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【完結済み】妹が私の婚約者も立場も欲しいらしいので、全てあげようと思います  作者: 皇 翼
第一章:序章

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4.魔道具①

あれから――あの国を出てから一カ月が経過した。


特に行く宛もないたびに出て、結局ブレメンス王国から南下し、大きな国を二つほど越えた場所にあるフィオレント帝国に辿り着いた。

国を出た直後、元貴族という柵すらも邪魔だった故に、まず最初に貯蓄を崩して、自身の身分と国籍を買った。

フィオレント帝国は複数の民族や元々国であったものが全て『フィオレント』という国に吸収された結果に出来た国である。それ故に途轍もなく国土が広い。ブレメンス王国の5倍近い面積があるのだ。

そういう理由もあり、全てを国で管理しきれていないのだろう。帝国の端の方の役所で軽くお金を積めば、新しい身分と国籍は簡単に手に入った。


しかし、身分を買うと言っても何かしらの地位に就いたわけではない。普通の……一般市民という立場が欲しかったのだ。それも計画が簡単に遂行出来た所以である。


そして今はフィオレント帝国南西部にあるポッシェという魔道具開発で発展した村に家を借りて住んでいた。


幸いにも私は今現在、庶民としての一人暮らしというものにあまり苦労していなかった。元公爵令嬢とは言っても、昔から聖女の仕事で外に出向く時もあまり良い待遇を受けていたとは言えなかったためだ。

分かりやすく言えば、お飾り聖女だから世話をしなくてもお咎めはないだろうと足元を見られ、遠征先でも自分の生活は全て自分で管理せざるを得ない状態だった。それ故に誰にも世話をされない――一人だけでの生活に慣れているので特に不便を感じることもなかった。

むしろ誰かから仕事を押し付けられることもなく、どこかの式典にも強制的に参加させられることもない、何をしても自由な生活がとても快適であった。


そんな暮らしの中、私は運命に出会った……。『魔道具作り』である。


実はブレメンス王国にも魔道具というものは存在していた。王国の魔法というのは他国に比べてあまり発展していなかったのもあり、一般市民は当然ながら貴族でも魔法を使えない人間が多かったからだ。

何度か使って見たことはあったが、王国製の魔道具はお世辞にも質が良いとは言えず、私は基本的に自分の魔力を消費して魔法を形成し、ソレらを使うことはなかった。


けれどこのポッシェ村では何もかもが違う。

まず第一に魔道具が一般利用されているのだ……しかもそれも王国の物よりも圧倒的に質が良いものが。しかも種類も多種多様であり、明かりになるものからお湯を沸かすものと言った普段使いのものから使用すれば空を飛べるものや物を一瞬で別の場所に転移させるようなものまでそれら全てが一般に出回っているのだ。


最初にこれらを見た時、驚きと共に他のものに感じたことのない程の大きな興味を抱いた。なにせこの魔道具を使えば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。


今までは聖女のハードな仕事を少しでも楽にするために、錬成する魔法式をより複雑化することによって魔力コストを抑えたり、魔法の要らない部分を見つけ出すと同時に一生懸命省いて魔法を使う研究を普段からしてきた。そんな過去からしたら目から鱗であり、未知との遭遇であった。

魔法の研究が既に趣味と化していた故に、そんな夢の様なものに興味を持たない筈がなかった――。


出会ったその日からは、魔道具に関する書物や道具を金に糸目を付けることなくかき集めた。そして昼も夜も関係なく集中してしまう程に魔道具に対する研究にのめりこんだ。


元々魔法が得意だったことも関係するのだろう。最初歩の魔道具を魔法で解析すると、手が勝手にどんどん魔道具を産みだしていった。


一番簡単な『火を生成する魔道具』に始まり、『動くぬいぐるみ』や『年齢を変化させるもの』といった難易度が高い且つ珍しい物、そして『他人を一時的に魅了するもの』や『物質の空間容量を増大させるもの』などの裏で扱われる様な途轍もなく希少なものまでもを一カ月も経たない内に独学で作り上げてしまった。


そしてそこまで登り詰めると、段々と気になり始めた。自分の実力は如何ほどなのか、ということが。

なにせ私はここでは未知数の《《チャレンジャー側》》だ。まずは自分の立ち位置を知って、もっと魔道具について他の人からも知識を得たいと思い始めていた。

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