第二章 迷いの国 Ⅳ
〈第二章 迷いの国 Ⅳ 〉
服装は、白のリネンシャツに、濃い茶色のレザー製のウエストコート。
バックルの付いた黒い革靴を履いていた。
「ちょっと出かけていてな」男が言った。
「そうか‥‥‥さっき会長さんが、じいさんに資金の支払いを依頼しに来ていたんだが」
「分かった。また後で伺うよ」
「ところで、そこにいる人は?」若い男がスコットの方を指差した。
「今連れてきたところだ。あ、すまない! まだ名前を聞いていなかった‥‥‥」
「俺はムネパレット。街で議会をやっている。そしてコイツがスンケル。
力自慢の男だ」
若い男はスコットに軽く頭を下げた。
「僕は、ブランドリー・スコット」
「ブランド‥‥‥スコット?」若い男が尋ねた。
「ブランドリー・スコッ‥‥‥」
「分かった! じゃあ君のことは、これからスコットと呼ぶが、いいか?」
スンケルがうずうずしながら尋ねた。
「スコット‥‥‥いい名だな」ムネパレットが答えた。
「えぇ‥‥‥構いません」スコットは答えた。
「ムネパレットさん‥‥‥そろそろ会議の時間じゃ‥‥‥」
家からカゴを持った老婆が尋ねた。老婆はこちらを向いて会釈して家へ戻って
いった。
街では賑やかに人々が暮らしていた。走り回ってる子もいれば、仕事をする勤勉家も。
「あぁ、そうじゃったな!」ムネパレットは思い出した。
「スコット! すまないが帰ってから話そう。スンケル! 後は頼んだ」
ムネパレットはせかせか走りながら馬車を停めた。
そこにいる馬は、立派な角が二本生えていて、毛が綺麗に白く、鼻と尻尾が黒く、
手足の先っぽも黒かった。背筋がよく綺麗な顔立ちだった。
「評議会前まで頼む!」
ムネパレットは馬車に乗って去っていった。
「‥‥‥まぁ、じいさんが戻ってくるまで、少し作業を手伝ってくれ」
スンケルが言った。
「こっちへ来てくれ! 家はすぐそこなんだ」




