17話
ルルもクリームヒルトに送れること5分程度でルルが乗る機体が空に舞い上がった。
「帰りは、普段の空路?」
「はい、今朝のよな空路は取りませんので、一旦、ヒシ市内の上空で旋回してからエタ島に帰投します」
「そう、お父様たちは今日も」
「はい、本日もファウスト家とのお食事会がありますので遅くなるかと」
「そうっかじゃあ少し長く飛んでも問題ないね」
「はい」
「じゃあ、1時間ぐらい適当に飛んで」
「はい」
ルルがそう言うとミミは席を立った。ルルはミミが席を立ったことを確認すると機内の電気を落とし外を眺め出したそこにはヒシ市内が広がっていた。ヒシ市は、ボルムス家が直接管理ている。この都市は、ボルムス家が統治を始める以前から存在していたが今ほど大きい物ではなかった。元々は10万人程度都市であったがボルムス家が統治を始めてから人口が1500万人になっておりこの人口は過去最大となっておりボルムス州の総人口の30%ほどがこの都市に居住している。この人工の大半がフチョウ区にある自動車工場に勤務している。またこの自動車会社は、周辺の州にも輸出しているまた、この輸出先には関係が良くない州も含まれているのだが性能や品質が他の州に存在している自動車会社よりも良いためであった。また、この自動車工場では、民家機向けのエンジンの組み立ても行っていた。
「ヒシ市はいつも明るいな」
「はい、人口も多い上に今の時間であればまだ多くの家庭では、電気を付けた状態ですごしていますから」
いつも間にか戻ってきていたミミが答えていたのだが、ルルは毎回ミミがどのタイミングで戻ってきているのかが疑問に思っているのであった。その上、ルルの目の前の机には紅茶まで置かれていた。
「どこを回って飛行するのだ」
「ヒシ市市内を通過してアサ県の居住区エリアで進路を東にキタヒ県、オタカ県、ミハ県を通過、進路を南にとりセック県、ヒガタケ県を通過したのちクリ区を通過した後着陸予定です」
「随分内側を通るんだな」
「今朝のこともありますし、パイロットのいい経験になるかと思いましてこの空路を取りました」
「そうか」
そう言って、再びルルは窓の外を見だしたのだが眼下には、既に暗くなっており2本の街路の線が伸びている。この街路の線は、アサ県の工場に繋がるものであった。
ーーー
「ルルはまだ帰ってこのないのー」
クリームヒルトは、自室の机に顔を置いてぶー垂れていた。すでにクリームヒルトは、制服から部屋着にまで着替えていた。また、クリームヒルトはルルが真っすぐ帰ってくるものだと考えていたのだがその予想は外れてしまった。
「ルル様は、1時間程空の散歩を行うみたいです」
「ルルは、好きよね」
「はい、良く散歩されていますね」
「こんなんになるなら、一緒の機体に乗れば良かった」
「クリームヒルトさま、お食事はどうされますか」
「食べる、どうせルルは、飛行機で食べてそうだし」
「畏まりました」
実際ルルは、機内で食事をしていた。
ーーー
ルルは、結局1時間半ほどの飛行を行ってから自宅に帰ってきた。
「ルルどうした」
遠方の方からジークフリートの声が聞こえた。
「父上」
「遅かったな」
「少し空の旅に」
「そうか、ほどほどにしておけ」
「はい、父上こそどうされたのですか」
「ああ、食事会が終わってから戻ってきたところだ」
ジークフリートが言うように、ルルの到着5分ほど前にジークフリートもファウスト家から戻って来ていた。
「母上は」
「クラウディアは、到着するや否や自宅に戻った」
「そうですか。」
ルルは少し寂しそうであった。決してジークフリートとクラウディアは仲が悪いわけではなく、ただ単にお酒を飲み過ぎたためにそそくさと戻っただけであった。
「ルル、飯は食ったか?」
「はい」
「なら、少しいいか」
「はい」
ジークフリートは、付いて来いと言わんばかりに格納庫の方に向って歩き出した。
格納庫までは、それほど遠くなく徒歩で5分ほどの距離であった。そしてそこには今朝見た白い機体が駐機していた。
「この機体ですか」
「そうだ。この機体が、先日話した機体だ」
「今朝も確認しましたが非常に大きいですね」
「ああ、全長は約56.6メートル、全幅は主翼を展開した状態で32.0メートル、6基のターボジェットエンジンにより最高速度マッハ3、機体には耐熱性に優れたステンレス鋼やチタンが用いられ、さらに主翼端に可変下垂翼を採用し、高速巡航時の効率と安定性を高めている」
「エンジンの数が以上ですね」
「仕方ない、初めは4基で行っていたようだが、想定していた速度より遅くなってしまったようだ。」
「そうなのですね。因みに実験はどこで行ったのですか」
「ニッ海だ」
「そうなると実験段階で他家には漏れていますね」
「それは、仕方ないことだ」
「そうですね」
ボルムス家は、海には面しているが内海であるがために実験を安全に行うためにはタリング海かニッ海に出るしかない。
「まだましな方だ。タリング海に出ようとすると少なくともロッテ家、リップル家、ニニ家に多くのデータを取られるからなそれならまだ他国から観測される方がましだ」
「それで、良いデータは得れてのですか」
「取れたために晴れてこうして公になっている」
「確かにそうですね。データが上手くいってなかったら王都には行けませんね」
「そうだ、乗ってみるか」
「良いのですか」
「良いぞ、明日の朝高等学校の入学式で飛行してから工場に戻る予定だから」
「解体するのですか」
「いや、解体しても良いのだがな、この機体は整備を行った後エタ島の空軍の実験団に所属することになった」
「それなら、これからも見ることになるのですね」
「そうなるな」
ルルはジークフリートに案内されるように機体の下に来たのだが入り口は前輪の後方に梯子として存在していた。また前輪自体も非常に後方に有り前輪は機体の中央部に位置していた。
「この梯子で王都の空港でも上り下りしたのですか」
「さすがそうではない。ほら」
そう言って、ジークフリートは機体の下から少し出て胴体の一部を指さしたそこには、コックピットの窓後方にドアがあった
「あれから出入りしたのですね」
「そうだ」
「ですがあれでは速度が落ちるのでは」
「あれは後付けだ」
「なるほどそうですか」
「ああ、中を見よう」
そう言ってジークフリートは梯子に戻っていった。




