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「で、結局そこの男二人も同行するってことで良いのか?」
「は?僕はまだこの犯罪者の同行を認めた覚えがないんだけど、なんで当然のようについてこようとしているんだい?」
「俺も前言撤回をするつもりはない。この男はソフィアを殺そうとしていた。信用できない」
ついて来ることを許可したらすぐにこれだ。
ハルトリッヒの言葉に対して噛みついているのを見て少し呆れる。
「この女……ソフィアが許可を出したんだ。お前ら部外者の意見はいらねえ。それに、あの国の俺ら以外の戦闘員についてはこの中の誰よりも詳しいから、お前らなんかより役に立つと思うが??」
「そんな情報なくても、僕とクラウスだったらあの国を力でねじ伏せられるよ。だからソフィアの役に立つのは僕らだ」
言い争いは続く。なんだか段々とどちらの方が私の役に立てるかというまた違う方向での言い争いに発展してきている。面倒だから勘弁してほしい。
そもそもサミュエルとクラウスは元々ついてくる予定ですらなかったんだけどと言いたい気持ちをぐっと抑えて、私はとある提案をした。
「分かった。それなら、サミュエルとクラウスがハルトリッヒと戦って、勝った方を連れて行くわ」
全員がついてこようとするから争いが生まれるのだ。片方だけに絞ってしまえば、こんなしょうもない争いは終わる。そう考えた。
「はあ!?お前いきなり……まあ、良いか。二人纏めてかかってこい」
「自信満々だねー。ソフィアを暗殺しようとしてたくせに」
「もう一度再起不能にしてやる」
一応怪我をしそうになったら止めようと思いながら、村への影響が出ない程度の場所に移動する。
そう、彼らはただの話し合いでは絶対に解決などしない。実力で従わせるしかないタイプである。早くこの不毛な言い争いを終わらせて、少しでも早くブレメンスに行くためにも早く終わらせてほしい。
ちなみに私はサミュエルにもクラウスにもハルトリッヒの能力を開示していない。逆にハルトリッヒはハルトリッヒで二人の能力については私と同様知らない。イーブンな条件である。
「じゃあ、開始~」
3人共が戦う準備を完了したのを確認したところで、戦闘開始の声を掛ける。
気が抜ける合図を出すなと文句を軽く言われたが、無視した。けれど戦うと決めれば3人共切り替えが早いようで、文句を言いつつも既に自分の敵となった者を見据えていた。周囲にひりつくような緊張感が張り詰める。
睨みあいの状況が続き、傍から見ている人間としては、飽きて、あくびが出そうになってしまった時、動きがあった。
最初に動き出したのは意外なことにサミュエルだった。
サミュエルはクラウスに先に動かせて、後ろから情報を分析しているタイプだと思っていただけに意外だ。本来の性格と戦い方というのは結構違うのかもしれない。両手に小斧を構えてハルトリッヒに斬りかかるサミュエル。身体強化魔法を使っているようで、動きがかなり素早くなっている。しかしハルトリッヒも散々戦闘を積んできた人間だ。その初撃は避ける。
しかし二人を同時に相手にしているのが良くなかった。彼が避けた方向に、見事に少し距離を取っていたクラウスの攻撃魔法が当たる。
そして、ハルトリッヒの違和感にサミュエルとクラウスは最初から気付いた。
攻撃が当たったはずなのに、無傷だという違和感に――。




