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日記19 午前の学校

「あぁ〜〜〜………」


 間に合った…ギリ…マジでギリ。家が近くてよかった〜……


「よっ、鷹凛(おうりん)! どしたの?」

「…あぁ、啓真(けいま)、おはよう」

「おはよ! で、どしたのって?」

「寝坊してダッシュした」

「え〜! あのお前が? えー、めずらしいな」

「まあな…アニメ観てたからかも…」


 てか、思えば瑠璃(るり)は開始が遅かったのに今日の分をやり遂げてたのか…恥ずかしくなってきたな。


「昨日の…あぁ、最近話題のやつね。俺も観たかったなー」

「あれ? お前好きだったよな? 観なかったの?」

「俺は昨日大会だったんだよ」

「あー…県大会だっけ?」

「そうだぞ。てか、その反応的に約束は覚えてなさそうだな…」

「ん? 約束?」


 そんなのあったっけ?

 そもそも、約束をできるだけしないようにしてるはずだが…


「俺が大会で優勝したら、お前は部活に来るって言ったんだけど。覚えてるか?」

「…」


………あっ!


「思い出した。夏休みだっけ?」

「そうそう! 夏の合宿にお前を誘った時だよ」


 あ〜…言ったわ。

 たしか、あの時は瑠璃の家の掃除をしたくて急いでたんだよな。でも、こいつが呼び止めてなかなか離してくれなくて…それで半ば強制的に…あれ?


「ちょっと待て。その約束は大会で優勝したらだろ? お前、優勝したのか?」

「そうだぞ。俺は優勝した。だから来いよ」

「…え?」


 えぇ…え〜…えぇ……


「…おめでとう」

「サンキュー。じゃ、今日の部活来いよな!」

「え、今日!?」

「そ、今日」

「ちょ…ちょっと待て! 今日は無理だ! そもそも体操服がないし…」

「え? 今日は体育があるのに?」

「…え?」


 体育…ある…あっ、今日は月曜じゃん。


「……忘れました」

「アハ、ドンマイ」


 やらかした…なんか、今日グダグダだな……


「てかさ。お前、今日やばくね? なに、明日雪でも降るのか?」

「俺をなんだと思ってるんだよ。忘れ物ぐらいするぞ」



 初の遅刻ギリギリと年に一回する忘れ物がかぶっただけだ…そうだ、なにもおかしくはない。


「そっか、体操服忘れたんか…じゃあさ、俺の体操服を…」

「えっ、鷹凛、お前体操服忘れたの?」

「まじか! ラッキー!」


 ん? なんか人が集まってきたな…


「なんだよ、お前ら俺をバカにしに来たのか?」

「半々かな」

「今言ったやつジュース買ってこい」

「口閉じまーす」


 あいつか…


「…で、なにしに来たんだ?」

「体操服を貸そうと思ったんだよ。その競争だ」

「えっ、なんで? 俺らは同じ教室だろ? お前らもいるじゃん」

「予備あるし、お前は洗濯して返してくれるし」

「まあ…洗濯はするけど」


 借りたしな。最低限のお礼の気持ちだし。


「鷹凛、俺のにしろよ。サイズはデカいけど」

「啓真もか」

「お前に貸した体操服が返ってきた時、めっちゃいい匂いするしな」

「は? おい、俺らの関係は洗剤かよ」


 マジかよ、匂い目当てて。


「…あっ、もしかして、お前らも洗剤目当てか!?」

「そだよ。それ以外ないじゃん」

「はぁ!? ふざけんなよ! いいぞ! 俺は他に当てがあるからな!」

「あっ、鷹凛、待てって! ごめん、半分ウソだからさ!」

「半分本当かよ!」


 現金なやつらめ…!


「キーンコーンカーンコーン」


「あっ、チャイムが鳴ったな…鷹凛! 体育は午後だから考えてくれよ!」

「気持ちだけにしとく!」


 たく…チャイム鳴るまでねばられたし……


「…で、啓真はまだ交渉か? 席が前だし」

「え? いや、どうせ(はやて)に借りるんだろうし、もういいかなって」


 啓真…!


「話が早くて助かるよ。さすがは友人だな」

「じゃあ、俺の体操服さ。お前のとこで洗濯してくれよ」

「甘えんな」


 やっぱ俺らの関係は洗剤かよ!

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