第二章 迷いの国 Ⅸ
〈第二章 迷いの国 Ⅸ 〉
「さぁな。伝説上の存在ってことにしとこう」
最後は投げやりな感じだった。
馬車の音がしてムネパレットが議会から戻ってきた。だいぶ早くに終わったらしい。
後頭部の席には何やら大きな荷物を積んでいた。買い出しにでも行っていたの
だろう。
「やぁ、カローナ来ていたのか! 元気そうじゃな‥‥‥」
ムネパレットが笑顔で手を振って言い放った。
「ムネパレットこそ元気そうね」カローナが笑顔で答えた。
「フフフ‥‥‥相変わらずじゃ」
話しているうちに、だんだんと街灯の光が暗くなってきた。
気付けば街は静間に返っていた。見渡す限り、立ち並ぶ家の明かりが外の地面を照らしていた。
「もうこんな時間! 明日学校なんだった! もう帰らなくちゃ。またねムネパレット、スンケル、それにスコット!」
カローナは走り出して帰って行った。
「明日、寝坊すんなよー!」スンケルが口に手を添えて叫んだ。
「‥‥‥もうこんな時間か。本当にすまんなスコット。話は明日じゃ。
スンケル‥‥‥すまんが、スコットを一晩止めてやってくれないか?」
ムネパレットが尋ねた。
「えぇ、構いませんよ」スンケルが鍬を片づけ出した。
「スコット! 手洗って机で待ってな。食事用意するからよー」
スコットは土まみれの手を近くにあった水が入った桶で洗った。
「分かりました。では、ムネパレットさん今日はありがとうございました」
スコットが言った。
「うむ。何もしてやれんで申し訳ない‥‥‥また明日! 良い日を!」
ムネパレットが軽く手を振って馬車に戻って去っていった。




