22話
教室に戻ると学級長になったコリニスは、昼休憩中に教官室に行ったようでルルやリリアンと同じように腕章を付けていたのだがルルたちとは異なり黒色に白で線が1本引いてあった。そこにフリストフが入ってきた。
「全員そろっているな」
フリストフは、教室全体を見まわしていた。そして、一同は緊張していた。
「これより、20分後の13時45分にリリングエリアの当学年の運動場に運動着に着替え集合」
そう言ってフリストフは、教室を出て行った。全員が固まってしまっていたがルルは、事前に今日の予定を知っていたこともありすぐに机の側面にある引き出しから運動着を取り出し教室の横にある更衣室に移動した。同様の行動をリリアンとコリニスも行っていたことから次席と三席はまぐれではなかったことを示していた。さすがに教室から3人も動き出したら周囲も同じように行動を始めた。この更衣室の中には、個人の部屋がありそこで着替えるため男女で更衣室はわかれていなった。
しかし、初めから行動出来ていた3人は更衣室から出てくるもほぼ同じであったのだがルルが更衣室の個室から出ようとしたときは、他の生徒たちが更衣室に流れ込んで来ておりそれとほぼ入れ違いであった。
ルルたちが、玄関に向うとすでにそこには、クラス全員の馬が用意されていた。三人は自身の馬に乗って異動を始めたのだが距離と時間的に考えても今現在でも馬を走らさなければ間に合わな時間であった。それに気が付いたルルは、馬を走らせた。
ーーー
結局、ルルたち三人以外は遅刻をすることになった。
リリアンとコリニスは、ルルがいきなり馬をモースピードで走らせ始めたことに気が付き自身の腕時計を確認すると15分しかなくここから集合場所まで馬を歩かせたら20分かかる距離で二人は大急ぎでルルを追っかけたために間に合ったのであった。
「腕章持ちはさすがに遅刻しないか」
フリストフは先に付いていたようでルルたちが到着し馬小屋に馬を繋ぎとめているときには既に一頭繋ぎ留められていた。そして、フリストフはルルたちが遅刻をしないこと予測していたようであった。そして、予定時刻から遅れること10分ほど経ってから残りの生徒たちがやって来たのであった。しかし、遅れて来た残りのクラスメイト達は各々会話しながらやって来ていたその姿を見たフリストフは声を荒げた。
「お前ら、どういうつもりだ。上官である私が時刻を指定していたのにも関わらず遅刻をしてくる上に会話をしているどういうことだ」
そう言いながらその集団に近づいて行った。ルルたちは、残りのクラスメイト達が来るまで運動場で直立不動で待たされていた。10歳の少年少女に対しては厳しい物であったがここが軍事学校でありルルたち生徒は準軍人と言われればそれも仕方ない物であった。
「お前たちならべ」
そして、フリストフは遅れて来た生徒を運動場の周囲にあるトラックに並ばせた。
「なぜ、遅れたのだ。答えろ」
そう言って、一人一人名前を上げて聞いていったのだが誰も答えることはなかった。
その状況にも腹が立ったのであろうフリストフはコリニスを、遅れて来たクラスメイトのところまで呼びつけた。
「学級長なぜ、皆を引き連れてこなかった」
「はい、この学校に入った時点で皆軍人としての意識を持っていると考えていました」
「そうか、ならお前の認識が悪い、お前ら、ルル上級曹長、リリアン下級軍曹を除いて列を作れ」
そう言われた生徒たちは不満があるようであったが縦列に9人で横3人で列を作り先頭にコリニスの列を作った。この列の作り方は昨日教えられたものであったためにすんなりと出来はしなかったが短時間で隊列が完成した。
「駆け足準備」
「はい」
「駆け足はじめ」
フリストフの掛け声によってトラックの周回が始まった。皆の後ろかフリストフが常に追っかけて来ていた。その光景は、周回の周数が遅刻してきた分数の2倍の20周を走らされていた。1週は約1kmのため20km走ったことになる。
ーーー
20周走りったころには既に皆疲弊していたが、フリストフそのまま授業を始めた。
「それでは、授業を始める。今後同じようなことがあれば連帯責任として皆に走ってもらう」
その言葉を聞いた男子生徒が小言を言った。
「あいつら、二人は走っていないじゃないか」
その声は、大きくなかったがフリストフは聞こえていたようであった。
「何か、不満があるようだな。ニュデリ下級軍曹」
「いえ、何でもありません」
「聞こえていたぞ、あいつら、二人は走っていないじゃないか、だと時間を守ってから不満を言え」
「しかし」
「五月蠅い、ニュデリ下級軍曹いやであるのなら辞めても一向に私は構わん」
「ですが、何故我々は走らされたのですか」
「遅刻したからだ」
「そうなると、何故学級長であるコリニス下級軍曹は走らされたのですか」
「学級長であるからだ。そんなに不満があるのなら走ればいいのだな。全体駆け足準備、始め」
結局、チャイムが鳴るまで走り続けたのであった。




