う。


 それがこの港の選択だった。


 仮設桟橋の上では、砲弾が運ばれている。


 傭兵たちが帆船へ飛び乗る。


 船大工たちは最後の補強を急いでいた。


 自由を選んだ都市は、自分で守らなければならない。


 ダリオが港を見渡す。


「いい光景だ」


 彼は笑った。


「これが自由だ」


 アレクシスは海を見ていた。


 沖には黒潮同盟の三十隻。


 戦闘隊形。


 そのさらに外側に、白い帆船団。


 連合哨戒艦隊。


 彼らは動かない。


 これは自由圏の決断だからだ。


 リシェルが静かに言う。


「演算塔の戦術予測が出ました」


 端末に数字が並ぶ。


 敵戦力 三十隻

 味方戦力 七隻


 成功率 52%


 ぎりぎりの数字。


 だが勝機はある。


「港の地形を使う」


 リシェルは海図を広げる。


「浅瀬に誘導できれば」


 ダリオが頷く。


「大型船は動けなくなる」


 黒潮船団は大きい。


 速度はあるが、浅瀬に弱い。


 南港区の船は小型だ。


 機動力がある。


 港の船長たちが集まる。


 老船長が海図を指す。


「ここだ」


 湾の入口。


 浅い岩礁帯。


「ここに誘い込む」


 傭兵隊長が言う。


「砲撃はそこで」


 作戦は単純だ。


 だが危険でもある。


 ダリオが笑う。


「いい」


「自由にしては上出来だ」


 その時、沖の黒潮旗艦から太鼓が鳴った。


 低い音。


 船団が動き出す。


 三十隻の黒帆が一斉に風を受ける。


 ゆっくりと、だが確実に港へ向かってくる。


 海が黒く染まる。


 アレクシスはその光景を見つめた。


 大陸では、国家が戦う。


 ここでは都市が戦う。


 そして都市は命令で動かない。


 契約で動く。


 港の船が出航した。


 七隻。


 小さな艦隊。


 だが帆はまっすぐに風を掴んでいる。


 ダリオが言う。


「さあ」


「自由の値段を払う時間だ」


 南港区の艦隊が、ゆっくりと港を離れる。


 黒潮船団が迫る。


 海の中央で、二つの船団が向かい合う。


 沖の白い帆は動かない。


 連合は見ているだけだ。


 これは自由の戦い。


 そして秤は、今――


 海の上で揺れていた。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ