日記6 がんばりがんばる
「カタカタカタカタ…」
…キーボードの音が響いてる。オーラなんかな…見惚れるな。
「カタカタカタカタ…」
なに書いてるかわからんな。周りにある資料とかも、見てるだけで頭痛くなるし…社長ってすげぇな。
「...りんくん! 終わったよ!!」
「おつかれ〜。じゃあ、水分取りにおりるぞ」
「うん!!」
水も言わないと飲まないし…そもそも、部屋の中に仕事以外の物はほぼないし、自室と分けてるぐらいだしな。オンオフが激しすぎ。
「はい、水。ゆっくり飲めよ」
「わかった!」
髪はほどけてない…やっぱ、いつものが似合ってるな。
「おかわりいる?」
「いる!」
でも、べつの髪型もみたいな…また今度にしよう。
「…さて。じゃあ、飯作るか」
「今日はなんなのー?」
「ハンバーグ」
「やったぁ!」
「あっ、そうだ。昨日、母さん来なかった?」
「え? りんくんのお母さん? 来てないけど…どうしたの?」
「なんか、俺が帰ったら行きそうな雰囲気をしてたからさ」
来たとしても、あの集中力じゃ気づかないか。
「…あぁ、もしかしたらポストに手紙でも入ってるんじゃないか? 取りに行ってみなよ」
「外にで…いやだ」
「すぐだろ。俺が行ったらハンバーグ食えないぞ」
「うぅ…わかった、いくよぉ……」
憂うつそうに歩いてるけど…ちょっとでも朝日を浴びてほしいからな。いいことがあるって聞いたことがあるし。
「もっ…もどってきたよ…」
「おつかれ、よくできました。なんか入ってた?」
「は…入ってたよ! ちゃんと手紙が入ってた!!」
「そうか。中身は何書いてあるんだ?」
「えっとね…えぇ〜…『たくさん歩けておめでとう。家の冷蔵庫に特製ポテトサラダがあるから、鷹凛と一緒に食べてね。』だって!」
「えっ初耳なんだけど」
「やった〜、りんくんのお母さんのポテトサラダおいしいんだ〜〜」
「まじか…瑠璃、手が離せないから家に行って取ってきてくれないか? カギは俺のポケットに入ってあるから、そこから取って行ってきてほしい」
「え…もう十分できたよね?」
「もうひと踏ん張りだ。食べたいだろ?」
「ん…うん…わかった……行ってくるよ………」
すまんな。
まあでも、歩くよりかは楽だし…大丈夫なはず。
「取れたか?」
「どのポケットなの?」
「ズボンの右側」
「えっと…あった!」
「おし。じゃあ、いってらっしゃい」
「ん〜…いってきます…」
瑠璃も瑠璃なりに頑張ってるし、ちゃんと褒めないとな。
むしろ、手紙を取りに行くだけで泣かなかったのは成長か。
…大丈夫かな?




