出発前 鏡
鏡に映るリアは真紅の髪をしていた。
少し切ろうかしら。
ノックも無くマイアが入ってくる。
「マイア何しに来たの?私も帝国までついて行くから忙しいんだけど。あなたも準備があるんじゃないの?」
「リアにいい情報持ってきてやったんだ、マリュースが生きてたぜ。ザラの村だってよ。」
「ふ~ん、そうなの。」
「そうなのって、えらくあっさりしてるじゃないか。行かなくていいのか?」
「なぜ私が行かなければならないのよ。」
「なぜってそりゃおまえ、・・」
「マイア、あなた炎の魔王を私に移すときにわざとレオの記憶を混ぜ込んだでしょう。どういうつもりなのかしら。」
「そりゃおまえ。」
「私に出来ることがあなたにできないはずないわよね。うふ、彼のことは全部思い出しましたけどおかげさまで吹っ切れましたわ。やきもちもいいですけどタロ様の邪魔をすることは許しませんわよ。」
「やきもちだと。」
「ちがうのですか・明日早いのですから出て行ってくださらないかしら。」
リアに追い出されて自分の部屋にもどったマイアも鏡の前で考え込んでしまった。
いったい自分はどうしてしまったのか。
そういえば自分の髪はこんなにも黒かったのだろうか。
翌日、マイアとリアはタロの前に立つ二人を見て驚いた。
二人は自分立ちそっくりの容姿をしていたからだ。
「お前たち二人は先行して帝都にいるライルと合流せよ。この二人はお前達の影武者として用意した。適時入れ替われ。お前達が魔王の力を持つことは誰にも知られてはならん。いいな。」
「タロ様その二人に夜の勤めもさせるのですか?」
「リアもだませるとはな。」
「ゴーレムですね。」
「その通りだ。ラルーの評議員の一人が趣味で作らせていたものを改造した。」
「なぜこのようなものを用意するのですか。」
「帝都では何かが起こっている敵地だと思え。お前達には分が悪い土の魔王が活動中だ。勝てぬ以上水と火であることを悟らせるな。よく出来ているが見るものが見ればゴーレムであることがすぐ分かるだろう。これらが調べつくされた後、お前達は入れ替わって俺の傍にいろ。魔力を完全に遮断すればたやすいはずだ。くれぐれも慎重に行動せよ。お前達を失いたくは無い。」




