日記5 憧れの君は
「ふぁ…ああ…」
よく寝た。
とりあえず、顔洗いに下におりるか。
「…おぉ。鷹凛、おはよう」
「えっ…父さん、おはよう…てか、久しぶり」
「久しぶり…いや、本当に。1カ月か? 家が同じなのに会えないなんて…父さん寂しかったぞ」
「だるいって。いや、俺も顔見れてなかったから心配してたけど…声聞けて良かったわ。じゃあ、いってらっしゃい」
「あぁ…そうか。では、行ってくるよ」
父さん…なんか疲れ溜まってんな。
「鷹凛ー、私も早めに出るから戸締りよろしくね~」
母さんも玄関に来たけど…
「なにかあったの?」
「特にないのだけど…昨日、お店の仕込みするの忘れちゃった」
「…またやったんだ」
「やっちゃった」
「まじかよ…」
「ごめんね〜。今日も朝昼同じで瑠璃ちゃんと食べるんだよね?」
「うん、そうだよ」
「わかったわ。じゃあ、いってきます」
「いってらっしゃい」
…さて、瑠璃んとこ行くか。
今日は起きてるのか…いや、なんか起きてそうだな。
「…顔を洗って着替えるか」
パパっと仕上げて外に出たら、勘は命中してたな。
「…明かり、ついてるな」
カーテンから明かりが漏れてるな。
「寝てくれたら楽だけど…とりあえず、家の中に入るか」
開けたけど…やっぱり、部屋の中は変わってないな。水を取りに来た形跡もないし…ぶっ通しか。
「瑠璃ー、部屋開けるぞー」
2階の作業部屋の前で叫んだのに…扉1枚で聞こえないのか?
どんだけ集中してんだ?
「はぁ…そこは本当に憧れるよ。じゃあ入るぞー」
居た。部屋の中に居た。パソコンでカタカタやってるね。
「瑠璃、来たぞ。もう終わりだ」
「…」
「…瑠璃。なぁ、聞こえてる?」
「…」
ヘッドホンはしてないし、イヤホンもしてない…視界ふさぐか。
「…瑠璃!」
「わぁぁ!!!」
おっ、効いた。毛布で顔を覆ったら気づいたぞ。
「えっ…なに!? なになになに!!??」
「瑠璃ー、朝です。寝る時間です、過労です、終えてください」
「え…りんくん?」
「おう、また寝てないか確認しにきたぞ。今日で連続記録更新だな」
「え…えぇ…りんくんだったんだぁ〜……」
あっ、スイッチ切れたな。
「りんくん驚かさないでよ〜〜!! 私びっくりしたじゃ〜〜〜ん!!!」
「お〜お〜、泣け泣け。泣いて疲れて寝てくれ」
「あぁ〜〜〜!!!」
やりすぎたかな…抱きついてきてるし、次からはもっと柔らかくするか。
「…りんくん」
「ん〜?」
「来てくれてうれしいけど、きりよくないからやっていい?」
「…隣で見とく。だから、仕事を終わらせろよな」
「うん!! ちゃんときりよく終わったら止めるよ!!!」
「おし、じゃあ隣にいとくから」
「わかった!! ありがとう!!!」
ほんと…すごいやつだな。




