日記24 部屋の空気
「ガチャ」
「お…おじゃま…しま…す……」
「普通に入れば?」
「わ…わかった!」
デジャヴ…てか、部屋入るだけなんだけどな。
「すごぉい…りんくんの部屋、キレイだね!」
「掃除してるしな。ほら、クッションあげる」
「ありがとう!」
部屋に来たいと言われたけど…本当に遊び道具とかはなにもないんだよな。あってモニターぐらいか…たまに大画面で見たいときに使うから、チャンネルとかは入ってないけど。
「…りんくんの匂いがする……!」
「俺のだもん」
瑠璃の服と同じ洗剤だけどな。あれかな、シャンプーとかボディソープとかが違うのもあるのかな?
「…それで、部屋に来たけど感想は?」
「……なにもないね」
「それはどうも」
「…りんくん、趣味はないの?」
「趣味なー…おすすめされた作品を観るとか?」
「されなくなったらなくなるじゃん」
「それもそっか」
思えば、特にないな…あったほうがいいよな。
「…あっ、そうだ。明日さ、部活行くから会うの遅くなるぞ」
「部活…りんくん、行ってなかったの?」
「うん。去年の始めは行ってたけど、ヘトヘトになるから家事に身が入らなくてさ。それで行かなくなった」
「…それ、りんくんはいいの?」
「いいからこうしてるんだよ」
「……ありがとう………」
クッションに顔突っ込んでる…腹減ったのか?
「瑠璃、ご飯はなにがいい?」
「…今はいい」
「わかった」
…クッションから離れないな。そんなに気に入ったのか?
あれ、そういえば……
「…瑠璃、それあげるよ」
「…へ?」
「それ、あげる。寝る時に使いなよ、抱き枕として」
この前、寝相悪くて落ちたもんな。ちょうどいいや。
「あ…ありがとう……?」
「それ持って寝て、床に落ちないようにしろよ」
「わか…な、そういうこと!?」
「そういうこと。これはいやか?」
「ちが…でも……う〜…それなら大丈夫!!」
「わっ!」
投げられたんだが。
「…瑠璃、投げたな?」
「……あっ…ごめ…りんくん、えっとぉ………」
「こっちには、クッションが3個ぐらいあるんだけどなぁ?」
来客用でいくつかは買ってたが…ラッキーだな。軽く投げるか。
「り…りんくん! わた…あの…ご、ごめんなさ…ワプッ!」
当たって足から崩れた。
あと2個あるし、乗っけるように投げよ。
「…り…りんく…ボフッ!」
「これはいらないみたいだし、またいいの見つけたら買っとくよ」
「…プハッ! りんくぅん……」
目がうるんでるけど、頬をふくらませてるな。
「…怒った?」
「…おこってない!」
「そっか。さっきも言ったけど、またいいの見つけたら買っとくよ」
「ありがと!!」
「…ハハッ」
こんな瑠璃、ひさしぶりだな。
「…りんくん、笑った?」
「え? うん、瑠璃が面白かったから」
「…な………そっか…そうなんだぁ…!」
あれ? 嬉しそうな顔してる…?
「りんくん、私おなかすいたー!」
「夜ご飯食べるか?」
「おかしがいい!」
「そうだな…軽くならいいか。取ってくるよ」
「私が行く!」
「え、なんで?」
「お手洗いも行きたいから、大丈夫!」
「…おぉ、わかった。キッチンの端の引き戸にあるから、好きなの取ってきな」
「わかった! 行ってくるね!」
なんか…変なの。
「…この間に、明日の準備でもしとくか」
お菓子、なにを選ぶかな?




