第二話 異能
あと異能の説明は魔法みたいなもんで大丈夫です。
二〇二六年五月三日 カスパルがウムヴェルトをヘルツ家だと知らないように設定変更
二〇二六年五月一五日 全文書き直し
二〇二六年六月一日 大部分文修正
|第二寮 寮長室|
「失礼します。第二寮副寮長、上級職員カスパルです。第二寮新規職員をお連れしました」
「ご苦労。そして新職員のご三方、第二寮にようこそ」
「はい、これからよろし……?!」
その寮長と呼ばれている人を見たとき、俺は驚いた。
寮長さんは和風っぽいヒラヒラの緑、紫色の服を着ていている美しい女性だった。それはいい。
俺が驚いたところは、額に薄い緑の一本角が生えていたからだ。
「え……角……角???」
「なんだよ、そんな珍しいことでもあるまいに」
「いや珍しいですよ。普通は生えていません」
「まあ、そんなことはいい、まずは自己紹介だ。私は特級戦闘員、そして第二寮寮長をやっている。ナサという。よろしくね」
「「?!」」
「特級戦闘員?!」
特級戦闘員とはなにか。
前提として、MPEの職員にはランクというものがある。最下級から始まり、下級、中級、上級、最上級、と功績や実力によって上がっていく。
災害生物を相手にするのが仕事のため、もちろん戦闘能力も評価される。
そして一番高い、最高位が『特級』。一般的に新職員は下級か中級から始まり、対災害生物の戦闘能力や事務能力、功績などを評価し、昇格、もしくは降格が決められる。そして、特級は現在汎人類拓務省の本部には四名しかいない。
特級や最上級職員は、一般的に戦闘能力のみで決められている。そのため、特級職員、最上級職員ではなく、特級戦闘員、最上級戦闘員と呼ばれることが多い。
「ま、いうてあんま言うことはないね。ウムヴェルト君、ルーク君、セレーネちゃん。これからよろしくね。あとパスカル第二寮案内してきて」
「えっ⋯⋯あっはい⋯⋯あとカスパルです」
そう言い、パスカルさんに寮の案内を任せナサさんは寮長室を出る。
「……とりま紹介をすすめていこう。はい。事務仕事があるのにな。それでは紹介をしていこう。まずここは玄関」
「俺の家の奴よりでかい!」
「あれ、なんかいいにおいがする⋯⋯」
「勘がいいな。君の名前は?」
「セレーネです⋯⋯」
「セレーネくん! 勘がいい! そう、この玄関では普段芳香剤を使っている。汗臭いからね」
これは勘というのか⋯⋯?と思ったが心の奥底に閉じ込めておこう。
「そして、ここが君たち職員が住む部屋だ。君たちはここだったな。そして奥に階段があるだろう。上の階も同じつくりだ。先輩がいたら挨拶しておけ」
そういったあと、カスパルさんとともに二階に上がる。
「はい、こっちが風呂場。部屋にも風呂はあるけどこっちも使える。裸の付き合いをするのも大事だ。っそして――――」
***
「――――と、いう感じだ。壊さない限りなんでもしていい。質問はあるか?関係ないものでも受け付ける」
「はい!」
「はいなんだ? 名前と質問をどうぞ」
「ルークです! 任務はいつ行くことができますか?!」
「おお、やる気があるな。まあ、答えよう。まず、任務は災害生物と戦うものかな。そのために、まずは災害生物に対処するために異能解放の儀をしなければならない」
「異能解放の儀⋯⋯?」
セレーネが疑問を唱える。どうやら異能によって災害生物に対抗しているらしい。汎人類拓務省の戦闘などの情報は一般的には知ることができない。なにか武器でも使っているのかと思っていた。
「よし、人類躍進計画もあるし、そっちの説明をしようか
異能は極秘事項だ。お前ら、絶対に外に漏らすなよ」
それに俺らは了承し、カスパルさんによる異能の説明が始まる。
「うむ、では説明をしよう。異能はまあ、魔法みたいなもんだ。異能をしるためにはこっちからだな。まず、ヒトの脳には威玉という器官がある」
「威玉⋯⋯?」
「脳の想像力や素質などそのものを具現化するのが異能。そして、その異能の宿るところ、それが威玉だ。威玉を活性化させ、異能を使えるようにする。それが異能解放の儀だ」
「あの、異能解放の儀って具体的に何をするんですか?」
「いい質問だウムヴェルトくん。いや当然の疑問だ。総督が頭に手を置いてくれる。そんでしばらく待つ。それだけだ。
それ以外でも目覚めることがあるらしいが、一般的にはそれだけ。
それだけで異能を使うことができる。異能は人それぞれで、出力も人それぞれ。鍛えれば上がる」
MPEの総督。異能解放の儀は頭に手を置くことで異能を使える。仕組みがわからないが、異能は魔法のようなものらしいので気にしないでおこう。そして俺は質問をする。
「あの、異能解放の儀はいつ受けることができますか?」
「総督がいればいつでも頼める。異能解放の儀なんてたいそうな名前を付けられているが、そんな大層なもんじゃない。確か今は本部最上階、総督執務室にいるぞ。今からでも行ける。向かうか?」
「⋯⋯! じゃあお願いします!」
「私もお願いします⋯⋯」
「おう、ついてこい。こっちだ」
情報処理能力不足でフリーズしていたルークを連れ、俺らはカスパルさんについていった。ルークは理解能力がないのが玉にキズだ。




