第三章 ダストバレの街 Ⅵ
〈第三章 ダストバレの街Ⅵ 〉
——そう話しているうちに目的地が見えてきた。何やら巨大な倉庫のような場所だ。
「さぁ着いたぞ。荷物を運べ」
馬車から荷物を下ろし、向こうから誰かがこちらへ向かって来た。
「おはようございますムネパレットさん。昨日の議会お疲れ様でした」
黒いコートに作業服を来た中年の男がムネパレットに話しかけた。
「久しぶりだなダックレス! 何年ぶりかな」
「お久しぶりです。あれからだいぶ経ちましたからね。で、後ろにいる彼が‥‥‥」
ダックレスがスコットの方に視線を向けた。
「あぁ、そうだ。今日からここで働くことになった若い青年だ」
「初めましてスコット君。所長のダックレスだ。話はムネパレットさんから聞いている」
「こちらこそ、ここに来て初めてですが‥‥‥よろしくお願いします」
スコットははにかみながら言った。
二人は軽い握手を交わし、スコットはムネパレットと別れ、ダックレスへ付いて行った。上を見上げると、黄土色のレンガが一ブロックごとに
積み上がっていて、何やら紐のようなもので一つ一つ結び付けられていた。
「さぁ案内しよう! 仕事内容は簡単だ。すぐに覚えられる」
大きい正面玄関を入るとそこは巨大な物流倉庫だった。
「ここ一階が主な仕事場だ。各役割によって作業は異なるが、どれもそう難しくはない」見渡す限り端から端までびっしりと荷物が錆びた棚に並んでいる。棚の上には字は読めないが、種類ごとに分けられているのは確かだ。左へ曲がると奥には赤煉瓦の階段があった。ダックレスに続いて二階へ上がると、広い食堂のような場所に出た。そこでは、大勢の人が賑やかに朝食を取っていた。
「そしてここが、全労働者が集まる大食堂だ。その奥を真っ直ぐ突き進むと各階ごとに居室が並んでいる。君は一番奥の緑色の扉に入って着替えてこい。そこに新入り用の作業服がある。大きさは自分で調節しろ」ダックレスの説明が終わり、スコットは言われた通り食堂を抜けて汚れた緑色の扉の前まで着き、軽くノックをして入った。左横の木の棚には、綺麗に服が細部ごとに分けられて置いてあった。グレーの長袖シャツに焦茶色のズボンを履き、動物の皮で作られたようなベルトを締めた。
着替えが終わり、部屋から出ようとした時——




