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日記20 午後の学校

「キーンコーンカーンコーン」


…よし、4時間目が終わった。


啓真(けいま)、1組に行ってくる」

「りょー。なら、(はやて)も連れて3人で食おうぜ」

「いいな。じゃあ、さそってくるわ」


 ちゃんと教室にいるかな…終わったばっかだし、大丈夫か。


「あっ、高木(たかぎ)く〜ん!」

「ん? 篠原(しのはら)、どうしたんだ?」

「体操服、忘れたんだって?」

「え…なんでそこまで知れ渡ってるんだ?」


 止めてくれよ…それ、普通に恥ずかしいんだけどな。


「クラス全員が知ってるよ」

「えぇ…」

「てなわけで、私の貸そうか?」

「…え?」


 え…?? まっ…え???


「大丈夫…です。ていうか、そもそもサイズが合わないし」

「え〜、私もウワサの洗剤の匂いをかぎたいのにな〜」

「…まじかよ……」


 あんたもかいな。そもそも、着てる服から匂いがわかるはずだけど?


「ちなみに、私のはオーバーサイズだから、高木くんにはぴったりだと思うけど?」

「遠慮しとく。男子の体育に女子の体操服を着てみろよ」

「…笑けるね」

「笑いものにするな」


 それは普通に嫌なんだが。


「それに、当てはあるから」

「…もしかして、朝日奈(あさひな)くん?」

「よくわかったな。借りるついでに、昼をさそいに行くところだ」

「え〜…でも、みんなのアイドルをひとり占めするのはな〜」

「一人じゃねぇよ。啓真もいる」

「啓真もなんだ」

「そうだよ。てか、篠原の体操服を借りたら啓真に怒られそうなんだけど」

「んー? 大丈夫だよ。高木くんなら許すと思うし」


 えぇ…カップルって、こんなもんなんか…?


「…ということだから、俺は今から1組に行く。クラスのやつらにも言ってくれ」

「は〜い、じゃあね」


…てか、そもそも、どこからそのウワサが流れたんだよ。


「…忘れないようにすればいいか」


 根本を絶てば大丈夫だろう。


「ガラガラ」


「…いた、颯ー」

「ん? 鷹凛(おうりん)じゃん! どうしたの!?」

「次の授業が体育なんだけど、体操服を忘れてさ。貸してくれないか?」

「良いぞー。珍しいね、何かあった?」

「それは昼を食いながらにしようぜ」

「オッケー。じゃあ、行くか!」


〜ちょっとして〜


「…あっ、颯、ヤッホー」

「啓真、ちっす〜。優勝おめでとう!」

「サンキュー。じゃあ、昼食おうぜ」


 3人で座ったけど…なんか、めっちゃ視線を感じるな。


「啓真が優勝したってことは、鷹凛が部活来るってことだよな?」

「え、なんで颯も知ってるんだ?」

「啓真から聴いた。最近、鷹凛が来ないーって寂しがってたぞ」

「そっか…でも、俺も他にやりたいことがあるしな〜」


 瑠璃(るり)な〜…てか、寝たかな? 気になるー…


「…あっ、啓真。昨日、お兄さんと会ったよ」

「おん、聞いたぞ」

「へー、そうなんだ」

「颯は知らんよな。昨日、ピザを頼んだら啓真のお兄さんが来たんだ。俺は宅配し終えた時に見たけど」

「…ん? 俺()? 鷹凛、他に誰かいたのか?」

「ほんとじゃん。兄さんからは、鷹凛に会った、しか聞いてないぞ」

「…あっ、そっか……」


 そう言えば、瑠璃のことを話してないな……


「…ピザを受け取ってくれたのは、俺の幼なじみなんだよね。その帰りに、俺が見たってこと」

「えー! 鷹凛、幼馴染いたの!?」

「鷹凛、お前まじか!?」

「うん、そだよ」


 2人にこんなに驚かれるとは…


「…あれ? てことはさ…もしかして、兄さんが言ってた、震えながら受け取った小学生って…」


 小学生…小学生? もしかして、瑠璃か?


「多分…そうだな」

「マジか…こんな奇跡があるんだな」

「え〜…2人とも、凄いね」

「そうだな」

「そっか…じゃあさ。兄さんが言ってたことを、鷹凛が幼なじみちゃんに伝えといてよ」

「え? いいけど…」


 伝えたいこと? そんなに話したのか?


「たしか…『防犯対策を広く知ってもらいたいな…』だってさ」

「アハハッ! 啓真、それ独り言じゃん!」

「でもさ、伝えたいことではあるだろ? 鷹凛、よろしくな」

「えぇ…わかったよ」


 これ…瑠璃、完全に小学生だと思われてるよな…俺と同い年なのに。



〜少しして〜



「ごちそうさまでした!」

「ごちそうさーん」

「ごちそうさまでした」


 食べたな…やっぱ、母さんのはいいな。


「鷹凛! はい、体操服!」

「あっ、ありがとう」

「それで? 忘れた理由は?」

「颯。こいつ、アニメ観てて寝坊したんだぜ。遅刻ギリギリで、さらに体操服も忘れたとよ」

「自業自得だけど…まあ、間に合ったしセーフだね。何のアニメ観てたんだ?」

「颯から教えてもらったやつ。昨日、テレビでダイジェストをしててさ」

「え!? 観たかった〜〜……!!」


 机にうつ伏せてる…そんなに好きなんだな。


「それを、さっき言った幼なじみと観てたんだよ。それで寝るのが遅くなった」

「そゆことね〜…」

「俺も見入ってたしな。2人そろってその時間まで観てたよ」

「…まあ、気に入ってもらえたみたいで良かったよ」


「キーンコーンカーンコーン」


 あっ…予鈴だ。


「颯、そろそろじゃないか?」

「本当だ…じゃあな!」

「お〜、またな〜!」


 行った…あっ、女子に絡まれてる。群がった、男子も来た…


「…いや、騒がしいな」

「さすが、みんなのアイドルだな〜」

「颯…困ってね?」

「通れなさそうだしな…鷹凛、行く?」

「行くか…」


 あのままだったら、颯も間に合わんよな。


「颯ー! たしか、次はテストだよなー!?」

「あっ!? そうだ!! 皆、ごめん!! 俺テストだからまたな!!」


 行った…今度こそだな。走ってないけど。


「鷹凛ー、着替えようぜ」

「そうだな。着替えるか、体操服に」


 借りた貸しはこれでチャラかな…いや、あいつの好きないちごみるくを奢ろう。


「…購買行くか」

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