2、隣国の姫君。
鏡の前で、美しい紫の髪をした女が、今日の日のために、化粧を施されていた。
今は、侍女の手によって、より美しく見えるという、最近売り出されたアイテムを急いで手に入れさせ、装着させようとしていた。
しかし、不慣れなアイテムは、なかなかに難しかった。
それでも何とか苦戦しながらも装着し終えると、女は再び、鏡の中の自分を覗きこんだ。
鏡の中の自分は、苦戦した跡も窺えるが、しかし、美しさもそれなりに増しているように見えた。
「どうかしら?」
「ええ。とてもお美しいです。レオナ様。」
ふうん♪
美しいと言われれば、レオナも多少機嫌を上げた。
「アルテミス。 今度、このつけまつ毛とやらを開発した者を呼びなさい。」
「えっ? はい。えっと、どうされるのですか?」
アルテミスと呼ばれた侍女は、レオナのその言葉だけで、その身を震わせていた。
それも無理はなくて、レオナは少しのことでも機嫌を損ねると、大激怒。
姫であるのに、父王からの血筋がそうさせるのか、周りの者の、手に負えなくなることもしばしば。
そんな姫の結婚が決まったとなり、姫の国の城内は、密かに歓喜に浸っていた。
姫が嫁げば、その癇癪に付き合わされずに済むと。
ただ、相手の王子には同情していた。
容姿の美しいレオナだが、調べさせればすぐにその性格の、気性の荒さはわかったのではないかと。
「どう付ければ、より美しく見えるか、開発者本人にレクチャーしてもらうのよ。」
そう言うレオナは、ふふん♪と上機嫌だった。




