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婚約破棄?結構です。では国家運営は自己責任で ~辺境が黒字化したら王都が困り始めました~  作者: 雪乃フィオナ
第2部 無王の海

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第13話 港の決断

 掲示塔の光が、広場の中央を照らしていた。


 三つの契約。


『連合防衛契約』


『黒潮防衛契約』


『自主防衛契約』


 どれに署名するか。


 それだけで、この港の未来が決まる。


 沈黙の中で、署名が始まった。


 掲示塔の数字がゆっくりと動く。


 連合契約 18

 黒潮契約 12

 自主防衛 27


 ざわめきが広がる。


 だがまだ決まらない。


 港には百を超える商会がある。


 数字はこれからだ。


 ダリオは腕を組んで見ている。


「面白い」


「まだ自由を選ぶ者が多い」


 アレクシスは言う。


「だが連合契約も増えている」


 港の人々は現実的だ。


 理想だけでは動かない。


 その時、広場の端から一団が歩いてきた。


 南港区最大の商会。


 航路商会〈マルティア〉。


 その代表が掲示塔の前に立つ。


 誰もが見守る。


 この商会の決断で、秤が傾く。


 代表は端末に手を置いた。


 数秒。


 掲示塔の数字が跳ね上がる。


 自主防衛 42


 広場がどよめいた。


 ダリオが笑う。


「やるじゃないか」


 老船長が頷く。


「港はまだ死んでいない」


 だが――


 連合契約の数字も増えていた。


 連合契約 31


 黒潮契約 19


 秤はまだ揺れている。


 沖の海。


 白い帆船団と黒帆船団が静かに並んでいる。


 どちらも動かない。


 決断を待っている。


 リシェルは掲示塔を見つめていた。


 演算塔の予測が更新される。


『自主防衛 成功率 53%』


 ついに半分を超えた。


 だがそれでも、ほぼ賭けだ。


 その時、黒潮旗艦から小舟が一隻出た。


 再び提督カイロン。


 彼は広場に来ると、掲示塔を見上げた。


「ほう」


 数字を見て笑う。


「自由を選ぶか」


 ダリオが言う。


「当然だ」


 カイロンは頷いた。


「いい港だ」


 そして静かに言った。


「ならば戦おう」


 広場が静まり返る。


「黒潮同盟は契約を尊重する」


 彼は海を指す。


「自由を選ぶなら、力で守れ」


 その言葉に、港の空気が変わった。


 戦いになる。


 連合艦隊は動かない。


 これは自由圏の戦いだからだ。


 アレクシスは海を見つめる。


 白い帆。


 黒い帆。


 そして港の帆。


 三つの秩序が並んでいる。


 リシェルが静かに言う。


「ここからが本当の自由です」


 港の砲台に火が入る。


 傭兵たちが船へ走る。


 鐘が鳴り響く。


 南港区は、自由を選んだ。


 そしてその代償を、これから払うことになる。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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