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こちら宮城県警 転生者対策課!  作者: 阿野 良教
暴け!転生者対策課!

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四十八話 結構なんでもあるみたいだし

「この施設の中のことならぁ、なんでもわかるんですよぉ。なんせ立ち上げたのは()ですからぁ!」


 得意げに語る桐生院に辟易としながらも、ノレンの歩みは止まらない。そういえば麗が探している人物の特徴を聞きそびれたなとスマホを取り出し、そこで連絡先を交換していないことに気が付いた。


 顔合わせの時に聞いとけばよかったなぁと一瞬後悔したものの、まぁ近くに正一郎もいるだろうと思考を切り替え正一郎に『探してる今野ってどんな奴か横にいる奴に聞いてくれ』とショートメッセージを送る。


 正一郎も暇していたのかすぐに特徴が返ってきた。曰く『身長は小さく、体は太く、髪の毛は短髪で、人生に絶望してそうな感じだそうだ』とのこと。配慮も何もない、麗らしい言葉選びに分かりやすくて助かると思ったノレンは、とりあえず今来た情報を桐生院に共有したほうがいいかと顔を向けた。


「どうしましたかぁ?お手洗いですかぁ?それなら」


「ちげぇよ!……今野の見た目が分かったんだ、アンタにも言っとく。なんつうか、身長は小さくて太ってて、髪の毛は入信時には短髪、人生をあんまり楽しんでなさそうなやつなんだと」


 桐生院のマイペースさに丁寧なガワが剝がされながらも、ノレンは正一郎に言われた内容をちょっとだけ丸くして桐生院に伝えた。


「うーん、そう言われてもぉ、私も常に入信してきた方を張っている訳でもありませんし、分かりませんねぇ……」


 ノレンの本性など気にも留めない形で桐生院が答える。こんなにマイペースな奴だったら自分を偽る必要もなかったなとノレンがちょっと後悔している中、桐生院が施設の説明を開始する。


「この教団は、外に出なくても建物の中で完結するようにできていますぅ。流石に畜産までは手が出なかったので外部の力に頼っていますが、最悪外の世界が滅んでも生き残れるように大豆などのたんぱく質も育てているほか、信徒の人たちをちゃんと食べさせることが出来るように畑は充実しているんですよぉ?」


「つまり、中で作業する必要があるんだな。人生に絶望しているような奴が働くか?」


 桐生院の渾身の解説を一蹴するノレンに、尚も笑顔のノレンが説明を続ける。


「働かないかもしれませんねぇ。でも、娯楽もちゃんと残してるんですよぉ?図書館にはいろんな本を置いていますし、戦闘訓練として色んな武器を扱えるよう近接武器を一通り揃えていますぅ!働きたくない人は働かないなりに、そういったところで過ごしているかもしれませんねぇ」


 お前はどんなアポカリプスを想定しているんだとノレンが辟易しながらも、この中で今野がいるならどこかと考えを巡らせる。戦闘訓練はもちろん除外、行っていたとしても一日で挫折しているだろう。農作業も除外。となると残るは


「図書館にいるかなぁ……よし、行くか。案内してくれ」


 一番可能性の高そうな図書館に案内するよう桐生院に告げると、凄く嬉しそうな顔をして先導し始めた。単純な奴、とノレンはあきれながらも、それに付いていく。


 やがて到着した場所は、結構立派な図書館だった。これが学校だったなら凄く充実しているなぁと感じるくらいには大きい。ノレンはその中で聞き込みを始めることにした。とりあえず近くにいる人間に話しかけてみる。


「あの、小さくて太ってる今野って男の人を探してるんですけど、心当たりありませんか?」


「うーん、そういう人はここに結構いるからなぁ。それだけの情報だとちょっと分からないかな」


 ノレンは当てが外れたなと思うと同時に、人生に絶望しているような人間がちゃんとした人間関係を築くわけもないかと考えを改める。なので今度はちゃんと目星をつけて、条件に一致しそうなやつを探し始めた。が、そういった輩がやたら多い。この図書館、いやこの施設にいる男性のほとんどが短髪の上、見方によっては全員ちょっと太ってる。ここで出されている食料に若干の不安を覚えながらも、桐生院に事の真意を聞いてみた。


「なぁ、なんでこの教団の人間はちょっと小太りなんだ?」


「あー……私が教祖だったときはちゃんとした食事をお布施で頂いていたんですけどぉ、極際さんが教祖にすげ変わってからは何処からかごちそうが届くようになりましてぇ……」


 つまり催眠の力でどうにかしてるって話か、とノレンは納得した。そのうちこの教団も、極際みんとの私欲を肥やすための施設になりそうだなと他人事に考えつつも、これからの探し方をちゃんと考えないといけないなぁと頭を搔くのであった。

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