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第三章 ダストバレの街 Ⅶ

                    〈第三章 ダストバレ区 Ⅶ〉

 「手袋も持って行ったほうが良いよ!」

 奥の部屋から目鼻立ちがはっきりとした若い青年が出てきた。

 「そうなんですね‥‥‥ありがとうございます」スコットは軽く会釈をした。

 「ひょっとして君も今日来たばっかの新入りかい?」若い男が尋ねた。

 「はい。今日が初めてです」

 「実は僕もなんだ! 一緒に倉庫まで行かない?」

 「いいね。ところで君の名前は? 僕はスコット」

 「僕はジャッグ。ダストバレ区南部から来た」

 スコットは親しみやすい人と出会えてほっとしていた。

 「ジャッグはどうしてここへ来たの?」スコットは尋ねた。

 「それは‥‥‥このダストバレから出るためさ」ジャッグはひっそり言った。

 「ここを出る? どういう意味だよジャック!」スコットは即座に尋ねた。

 「この倉庫の向こうに‥‥‥どうやら海が見えるみたいなんだ——僕はぜひ見てみたい。外の世界とやらを‥‥‥」スコットもジャッグの言葉に興味を持った。

 「僕も見てみたいな。その‥‥‥外の世界を」スコットが言った。

 「一緒に見に行こうよ! そして一緒に外の世界へ行こう!」

 ジャッグはやけに舞い上がっていた。

 「うん。きっとだ」二人には何やら硬い友情のようなものが結ばれた。


 扉を開けて出ようとすると——ダックレスが腕を組んで待っていた。

 「遅かったじゃないかスコット。もう作業時間は始まっているんだ!

ん?‥‥‥そこの横にいる君は?」ダックレスは指をさした。

 「彼と同じく今日からここで働くことになったジャッグです。よろしくお願いします」

 「あぁ、よろしく。所長のダックレスだ。じゃあ、この際二人まとめて作業の説明を行う。一階へ移動するから着いてこい」二人はダックレスについて行った。

食堂はもうすっかりガラ空きだった。残っていたのは、朝食を食べている厨房のコックたちくらいだった。階段を降りると、さっきまで朝食を取っていた大勢の人が精を出して働いていた。スコットたちは人波の中を掻き分け、ダックレスに着いて行き、奥の個室へ案内された。

 「この『ロックラウ工場』では主に三種類の仕事がある。一つ目から順番に、配送業、貨物業、運送業の三種類だ。だが、訳あって貨物業は今廃止されている。だから、これから二人には運送業の仕事をやってもらう。仕事内容は船に荷物を運ぶだけだ」

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