第30話 条件
王都からの正式書簡は、三通目で“招請”の形を取った。
中央顧問。
名目は助言役。
だが実質は、制度再設計の中心。
会議室に、主要メンバーが集まる。
「受けるのか?」
マルティナが問う。
「受けません」
即答。
だが続ける。
「条件付きなら、検討します」
リーゼロッテが静かに頷く。
「制度保障ですね」
「ええ」
アレクシスは、紙を広げる。
「第一。辺境制度の恒久保障」
「第二。軍需帳簿の全国統一」
「第三。地方裁量の明文化」
沈黙。
これは、単なる復帰条件ではない。
国家構造への要求だ。
「通るか?」
マルティナ。
「通らなければ、戻る意味がありません」
翌日、王都。
条件書が読み上げられる。
会議室が凍る。
「地方裁量の明文化だと?」
ルーファス・オルデン侯爵が、低く笑う。
「国家の分断を招く」
「違います」
セシリアが静かに言う。
「責任の明文化です」
カイルは黙っている。
条件は重い。
だが、否定もできない。
「……受け入れれば、保守派は離れる」
財務官が言う。
「受け入れなければ、制度は止まる」
沈黙。
カイルは、初めて真正面から言う。
「私は、国家
本話もお読みいただき、ありがとうございました!
少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、
ブックマーク や 評価 をお願いします。
応援が励みになります!
これからもどうぞよろしくお願いします!




