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アウトライアー ~汎人類惑星奪還記~  作者: あろくす
第二章 人類躍進計画
26/33

第二十三話 侵攻

時系列は


五日目

***

二週間目


です


「アレーニア、脱獄の情報は真か?」


「……はい」


「……遠隔操作室の警備が抜かれた……?」


「いや、あの、遠隔操作室に敵は確認されず……」


「ならば最上級威物を解除した、ということか!?!?」


「い、あの、拘束威物は解除しておらず、拘束はそのままで脱獄したようで……」


「……」


 反人類者収容所の第八層以下の収容者には牢屋だけではなく、層に応じた拘束用の威物によって拘束されている。第十層収容者のうち、反人類連合幹部の三人は最上級威物、『魔法の鎖(グレイプニル)』によって拘束されており、脱獄するには、収容室を破壊し、MPE本部、遠隔操作室にある鍵によってのみ開放することができる。


 収容室の開閉は遠隔操作、そして鎖の威物は反人類者収容所遠隔操作室にある。収容室もなかなかの威物で構築していたのだが、破壊されるとは。と考えて、バイオニア・ヘルツは肩を落とす。


 しかし『魔法の鎖(グレイプニル)』が健在ならば問題はほとんどない。あの威物によって拘束されると常に威が吸収されるうえに、体に力もまともに入らない。そして破壊も困難であり、鍵によって解除する以外に解除方法は無い。そして、シェシュとシュモーネ、六番と八番の反人類連合幹部がロッヘンと交戦をした。


 反人類連合幹部の八人のうち、一番、二番は特級戦闘員クラスはある、と言われている。しかし六番~八番は最上級職員クラス。そのうえ交戦しているロッヘンは大変用心深い。奴の権能のうち、第一段階の【狩人(イェーガー)】でトントン、と言ったところだろう。少なくとも、第十層にたどり着くまでに無傷、というのは考えられない。


 反人類者収容所はそこまで甘いセキュリティではない。


「奴らはまだそこまで遠くに入ってないじゃろう。第三支部、第五支部を確保に向かわせろ!

 遠征部隊はどうなっている?」


「はっ! そして遠征部隊は現在順調であり、西方遠征部隊は観測基地にもうすぐ着きます、そして北方遠征部隊、北西遠征部隊は樹海に到達!」


「……北方遠征部隊には樹海沿いを通るように言え。そして〝海咬〟のことは伝えるでない。ヴォルター、ナサの二人は確実に攻撃をしに行く」


「は。 あと、北西遠征部隊のフーゴー最上級職員からです」


「なんじゃ」


「災害生物が人為的な興奮状態にある、と……」


「……鑑定眼か。便利じゃな。西方遠征部隊では異常は?」


「なしです!」


「では観測基地到着後、アルテュール、そして遠征部隊を半分ほど引き連れて北西遠征部隊に向かえ。不測の事態がないとも限らない」


「承知しました! では!」


 そういい、アレーニアは総督執務室を出ていく。




***


 人類躍進計画開始、二週間後。


|北方遠征部隊|


「『光大砲弾(シュス・フォトン)』!」


 北方遠征部隊、樹海。


 先ほどまでいた樹海とは違い、明らかに災害生物の量が増え、強さも上がった。


「ギルベルト! 大丈夫か!」


「当たり前さ! 『迅雷(ジンライ)』!」


 そういい、ギルベルトはランクⅢ⁻ほどの災害生物の頭に回し蹴りを当てる。なお、ギルベルトは異能、迅雷(ジンライ)はバフのような使い方をしている。雷を纏って、攻撃する。足である必要はなく、拳でも頭突きでもできるが、蹴りは昔倣っていたため、使用しているらしい。


 なお、雷は絶対ほかにもっといい使い方があると思ったのだが、まあ不自由をしていないのならいいだろう。異能の使い方は人それぞれだ。


「ほれがんばれがんばれ!」


「大丈夫か!? 『回復(ヒール)』」


 後ろの方には、俺たちに喝を飛ばすナサさんと、ハーディさんも含めた治療班がいる。樹海は気が生い茂っており、上方向からの奇襲もある。そのため、治療班はかなり忙しい!


「ギャガアアァァアアアアア!!!」


 その時。俺の前から肉団子と虎のイリュージョンのようなよくわからんキモイ災害生物がとびかかってくる。俺は反応できずに体勢を崩す。


「ちょっ……」


 その瞬間、俺の前に一筋の閃光が走り、前のトラの頭を貫通し、その場に死体が崩れ落ちる。


「気をつけロ」


「は、はい!」


 そういい、ヴォルターさんは背中についている謎の機械、そしてその謎の機械についている六本のロボットアームのようなものからビームやらレーザーやらを出し、近づきもせず災害生物を処理していく。


 ヴォルターさんは現在、真能を使用せず、自らの作った兵器でのみ戦う。ロボットアームの中心部分にある穴部分からレーザーやらビームやら火炎放射やらを出し、背後からの奇襲は背中部分についている機銃のようなものが殲滅をする。


「ウムヴェルト、と言ったカ」


「はい」


「ランクⅢ⁺に接敵シ、人が死ヌのを見テ寝込んだラシイナ?」


「はい、お恥ずかしながら……」


「……慣レロ。そして強くナレ。さすれば人の死ぬ数も減ル」


「……はい!」


 そういい、ヴォルターさんは樹海の奥へと進んでいく。


 やはり、強くならねば。


 俺の異能は、おそらく強い部類。しかし、それは解放した直後の中でだ。使えば使うほど練度も上がってゆく。威も増える。俺は人類の役に立ちたい、と考えMPEに加入した。しかし、弱ければ話にならない。


 今、俺は中級職員。話にならない。ランクⅢ⁺とはいえ、ランクⅢに苦戦しているようじゃ人類の役には立てない。




「おい! ウムヴェルト君!」


 そうギルベルトに呼ばれ、俺は我に返る。


 ……戦闘中に何を考えこんでいるんだ、俺は。


 そう考え、俺は戦闘に戻った。

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