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アウトライアー ~汎人類惑星奪還記~  作者: あろくす
第二章 人類躍進計画
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第十三話 泡沫

二〇二六年五月十九日 文章構成を変更、タイトル変更

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 報告書


 報告者 特級職員 北方遠征部隊リーダー ナサ


 ランクⅢ地上徘徊型特定災害生物、シックスバトルフィッシュの撃破を確認


 死亡者 ルーカス中級職員、イソカワ下級職員、ジャック上級職員

 重症 ガーベ中級職員 全身骨折

 軽傷 ギルベルト上級職員 左足の骨折

 無傷 ハーディ中級職員、ウムヴェルト中級職員。


 宛先 上級戦闘員 カスパル


 ======


「ほい、そんじゃこれ頼んだ、アレーニア」


「はいっ! ありがとうございます!」


 人類躍進計画二日目。

 早朝。北方遠征部隊リーダーナサが出した書類を受け取る、翼が背中に生えた天使のような姿をした女性はアレーニア。総督秘書であり、全遠征部隊が出した報告書類をまとめ、カスパルのもとへと届ける。


 彼女の異能は『神聖天使(ノーマルエンジェル)』。天使のようになる、という実にシンプルな異能であり、翼により飛ぶ速度は車などとは比較にならない。酸素不足になりやすいというようなデメリットはあるが微々たるものだ。


「それじゃ! 届けてきまーす!」


「おう。頼んだ」


 アレーニアに地図を届けた後、ナサはアナスタシア大陸地図を開く。現在いるのは荒れ地。まだ観測基地への道のりは半分以上ある。


 荒れ地には強力な災害生物はあまりいない。死者が三人出たシックスバトルフィッシュなどは稀有だ。普通はランクⅢすらまともに出ない。そのために荒れ地には新入り職員や中級職員以下を多く前に出し、死者が出てしまった。気を引き締めなければならない。


「オイ。そろそろ樹海ダ」


 そういい、人員輸送車の中に背中からロボットアームのようなものが複数付いているような、科学者のような男が入ってくる。その男は最上級職員、ヴォルター。


「おお、 もう着くのか」


「アア。後、風ノ噂だが三名ほどの職員が出現したランクⅢを倒せずに死亡シ、それの尻ぬぐいをオマエがやったというのはホントウカ?」


「それか。本当さ」


「ハァ……樹海ニハランクⅣもいる可能性がアル。ココで消耗してどうするノダ?」


「……威を消耗しないせず、樹海に備えるのはわかる。でも、だからって若い芽が摘まれるのを黙ってみて居ろってか?」


「ソレでいいダロウ? ソレに死者は出たのダ。芽はすでに摘まれてイル。ソレを言うならもっと早く駆け付ケロ。ソモソモ熟練の上級職員を派遣しなかったことが間違いダ」


「ごもっともだわそれは……」


 死者が出たのは自分が上級職員がいない部隊のみを派遣していたこと、そして駆けつけるのが遅かったこと。ヴォルターの言っていることは正しい。自分は特級職員。しかしそれは強さだけだ。


「北方では海から未確認の災害生物の鳴き声も聞こえてきているノダロウ? 今のウチに出来ることはすべてヤッテオケ」


 そういい、ヴォルターはナサのいる輸送車を出てゆく。


「……」




***




「ウムヴェルト! 元気になったか?」


 太陽もすっかり昇った朝、ギルベルトの呼び声で俺は走っている医務車の中で俺は起きる。


「……? あぁ、ギルベルト。朝か。もう平気だ」


「もう朝か……」


「おうよ。そろそろ起きろ」


 そういい、ギルベルトは骨折していたはずだというのに当然のように立って軽いストレッチをしている


「あれ、ギルベルトお前当然のように立ってるが足直ったのか?」


「おうよ! 威は生命力だ! 一晩威こめときゃ直る!」


「人体ってそうだったか……?」


 そういえばそうだ。威はそもそも生命力のエネルギーなのだ。そんなことを考えながら、俺らは自分の部隊に戻る。


「おお、お前ら。直ったのか?」


 そういい、俺たちに声をかけたのはハーディさん。俺たちよりも先輩であり、異能は回復(ヒール)。なんか世界観が違う気がするが、便利だしいいか。


「はい、もう大丈夫です。昨日は申し訳なかったです……」


「僕ももう骨折も治りました」


「そりゃあよかった。あとあれはランクⅢだ。新入りや俺ら中級職員にとっちゃ荷が重い。あとてかギルベルトだったか? 威でけがが治るのは知ってるが、はええな……バケモンかよ」


 そういい、ハーディさんは苦笑する。

 ハーディさんの異能からわかる通り、ハーディさんはサポートのほうが向いており、身体能力も並み。 


 しかしたとえ不測の事態が起きてもすぐに動くことができる、それが強みのため前線部隊の一隊にいる。実際昨日俺とギルベルトは六本手魚が来ていたというのに動けなかった。単純な戦闘能力などの目に見える、訓練では現れない強さがあるのだ。


「そういやそろそろ樹海らしい。明日には樹海に着く。」


「樹海……恥ずかしながら僕とウムヴェルトは樹海についてあまり知らなくて……」


「知らないも何もそんな知る場所じゃない。ただの危険な森だ。ランクⅢももっと出る、とのことだ。あ、昨日の魚はランクⅢの上澄みらしい。あんなやつはほぼでねえ。」


「なるほど、ありがとうございます」


 俺とギルベルトはそうお礼をいい、部隊の仕事にとりかかった。

 今日は特に何の事件も起きないことを願う。




あと特定災害生物は指名手配的なやつです。指名手配されてる災害生物です。

ちなみに六本手魚、シックスバトルフィッシュはたまに災害生物領調査隊につっこんで被害が出ていたりする災害生物です。


徘徊と名がついている通り、普段は西方にいますが今はたまたま北方にいました。樹海だったり海にいたりすることもあるかもしれません。

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