出発前 訓示
俺は帝国に帰るにあたって、オストラントの貴族から士官と兵を選抜した。
彼らには常に次のようなことを訓示してある。
俺は帝国に13ある軍のひとつを率いる将軍である。
だが帝国においての地位は、実はたいしたことが無い。
攻略対象の湾岸諸国は遠方であるため、現場の軍はが自分の判断で動いて状況の変化に速やかに対応するため。
また帝国では町としか呼べない都市国家であっても王と自称するものたちが存在し、そのものたちと対等以上に交渉するため。
よって指揮官には将軍の位は必要だということで、ダーラン攻略の功もあるが、二の姫様の格別のお引き立てでつけさせてもらった地位だ。
ただ逆にこれからまだまだ高みに上れる位置にある。
今回も、オストラント攻略を報告でき、それによって我が軍も拡張されるだろう。
諸君達にはその中核をになってもらう。
帝国に、二の姫様に忠誠を誓え。
諸君達の栄達は望みのままである。
彼らオストラント人には情報の統制によって湾岸諸国が攻略済みなことは知らされていない。
統制がうまくいっているのは、疫病のうわさで国境を閉じてしまえたことも大きい
帝国への忠誠心あふれる彼らは、帝国に身内を女官や下働きのために送り込んでいる。
もちろんその手紙は軍を通すので、内密に検閲して情報集めに役立てている。
他人の筆跡を真似るのがうまいものに命じて、オストラントからの手紙にすこし付け加えてさりげなく噂話でも良いから何でも書くようにと誘導している。
彼らから見てもともとの第13軍兵士達ももちろん連れて帰る。
ただしそれらの大部分は、湾岸各地で特殊工作をさせていた者たちから選抜した特殊技能者たちだ。
彼らに命令できるのは俺だけ。
俺個人に忠誠を誓わせている。
何をするかって、そりゃ弱肉強食の世界さ。
隙があれば狙ってやる。
この手で二の姫を俺のものにしてやる。
俺は姫にほれたのではない。




