七
すみません、この「七」話目をとばして掲載してしまいました。
自分のデータからコピーしたりしていくうちに抜かしてしまいました。
読んでくださった方、本当に申し訳ありませんでした。
「ガチャ。」
竹田が戸締りをし家を出る頃、時計の針は既に19時半を回っていた。電話を切ってから30分後という約束だったが、この分だと20分ぐらいは遅れるだろうか。その割にのんびりとした足取りで、自販機で缶コーヒーを買ってから車に乗り込んだ。郊外の幹線道路を軽快に飛ばして佳奈との待ち合わせ場所へ向かっていく、帰宅ラッシュのせいか日中や深夜に比べると幾分車の数は多い。少し車内はどんよりと暑さを感じるが、疾走感を否が応でも高めさせるユーロビートが大きな音で流れているせいか気分は悪くない。
「遅っせぇな。」
調子よく車を走らせていたが、場違いなほど遅い軽トラックが行く手を阻んだ。
「左走れよ。」
しょうがないので、一度左車線に入り遅い軽トラをかわして再び右車線に戻った。その後も竹田は軽快にエンジンをうならせながら気分よく車を走らせ、待ち合わせ場所のコンビニへ向かった。もっと車の数が多いと思っていたので大幅な遅刻を予想していたが、案外スイスイ走ることができたので軽度の遅刻で済みそうだ。と、その時ケータイが鳴った。
「うるさいな、もう着くって。・・・もしもし。」
騒がしいカーステレオのボリュームを一気に落として、竹田が怪訝そうに電話に出ると、受話器の向こうにいたのは山本だった。
「もしもし、お疲れ様です。いやいや、どうしたん、そんな切れ気味で?負けたんですか。」
「いや、今日は行ってませんよ。あなたは、勝ったんですか。」
「チョロ勝ちやって。『コンチ』でやられた後、『ドン2』が軽快に連チャンしてなんとかプラスにしただけやって。」
「いやいや、『コンチ』から『ドン2』に移動する辺りが堅実だが。」
話の途中で佳奈との待ち合わせのコンビニに着いた。時計の針は調度20時を指し示している。竹田は車を駐車場に停め、そのまま車内で電話を続けた。
「それでさぁ、竹やん。今からマージャンやらん?」
「いやいや、いまからかぁ。・・・ちょっと苦しいな。」
「いやぁ、無理ですか。」
コンビニの店内でファッション誌を立ち読みしていた佳奈は竹田の車が駐車場に停まったことに気づき、竹田が店に入ってくるのを待ったが、全然その気配がないので店を出て、竹田の車のドアを叩いた。
「ちょっとぉ、何分待たせるのよ。」
そう言いながら車内に入ろうとしたが、竹田が電話中だったのと、助手席のシートがあまりに散らかっていたので少し躊躇して、中には入ってこなかった。
「ごめん、山ちゃん。今ちょっと取り込み中でさ、またあとで連絡するわ。いやいや、マージャンは誰か他のキチガイでも誘ってください。」
竹田はササっと助手席にあった邪魔なものを後部座席に片付け、話もそこそこに電話を切った。車の外に目をやるとかなり機嫌の悪そうな顔がこちらを窺っている。竹田は車の外に出て佳奈に声を掛けた。
「悪い、待たせて。」
佳奈は怒りとも呆れともうけとれる表情をしている。
「もう30分近く待ったんだから。立ち読みするのに疲れちゃったよ。」
「ごめんごめん。これでもかなり急いで来たんだぜ。そもそもこの時間設定に無理があったんだって。」
「わかった、そういうことにいといてあげる。そのかわり、豪華なご飯をおごってもらうからね。」
「ったく、わかったよ。じゃあ行こうぜ。」
佳奈は車に乗ろうとしたが、竹田はタバコが残り少ないことに気づいたので、
「悪い、ちょっとタバコ買って来る。」
そう告げると、自販機でタバコを2箱買ってから竹田は車に乗り、アクセルを深々と踏み込み、二人を乗せた車はコンビニの駐車場を後にした。




