20話
校舎に到着するとルルは、本来は車寄せである場所に馬を止めた。そこには、厩務員がおりその厩務員が校舎にある馬小屋まで連れて行ってくれる。同様にリリアンも厩務員に手綱を渡していた。
ルルは、リリアンのことを気にせずにそのまま校舎に入って行った。やはり、ここでもルルを追うようにリリアンもルルの3歩後ろを付いてきており傍から見ると従者のようであった。
ルルは、教室に着くと自身の机に着席して机に内蔵されている電子端末を立ち上げた。立ち上がるまでに時間が掛かるためルルは、個人の電子端末で今日の日程を確認していた。今日もきのうと同様にほとんど授業らしき授業は無くほとんどが各授業の説明のようであった。授業は、一コマ90分であり10歳に対しては長時間であった。ただ、無償の初等学校では、45分と短いが一日にの授業のコマ数は無償の初等学校の方が多い傾向にありこれは連邦全体でもほとんど同様であった。そして、今日のその日程が本来なら5コマ目まであるのだが3コマ目までしかなく昼食を挟んで15時には終わる日程でその後部活動の勧誘時間となっていた。
時間になるとチャイムが鳴ると昨日と同様にフリストフが入ってきた。
「学級長、号令」
フリストフは、学級長に号令をかけるように言ったのだがそもそも学級長を決めていなかった。それに、フリストフは少し時間がたって気が付いた。
「学級長を昨日決めていなかったか。じゃあ、ルル・フォン・ボルムス上級曹長号令を」
フリストフは、ルルの名前をフルで言ったことで教室が少しざわついた。クラスメイト達はルルが州領主の息子だと知らなかったようであったのだがさらに驚きがルルが一日で上級曹長まで昇格していたことであった。ルルの制服には、実際に上級曹長の階級緒が襟に付いていたのだがクラスメイト達は階級緒よりも会話に夢中であったようであった。
「はい、起立、教官に敬礼、やめ、着席」
「それでは、始めよう」
ルルの号令は合っていたようであった。フリストフはそのまま授業の準備を始めた。
「授業を始める前に学級長を決めよう。なりたいものはいるか」
そう言って、クラスを見まわしていたのだが誰も立候補することはなかった。
その光景を見たフリストフは残念そうにしていた。
「仕方ないか。お前らこのクラスは初等学校を卒業まで同じとなるからな後から文句は言うなよ。」
そう言ってから再度クラス全体を確認してからある女子生徒を指名した。
「コリニス・スンデイ下級軍曹、貴官を学級長に任命する」
「教官、何故私なのですか。主席入学したルル・フォン・ボルムス上級曹長さんや次席のリリアン・アサ下級軍曹ではないのですか」
「簡単な話だ。ルル上級曹長は既に生徒会に参加している。そして、アサ下級軍曹は、風紀委員に任命されている。どちらの役員は、学級長と兼任してはならないそうなると貴官しか残っていない」
「了解しました」
しかし、その了解しましたには苦虫を嚙み潰したような顔になっていた。それを見たフリストフはコリニスに声を掛けた。
「スンデイ下級軍曹、私の判断は不服か」
「いえ」
「ならば、なぜそのような顔をしている」
「そんな顔はしていません」
「そうか、なら任せるぞ後で私の部屋に来い」
結局、フリストフは押し切るような形でスンデイ下級軍曹が学級長を務めることになった。そして、自室に来いとは教員棟の教員室でなくこの棟の教員のための専用室のことを指していた。
そして、そのまま授業が始まったのであったのだが、今現在どれほど知識があるかの確認でテストを2限目も受けることになった。




