第三章 ダストバレの街 Ⅱ
〈第三章 ダストバレの街 Ⅱ 〉
空はどこまでも空一面に雲が広がっていた。
「スコット‥‥‥まだ起きてるか?」スンケルが言った。
「‥‥‥まだ起きてます」スコットが返事した。
「この街ではやっていけそうか?」
「えぇ、ぼちぼちですね」スコットが苦笑しながら答えた。
「そうか。確か人を探してるんだったよな‥‥‥きっと見つかると思うよ」
「はい。そうですね」スコットは少し安心した。
「ところでスンケルさんは、ずっと農業を営んでいるのですか?」
スコットはふと聞いた。
「まぁな。だが俺はいつかこの街を出て行く。その後は、コールシナ区に行くつもりだ。こんな田舎町とっとと出て行ってやる」
「コールシナ区では何をなされるのですか?」
「そうだなぁ‥‥‥料理店でも開こうかな!」
スンケルが得意げに言った。
「楽しみにしてます。‥‥‥いつか食べに行きますから」
「おいおいなんだよそれ。お前は食うだけかよ!」
スンケルが笑って答えた。
「なら‥‥‥一緒にこの街を出ないか?」
「え? 」
スコットは少し戸惑った。少し間が空き——
「いえ。僕はこの賑やかな街が‥‥‥なんだか落ち着きます」
「そっか。変なことを聞いたな——」
「いえ‥‥‥」
「ところで、カローナとはいつから知り合いなんですか?」スコットが尋ねた。
「彼女が十歳くらいのときにここへ引っ越してきてからだな。だが、カローナの
父親は大学の教授をやっているらしい。なぜこんな田舎街へ引っ越してきたのかは
謎だ」
スンケルは枕の位置を変えて体を捻りながら言った。
「スンケルさんはいつも一人でここに?」




