第二章 迷いの国 Ⅴ
〈第二章 迷いの国 Ⅴ 〉
少し移動し、スンケルに指示されながら、種まきを手伝うことになった。
「土を少し掘って、この種を埋めるだけでいいから」
しばらくしてスンケルが尋ねた。
「スコップだっけ?——どこからきたんだ?」
「スコットです‥‥‥。自分でも‥‥‥よく分からないんです」
スコットは種まきを中断して答えた。
「‥‥‥そうか。どうから来たのか分からないんじゃ仕方ないな」
その時スコットはハドソン社長のことを思い出した。
「実は人を探しているんですが‥‥‥」スコットは強く尋ねた。
スコットは白髪混じりの短髪にちょび髭を生やしているなどと
ハドソン社長の特徴を言いながら説明した。
「‥‥‥なるほど。だが、すまない。人探しは苦手でな、他の人にでも聞いて
くれ。なら、明日市場へでも行くといい。あぁ、そうだ! いいものがある。
スコットちょっと待ってろ!」スンケルが突然駆け出して家へ入っていった。
スコットはそのまま種まきを続けた。ふと思った‥‥‥。
太陽もないのにどうやって植物を育てているのだろう。スコットには不思議だった。
少し掘った空洞に種を入れようとした時——
「もっと深く掘らなきゃ!」
後ろから中ぐらいの女の子がスコットに話しかけてきた。
髪は茶色がかった長い髪で、ブロンズ色の厚底の靴に、白の綺麗なシャツに
ジャンパースカートを着ていた。どこか上品さがあった。
「キミは?‥‥‥」スコットが尋ねた。
「あたしカローナよ! あなたは?」
「僕かい? 僕の名はス——」
「彼はスコットだ!」
スンケルが戻ってきた。
「やぁカローナ! 学校の調子はどうだ!」
スンケルがカローナに話しかけた。




