31、だって女の子だもん。
翌朝、柚とロージアは、王都の街を見て回ったが、これといって新しい異世界人の情報は手に入らなかった。
柚自身は、街の人達の、昼間の姿が見れたことに意味があったようで、こらからのつけまつ毛の製作のヒントがあったと喜んでいた。
ロージアには、
もうすっかり職人が板についたなあ。ユズは、商人の素質もあるかもね。
と、言わせた。
ジルも合流し、3人は昼前には王都を発つと、なんとか日が落ちる前には、森の家に帰って来ることができた。
森に戻った3人は、また品物作りに没頭する毎日を送った。
相変わらずジルは、健気に1日置きに柚にカーボンを届けに来て、ロージアは仕事に手を動かしながら、そんな2人のやり取りを見守った。
そうして一週間が過ぎた。
その日は、この国の王子が、隣国の姫君との結納の儀を行う日。
結納の儀は、王宮敷地内にある、伝説の巫女の泉で、執り行われる。
それが、この国の王族の仕来たりなのだが、特に、今日、結納の儀を執り行う王子 クロス には、その場所が思い入れのある場所だとか。
「神聖な泉で行われる、結納の儀かあ。 私も見てみたいなあ。」
そう、憧れの眼差しで言う柚に、ロージアは苦笑しながら、
「無理だよユズ。 厳粛な儀だからね。部外者は立ち入り禁止。」
「そうなのかあ。 ロージアは結納品を作ってる、王宮付の鋼職人なのにダメなの?」
「ダメだなあ。」
そう言って、2人はクスクス笑った。
他愛の無い時間が 過ぎていった。




