十三
1年以上も放置していて、また続きを投稿するなど、本当に虫のいい話ですがよかったら読んでください。
いないと思いますが、楽しんでいただいていた方、本当に申し訳ありませんでした。このところは少し投稿する余裕ができましたので、また少しずつ載せていきたいと思います。
大吾と隆正は15時頃大賑わいの『ヨンキョー』に着いた。
「おぉ、すげぇな。車止める場所もないんじゃないか。」
大吾はすっかり眠気が覚めていた。隆正は誘った側であるが少しまぶたが重たそうである。ただ隆正は普段から腫れぽったい顔をしているので、本当に眠くてダルいのかどうかはちょっと分かり難い。
「竹田君は今頃レポートか、しゃあない。俺らでサクっと出そうぜ。な、タカ。」
主に喋っているのは大吾である。隆正はあまり口を開かない。
「でも分からんよ。レポートとか言いながら竹田さんも後から来るかもな。」
隆正の声はいつもに増して低くて張りがない。
「そうだな、あの人もかなりの気違いだからな。」
そうこうしているうちに立体駐車場の3階に車を止めることができ、二人は1階のフロアに向かうためエレベーターに乗った。エレベーターが開きそこから少し通路を歩いたところにある店のドアを二人は期待を込めて開けた。やはりイベントということで店内はびっしり埋まっている。
「じゃあタカ、俺は『金太郎』行ってくるわ。」
「はいよ、じゃあ俺は・・・『マジックモンスター』でもやってくるよ。」
二人は別々のシマに向かい、各々が期待を膨らませ人並みの中に消えていった。
大吾はやっとのことで『金太郎』の空き台を見つけることができた。総回転3000でBIG4回バケ2回、どうみてもクソ台である。だが、大吾は迷うことなくその台に座り、サンドに千円を入れていった。
「AT機に設定なんに関係ない、引きのよさで勝つ。」
これが大吾の持論である。常々運のよさで収支をあげてきている、そんな経験に基づいた考えである。もちろん大吾とてスロットに関する知識はかなりのものがある。しかしギャンブルで最後にものをいうのは絶対的な運であろう。そのことを大吾は理解している。決して根拠や理論が全くないわけではない、運を呼び込み、また運を流れに乗せるための知識・作業は並々ならぬものがある。こういった面も大吾は持ち合わせているので、どちらかと言えば理論派の竹田や隆正も大吾と仲良くできるのである。
「さあ、今日も頼むぜ。俺の金太郎!」
傍からみても明らかにわくわくした様子が伺える表情で大吾はサンドに千円札を入れていった。データ機を見るとボーナス後300回転程である、明らかに低確率なのでまずはBIGを引かないと話にならない。サクサクと投資を強いられ6千円があっさり消えていった。少し気が落ちてきた493回転目、液晶にチャンスであるバイク演出のトンネルが出た。いつも大吾はBAR絵柄を枠内に狙う押し方をしている。力を込めて左リールを止めると、上段に青7が止まった。
「熱い!!」
ベルはずれでチャンス目以上確定である。さらに上段に青7がテンパイすればBIGか強チャンス目である。
「この演出でベルはないだろ。」
中リールに青7をねらい、力を込めて止めたが青7は中段に停止している。そのまま右リールも止めたが青7は上段で小Vの形で停止した。
「ちょっと、弱いか。」
低確率状態が濃厚なのでチャンス目にあまり旨みはない。液晶はケンカ演出に発展していた。レバーを叩き次ゲーム、1人目を倒した。何気なく目押しをしたが、リール上には左下BARからボーナス絵柄の小山が止まっている。しかし液晶を見ている大吾はこのチャンス目をめずらしく見落としていた。液晶上では2人目に殴られ金太郎が倒れてしまった。
「やっぱり低確じゃ入らねーよな。」
半ば諦めていたが、ここからの逆転演出が大吾は大好きなので、わずかに期待をしながらレバーを叩いた。
『金ちゃん!!』『椎名!』液晶にサングラスの男が登場した。
「よっしゃぁぁ!」
大吾は思わず叫んでいた、これでボーナスかATが確定である。爆裂AT機で投資6千円なら少ない方である。
「でもまてよ、バケじゃねーだろうな。」
ふと冷静になり考えてみると、低設定台の低確率ゾーンでATを引ける確率はかなり低い。一応チャンス目の次ゲームもその次もBIGをねらったが揃わなかった。液晶上ではケンカ演出が終わりルーレットになっていたが、それより早く黒いBAR絵柄を目押しすると下段に一直線に黒いラインができた。レギュラーボーナスである。大吾は熱くなったことが少し恥ずかしくなりサッサと消化した。『金太郎』のバケにはほとんど旨みはない、いわば120枚前後の子役である。下皿にはチョロチョロとしかメダルが溜まらなかったが、ここから大吾の引きの強さが存分に発揮されることとなるのである。




