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横田広域警察24時  作者: 魚河岸ボブ
第2章 頑張れ、新任捜査官
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ー 初上番の日 ー


 皆さんこんにちは。マコです。現在私がいるのは福生市内 第3アジト。…遂に私は捜査課の一員として任務に就くことになりました。

 YPDでは上番日の夕方から下番までの時間を待機室(アジト)で過ごします。合宿みたいですね。何もない日はデスクワークに訓練にと日中を慌しく過ごし、出動に備えて翌朝まで待機するという1日を過ごします。明けの日も訓練や他のチームへの増援に入ることがよくあるそうですが…。


「強行班第3待機室、兼ねてパニックルームだ。米軍ハウスをMRAPの装甲板で補強してある。驚いたろ?」

 同じチームになるベテランから案内を受けながら、アジトのファンシーな外観に似つかない武骨な内装(・・)に目を奪われていた。…いや、ここ米軍ハウスだよね?何でこんな要塞みたいになってんの⁈


「小銃弾くらい屁でもないから安心してくれ。万が一のためにショットガンとPDWが備え付けてあるから、後で使い方を教える。まあ、小銃が使えるなら難しいことはない。

冷蔵庫は共用、メシは買い出しか自炊をその日の気分で決める。あっちにいるのは同じチームで今日の上番者…コーディ、ブック、オジン先輩。夕飯の時に自己紹介してくれ。

みんな、晩メシどうします?」

「イザムの皿うどん」

「バーキン」

「蕎麦…いや、そうだな…」

 見事にバラバラだ。こんなんでチームとしてやっていけるのだろうか。

 しかし、疑問はすぐに解決した。

「新人が来たことだし、ピザ買ってきてパーティっぽくしようや。持ち帰りなら2枚目半額でしょ?」

「「「異議なし!」」」

 見た目一番歳上のオジン先輩が発した一言で一瞬にして決まった。素晴らしい。見事なまでの年功序列だ。


「じゃあ私が買ってきますよ。4枚で足りますよね?」

「サンキュー、頼むよ。」

 見た感じジェントルマンなコーディさんが買い出しを引き受けてくれた。


 私は会話のきっかけを作りたくて、どうでもいいことを教育係のゼンジさんに尋ねる。

「あの、皆さんの名前(コールサイン)の由来は…?」

「ああ、残念ながらよく知らないな。自分のは説明できるけど、人様に自慢できるようなもんじゃないよ、ハハハ」

 左様ですか。

「とりあえず、コーディは元々警察官、ブックと俺は出向組でよ。ちなみにオジン先輩は…多分自衛隊だ」

「多分?」

「ああ、陸自(同業者)の匂いがする」


 腰のホルスターに入れたガバメントの感触にようやく慣れてきたこともあり、私はリラックスしつつあるようだ。会話にも若干余裕が出てきた。コミュ障の私がこんなに頑張れるとは…!

「そうそう、俺のコールサイン、ゼンジってのは昔全自衛隊武道大会に駐屯地代表で出場してさ、そん時の…」

 話好きのオッチャンで良かった。コミュ障の私でも会話が止まらない。というかよく考えたら一方的に話しているのを聞いているだけだ、これ。


 しばらくゼンジさんの話を聞いて、もといゼンジさんと話をしていたら、ピザの買い出しに出ていたコーディさんが帰ってきた。


「さて、君のコールサインの由来も聞かないとな。アルコール抜きだけど折角の歓迎会だ、みんなで自己紹介から始めよう」

「あ、ありがとうございます…」

 ビール代わりのコーラで乾杯して、歓迎会が始まった。


 夜間飛行訓練に飛び立つC-130のエンジン音に包まれながら、ゆっくりと日が暮れていく。

 福生市の夜が始まる。

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