29話
リリアンは、楽しそうに格納庫を歩き回っていたがある一機の機体の前で立ち止まっていた。
「この機体は」
「この機体か」
二人の前には、一機の戦闘機が駐機していたこの戦闘機は、近年作成され実験された機体で州内で行われた軍事展示会で飛行したのみで、駐機した状態では公開されなかった機体に酷似していたのである。
「これって」
「機密機体だな」
「私見て大丈夫だったの」
「わからん、ミミに聞いてみるか」
結局は、見てもだ良いとのことであった。するとリリアンは、機体に駆け寄って観察を始めた。
しかし、この機体はあまりにも不完全であった。この機体には、エンジンが搭載されていなかった。
「この機体エンジンがないのね」
「ああ」
いつの間にか横に来ていたルルはぶっきらぼうに返事をした。その機体にはエンジンがなく最近飛行した機体には見えなかった。
「ミミこの機体は」
「この機体ですか。この機体は、モックアップ機です」
「モックアップ機か」
「ええ、近年展示された公開機ですがこの機体の大半の詳細は機密になっており一部の関係者しか詳細を知りません。」
「確かにそうだ。私も知らない」
「私も」
「そして、公開された機体はこのモックアップがベースになっているようです」
「そうなのか」
そう言って二人は再度機体を見だしたがルルは気になったことがありコックに取り付けてあった櫓に上がった。
「やはりそうか」
「やはりってどういうこと」
いつの間にかリリアンも上がってきたようであったがリリアンの使用人が何か言いたいようであったが我慢したようであった。ルルはなぜ、注意されそうになったのか気になりリリアンを見回したのだがそうにの理由はすぐにわかったリリアンはスカートであったためはしたないという理由で怒られそうになったのである。すると格納庫の入り口から足音が聞こえてきた。
「ルル無事か」
その声の主は、ジークフリートであった。その後ろにが楽しそうにクリームヒルトが手を振っていた。ジークフリートに気が付いた二人は急いで下に降りた。
「只今、帰りました。遅く」
「良い、無事であったのなら、君はアサ家の子女か」
「お初にお目にかかります。リリアン・アサと申します」
「そうか。ルルのことをよろしく頼む。二人は何を見ていたのか」
そう言うと、二人が見ていた機体に目を移した。
「この機体か、ここにあったのだな。詳細は聞いたのか」
「ミミから展示会で飛行した機体のモックアップだとは聞きました」
「そうか、確かにこの機体は試作機のモックアップだがそれは正確ではないな」
「そうなのですか」
「そうだ、この機体は飛行した機体のベースのベースだな」
「ベースのベースとは」
「あのー、私が聞いても大丈夫ですか」
気まずそうにリリアンは、声を上げた。
「構わん、アサ殿も知っていることだ」
「そうなのですね」
「そうだ、この機体は元々風洞実験用に作成された機体でその結果が良かったために制作されて飛行したのがあの機体だ」
「そうなのですね。だからこの機体はコックピットがないのですね」
ルルは先ほどまで確認してみていたコックピットの方を見ていたのだがそこには、コックピットの形状をしていたのだがコックピットの座席がある位置には何も置かれていなかったその上操縦に必要であろう計器が一切置かれていなかったうえ置かれるであろうスペースさえ存在していなかった。
「そう言うことだ」
言いうことは終わったのであろうジークフリートは、倉庫の隅に置かれている機体を一瞥した後ルルの方に向いた。
「ルル、この後時間があるか」
「はい」
「では、後を付いてこい。クリームヒルト、リリアン殿をもてなしておいてくれ」
「畏まりました」
クリームヒルトの返事を聞いたのち来た道を戻って行ったのた。そのあとを追うようにルルも歩いて行ったのだが後ろからクリームヒルトが声を掛けてきた。
「ルル、カガリアに怒られないようにね」
「げえ」
ルルは、ヤバいという顔をしたのだがすぐに元に戻りジークフリートの後を追っかけて行った。




