05.白旗ふりふり
「い、いきなりでごめんなさい。……あ、そこに腰掛けて貰って大丈夫」
そう言うと彼女は軽く頭を下げた。彼女の靡く髪の毛はこの世の何より美しく見えた。そして俺は冷静を装い椅子に腰かけた。
「い、いえ、ぜ、全然大丈夫です」
だ、大丈夫大丈夫。安全第一、安全第一。入念にいくんだ俺、ボロを出すな。
「……ありがとう。私の名はカトレア=ライス。生徒会長をやらせて貰ってるの」
カトレア=ライス。生徒会長であり学校随一の美少女である。勿論生徒からは憧れの的、実力も確かなものでステータスは all 2000越えらしい。
「は、はひ、も、もひろん存じ上げて御座いまふ、」
ちょっと待ってくれ、これ冷静に噂の美少女と空き教室で二人きりってことだよね?! これで何にも起こんない訳ないよね? これってまさか、ラブコメ展開!?!?
「それで、あなたは確かレディ=ホワイトさんよね?」
来たああ! 俺の名前把握してるううう!!
「も、申し遅れました、レディと申ひまふ、」
いやまて、さらに冷静になれば俺、女の子だった……。束の間の幸せを返して欲しい……。
「ちょっと、頼み事があるんだけどいい、?」
そう言って彼女が取りだしたのは『剣術士武闘会』と書かれたポスターだった。そしてさらに彼女は続けた。
「これ、知ってる?」
そう言ってポスターを指さした。勿論知っている。剣術士武闘会と言うのは年に数回開催されるイベントの事で、王者と呼ばれる剣士に、挑戦者として参加者を募り王者の座を巡って一戦をまじえるイベント。挑戦者は候補の中で一番実力のある者を挑戦者として認めるらしい。俺が経験した訳じゃないし詳しくは知らないが相当な実力者たちが立候補してくるらしい。
……それをなぜ今?
「も、もひろん知ってます」
「よし、それなら話が早い、端的に言うとさ、王者の相手になってくれない?」
「へ?? なんで僕……私が?」
ダメだ、この誘いは絶対にNO! どんな理由であろうとNO! どっちに転がっても俺の正体がバレかねない最恐のイベント。大丈夫だ童貞。NOならNOと言えるだけの力が備わっているはずだ。いくら童貞だからって侮るんじゃない。
「色々事情があってさ……。私もいきなりの事でホント申し訳ないなって思ってる。でもさ、」
「お願い、できない?」
そう言って彼女は前のめりにお願いしてきた。
……うおおおお!! 顔がちけえぇぇ! やめろおお!! 俺が理性を失う前に引いてくれえぇえ! 頼むぅぅぅ!! カトレアさァァァァんん!
「も、も、もッもひろん」
やっちまったあああああ!! これは反則うう!! レッド! レッド! レッドカーードッ!!!
「ええ! ありがと〜!! 開催日は一週間後の今日! 会場で待ってるね!」
「あはは、はは。わたしも楽しみです……」
俺の女子校生活『終焉』
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