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違和感との出会い

扉を開けると、まず目にとまるのは大きなピアノ。特に変わったところはない。黒板も問題なし。血文字があることがあるらしい。


「気味が悪いな」


机やピアノなどは普通の音楽室だが夜だったため薄暗く異様な雰囲気に包まれている。


「肖像画は……特にないよ」


その瞬間、音楽室に突如、ピアノの音が響く。


「きゃっ」


真奈香がその音にびっくりして屈み、耳を塞ぐ。俺もびっくりしたため心臓の鼓動が数秒経っても速い。神山もそうだろう。


「あ、ごめんね」


美優が謝る。どうやらこの音の原因は美優のようだ。原因が分かっても心臓は収まらない。


「やっぱりおかしなところないね、ピアノ」


俺たちの気も知らずに呑気に言う美優。


「次はどこ行こっか」


さらに美優は次のことを考え始めた。


「次の場所ではやらないでね」


真奈香が注意する。ほんとにやめてほしいものだ。寿命が縮んでしまう。


「おい、神山いくぞー」





半ば無理矢理神山を連れてきたのは保健室。

ここも欠かせない場所だろう。中学校に来て40分、緊張感も減ってきたため平然と扉を開ける。すると薄気味悪い骨格標本が俺らを迎える。一瞬驚いたがピアノ程ではなかった。


「わっ」


神山が骨格標本をみて一瞬驚くが骨格標本と気づくと胸をなでおろし周りを見渡す。

おれも周りを見渡すがここも特に変わったところはない。ベットの周りに掛かっているカーテンを開けるが特になし。ベットの下も特になし。


「やっぱりなにも起こらないな」


「そうですね」


その後も階段の数が登る時と降り時が違うか調べたり体育館に行き、死んだ男子生徒がバスケットボールをする音がするか調べたりしたが特に面白いことはなかった。


「帰るか」


時計を見ると時刻は23時になっていた。


「そうだね」


そのまま俺たちは昇降口に向かうことになった。


「おい、美優どうした? 」


「いや、なんでもないよ」


妹のようすが何かおかしい気がし不安を感じた。俺たちはスマホのライトで廊下を照らし昇降口に向かった。来た時は感じなかった中学校の懐かしさを感じる余裕が俺には出来ていた。


「じゃあ、お兄ちゃん、バイバイだね」


美優はそう言い微笑んだ。その微笑みはどこか寂しさを感じさせた。


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